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もう充分

トランプ大統領はもう充分に戦った。スペクタクルのリンチをこれほど多くの人の目に明らかなまでに見せつけるなんてね。

あるアメリカ人識者、「2017年にトランプ大統領がすべての大手メディアはフェイクニュースを流していると述べたとき、私は一笑に付したが、それは本当だった」

シャチのように集団でクジラに襲いかかる。トランプに投票したと述べるキューバ系移民には、レポーターの女性自らが「一体どの政策が良いと言うんですか!別のキューバ系の人はバイデンに入れたと言ってましたよ!」と詰問する。末端にまで何をすべきかが行き渡っていて、彼女たちはそれを自らの欲望にまで昇華している。

スタジオで、「まだ郵便投票分がありますから」と言うときにアナウンサーがちょっと見せる不安気な表情。これでいいのかしら?合ってる?

大丈夫、すべてはごちゃごちゃにされてるから。はじめは州ごとの事前投票開票率も言ってたけどね。でもトランプ大統領の健闘でどの道今までメディアが言っていたことも出していた数字もすべて出鱈目だったとバレてしまったから、もうなり振り構ってはいられない。真っ向からの嘘、ぬけぬけと、臆面なく。人々が忘れるまで。忘れないのなら、新しくやって来た子供たちを教育だ。そんなのお手の物だし、結局はずっとそうやって来たんだから。

たとえ派手な死に方をしなくても、人は皆一日一日死に向かっている。したがって、誰でも自らの美意識と潜在化された物語に殉ずることになる。

一部の人には耳が痛い話なのかも知れないが、今あなたが置かれている状況は、あなたが「確実」だと思ったことの代償として与えられているのだ。

幸せなものたち、それはこれからは下手をすればレジスタンスと同じ意味に捉えかねられないので、彼らはお互いに遠くから目配せで挨拶するようになるだろう。

BBCのスタジオにはひとりは良識的な人がいて、それはまるで良識は過去の遺物であるとでも言わんばかりの好々爺だった。彼が口にする。「フロリダはなんで当確が出ないんだ?」。フロリダは丸々三時間遅れで当確が付く。マスコミが仕事をしないなら、ノースカロライナもジョージアも僕が今ここで当確を出そう。個人がメディアになる時代なんだろ?

「この嘘に満ちた暴政の仲間たちに対して提供される情報の切れ端は、普通、嘘に汚染され、検証不可能で操作されたものだからである。そんな情報でも、それに近づいてくる者たちには喜びである。なぜなら、何も知らないどんな者に比べても、彼らは自分の方が優れていると感じるからだ。おまけに、それらの情報の価値は、支配をいっそうよく是認するためだけのものであり、実際にそれを理解するためのものでは決してない。」

言い方を変えるなら、ここにこそ、理解することそれ自体が強力な自衛策となる急所がある。

アメリカが壮大なポリコレ実験場になり、人々がせいぜいアイン・ランド的なものだったディストピアから本格的にジョージ・オーウェル型のディストピアに引越しを迫られる目が出てきたなか、日本の平和さには目を見張るものがある。もちろん日々戦っている人々のおかげだ。


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