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【麒麟がくるレビュー・2軍】その44 「本能寺の変」どーして?

ついに迎えた「麒麟がくる」第44回。
まさか、これが最終回!?

とりあえずいつもと同じ調子で始めよう。
ドラマの感想を述べる2軍メンバー4名の紹介から。
              

・ビジネスウーマンのタマラ(スペイン人。マドリッド在住)
・82歳のじーちゃん(日本人。日本在住)
・12歳男子中学生・エル(日本人とスペイン人のハーフ。マドリッド在住)
・16歳女子高生・エル姉(エルのお姉ちゃん。マドリッド在住)

スペイン在住組3人の誰ひとりとして日本史の勉強をしたことはない。
さらに、日本在住の82歳も学校での日本史教育がどんなだったか覚えていない。
つまり日本史バックボーンゼロの4人が繰り広げる、歴史ドラマレビューである。

普通を期待しないように。

■タマラの「麒麟がくる お顔拝見17 斎藤道三」

今回が「麒麟がくる」の最終回じゃん?

タマラ、どうよ?

私が調子に乗って尋ねてみた。

そうね。とてもいいドラマだったと思うわ。
個性的な人が沢山登場したし。
日本の歴史を新しい視点で見ることができたもんねー。

ふんふん・・・。

ウソをつくな。

この女はちゃらんぽらんな2軍の中でも、ひときわ異質な存在。

唯一1度もドラマを観たことがない、予告編さえも観たことがない、あまつさえ登場人物が動いているところを見たこともないメンバーなのだ。

よくもまぁ、まるで見てきたようにおっしゃいますな!

だってー。なんか期待されてると思ったからね-。
登場人物の写真は沢山見たから、なんとなく分かるんだってば。

そうかなー。

口をとがらす私をみたタマラは、慌てて私のスマートフォンを取り上げ、そこに映った人物をいつものように観察し始めた。

2軍に途中参加したタマラには、ドラマの前半だけに活躍した登場人物を見てもらったことがない。
そこで、私はラストチャンスにこの人物をチョイスした。

斎藤道三だ。


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タマラは写真を眺めながら半笑いで言う。

あ、あたし、そういやこのドラマの題名も知らないわ-。

タマラめ、言いたい放題だ。

題名は最初に意味も付けて説明しましたがね。
もう忘れてますな。
期待はしてないけどさ。

私がぶつぶつ言うのを遮るようにタマラが言った。

うわ、短気な人ね-。
大抵機嫌がわるい人。

顔をしかめる彼女。

ははは。なかなか当たってます。

わりとちゃんと見ているんだね。

でも彼女はわたしが「カッコイイでしょ」と言っても、それを認めなかった。意外。モックンはタイプではなかったか。

私にスマートフォンを返しながらタマラがにっこり笑顔で言った。

でも、もうこれでこの歴史ドラマも終わってしまうのねぇ。
寂しいね。

いや、もう来週から150年くらい前の話で『青天がなんとか』っていう新しい歴史ドラマがすぐ始まるよ、と言った私。

電話を返してくれようとする彼女の動きが固まった。

えっ・・・、まだあるの?

■ラストシーン三者三様!!

常々私は感想を聞くときには2軍の3人に個別で聞くようにしている。
今回、別々に話を聞いた3人ともが見事に同意見だったのが、

ラストシーンがよかった-!

ということ。

三者三様に喜んでいる。

いや、まさに三者三様で・・・。

【エル】
ナレーションが「光秀はここまででしたー」「負けましたー」って言ったヤツ、全然主人公みたいに扱ってくれなくてイヤだったけど。
でも、ドラマの中で光秀が生きているのか死んでいるかをはっきり言わないで、よくわからないまま終わるところはすごくいいね-。
ボクは、光秀が死んでないって思えて嬉しい。

ごくまっとうな感想だ。
エルも44回全部観ただけあって、成長したかな。

【エル姉】
見る人が自分で自分の好きなドラマのエンディングを想像できる終わり方。それがとってもよかった-。
光秀が最後に馬にのって駆けていくシーンがすごくいい。馬が。
青い飾りもいっぱいあって可愛いし、ナイスなの。馬が。

なぜ馬に注目する。

【じーちゃん】
ドラマの最後はよかった。わしが、前回に言った通りじゃったね。
NHKの大河ドラマというものは、主人公の光秀が死ぬ場面などは見せないことになっとる。
終わりのシーンは、明智光秀という人物が毅然として死んで行くことを意味するほわっとした終わり方じゃ。

あれ? じーちゃん。

光秀の死ぬ場面はなかったけれど、本当は光秀死んでるって思ってる?

お前(私のこと)が前に光秀は殺される、言うとったやろが。

いや、そうなんだけど、今回のドラマ上では生存説の可能性も残されていたよね。それに、駒ちゃんも市場で光秀を見かけて追いかけたりしてたし・・・。

駒ちゃんを信じてはいかん。
あいつは光秀が好きじゃから、そう見えただけじゃ。

え。じゃあ、あの市場で光秀みたいに見えた人は・・・?

他人のそら似じゃ(断言)。

で、馬に乗って走る光秀は?

あれは、イメージ。
まあ、言うたら光秀が馬に乗って天国に上るようなかんじじゃ。
あいつはもう死んどるぞ。

そうなん? ねぇ、そうなん?

■信長が死んだという認識では一致の3人

光秀とは違い、信長は間違いなくしっかり死んだ。
見ました、死体も。
これについては3人の意見が一致した(安堵)。

【エル】
信長が槍で戦うところを見てたら、(斎藤)道三思い出しちゃった!
戦うシーンが長くて良かった-。信長頑張ったね。
だけど、それに比べて光秀の(山崎の戦い)の戦うシーンが全然なかったよね。主人公なのに。
信長はちょっと泣いてたね。かしこい光秀が自分を殺すなら、ちゃんとした理由があるんだろうから、ま、いっかー、って殺されたんだよ。
いっぱい眠りたいって言ってたから、これで眠れるよ。
ごめん、でもボク泣かなかったよ。
【エル姉】
信長が殺されたのは可哀想。
光秀の友だちだったからねー、つらいよねー光秀も。
でも光秀は、あんなに大勢で殺しにいかなくても。
失敗するのが怖かったのかな。
朝も早いのに。
光秀はお坊さんにでも化けて(変装して)、信長が寝ているところをサッと自分で殺せばいいの。他人に任せないで。
信長も信長だよ! どうしてあんなにバーンと戸を開けて外を見るの?
鉄砲とか弓とか飛んでくるの当たり前でしょ?
最後に信長が死んでるところ見たら・・・ちょっとショック。
【じーちゃん】
まあ、信長には思い当たることがあったんじゃな。
ベランダに行って窓をあけた時(←ロケーションは寺。マンションではない)、光秀の旗のマークを見つけたじゃろ?
光秀に殺られるんじゃったら、仕方ないと諦めたなぁ。
そうそう「是非もない」じゃ。うひゃひゃ。
じゃが、信長は生き生き戦っておったぞ。
死ぬ時に生き生きするのは皮肉なもんじゃ。
あんな欄干のところまで行って(←いい加減なこと言うな。橋の上か)立っておったから、ハチの巣にされて殺されたんじゃ。
えっ、信長は殺されてない?
自分で死んだんか? そんなシーンはわしのほうにはなかったが・・・。 

何から言えばいいのか困る。
いろいろなレベルで間違ったじーちゃん。
少なくとも信長が死んだことはわかっていたので、面倒くさいからちゃんと訂正しないでおいた。
NHKさんよ。
信長の自決の瞬間を見せない演出、じーちゃんに通じてません。

彼は本能寺の「ベランダ」で鉄砲や矢で「ハチの巣」にされた信長が、どうしたことか部屋で倒れて死んだと思っていた様子。

■おわりに

実は、まだまだ書いてない彼らの意見があるんだけど、それ書いてたらこっちが大河ドラマになっちゃうよ。

というわけで、もう終了だ。
ついに「麒麟がくる」が終わった。
2軍も終わろう。

だから、最後に3人にひと言ずつ言ってもらおう。

いや、私は確かに言いましたがね。
何でもいいから最後にひと言、と。

【エル】
ボク、最後に菊丸のことが結構好きになったよ。ニンジャでしょ。
「カゲブンシンノジュツ(影分身の術)!」
「クチヨセノジュツ(口寄せの術)!」

菊丸ではなくマンガの『NARUTO』だろう、それは。
今、スペインでも流行ってる。

【じーちゃん】
えーっと。
最後までようわからんままずーっときた感じです。

潔いほど進歩のなかった82歳。
愕然とするばかりである。

【エル姉】
キリン・・・Giraffe(ジラフ)は昔から日本にいたの?

えっ!

えっ!

ごめん。
Giraffe=キリン。麒麟?

そーいえば、まだあんたには
「王が仁のある政治をするときに現れるという麒麟という獣」
のこと説明してなかったねー!


はっはっは。

私を含め、2軍はこんな感じで終了です。


思えば、この「2軍レビュー」というのはこの思いつきから始まった。

放映があると記事を更新し、たまにレビューとは別に「2軍・補欠」というのを出したりもした。
この投稿を入れると47本の記事がアップされたことになる。
よーやったな、自分。

あっ。
2月23日(火)には「麒麟がくる」の総集編が放映されるのをご存知か?

実は、その頃に、あともう一回だけ、この「麒麟がくるレビュー・2軍」の反省会でも投稿させていただこうかと思う。

2軍レビューもう終わると思ってた?
私は思ってたけどね。笑

ではでは、
『晴天につき』? 
『青天のツケ』? 
いやいや
『青天を衝け』のレビュー・2軍でお会いしましょう。(←大嘘。絶対ない)



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こちらも最後。「麒麟がくる」の一軍レビュー最終回です。

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