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手洗い励行!

外出自粛中…コロナ関係のニュースで、ネットサーフィン、し過ぎてしまいます…ゼンメルヴァイス、まだ細菌学がそんなに発達していなかった頃、医者や看護師が手を洗うと助産院での母子死亡率が劇的に下がることを見つけたお医者さんです…でもそのことを必死に主張しても取り合ってもらえず、孤独になっていって最後には気が狂ってしまいました…

このゼンメルヴァイスの伝記小説、『医師ゼンメルヴァイスの生涯』を書いて、これは小説ではなく医学論文だと言い張り、小説で医師免許を取得してしまったのが、かのルイ・フェルディナン・セリーヌ…

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相変わらず、無茶苦茶です😂

しかも厄介なのは、この小説が滅茶苦茶に面白いこと…
ある意味セリーヌの作品の中で、その才能が突出していたことをもっとも雄弁に物語る作品かも知れません。
作品としてはつまらないけど事実は正確だというなら、まだ、苦笑いをしながらも論文として認定しやすかっただろうと思いますが、セリーヌの場合には作品の面白さのためには躊躇なく事実の方をねじ曲げてきますから…それを越えて医学論文として認められるほどの面白さの小説、ですからね…なんだか分かりません😂…ジャンル横断的です☺️

小説として文句なく感動的なのは間違いないのですが、ゼンメルヴァイスを美化し過ぎだろ、との突っ込みが入ります…もちろん…でも、こういう場合美化しても問題ないよね、とまで読者に思わせる力があります…ゼンメルヴァイスの主張に耳を傾けなかったのは、彼が奇矯な人間でちゃんと学会で粘り強く主張せず、すぐにキレたり大声を出したりするから、自業自得だよね、みたいな主張をしたところで、当のセリーヌが自業自得のお化けなのですから仕方ありません。

お前は自業自得だと言って責めていた側が、結局多くの赤ちゃんを感染で無駄に死なせたというのも事実ですしね…

自業自得でコロナ感染しないように、手洗い励行、頑張りましょう!

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