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【麒麟がくるレビュー・2軍】その26 「三淵の奸計」て何て読む?

これは、82歳の生粋の日本人のじーちゃんと、12歳の日本人とスペイン人ハーフのエルが『麒麟がくる』の感想を言ったのを、私がまとめたレビューもどきである。
これを言っておかないと、ちゃんとしたレビューだと思って読む方に申し訳ないので。

■クシャミをすると、どーんと当たる。

じーちゃんに『麒麟がくる』の感想を聞くための電話をした際、「レビュー・2軍【補欠2】告白させてください」にて説明したように、エルのコロナ感染騒ぎ(結局は陰性だった)について話した。

じーちゃんは大層エルのことを心配し、安心した。

エルの感染チェックのテストの話もした。
鼻に綿棒の長いやつを入れて粘膜をチェックするという、あのテストだ。
エル自身は「意外と平気」だったらしいが、じーちゃんが大きく反応した。

「あれはたまらんぞ」

実は、じーちゃんにはインフルエンザの時などに、同様の検査をした経験が2度ほどあったらしい。

「あの検査って、クシャミとか出ないの?」
私が尋ねると、彼はおう、おう、と応じた。

「あんなモノ、鼻に入れられたらもちろんクシャミがでる。クシャミをすると、頭が動くじゃろう? そしたらあの綿棒がどーんと当たるんじゃ。鼻の奥に、どーんと

かなり不快な思いをしたらしい。

「エルも大変じゃったの。でも、元気になってよかった。それじゃ、わしはこれで・・・

シラっと電話を終えようとするじーちゃん。

そこをとっ捕まえる私だ。
「いやいやいや。本題はこれからでっせ!」

■またもや毒殺である。

さて、26話では『麒麟がくる』における殺人の常套手段、毒殺がまたもや繰り返された。
今度はなんと幼い子供、朝倉義景の子・阿君丸(くまぎみまる)が犠牲者だ。

エルは状況をよく理解している。

そこで、一番肝心なことを見落とすことが多いじーちゃんに、誰が殺されたのかわかっているかどうかを確認した。
すると、彼はわりとヘラヘラした感じで

「ああ。チューチューのあれやな。なんちゃら丸じゃ」

と言った。

まあいい。

「なんちゃら丸」で十分だ。
チューチューというのは、前回その少年がネズミがいないと大騒ぎしたことを指している。
じーちゃんも、誰が死んだかくらいはわかっているらしい。

問題は、誰に殺されたか、である。

■「意味不明」と書いておいた。

朝倉義景の息子・阿君丸の暗殺には、どうも三淵藤英(みつぶちふじひで)が関わっているようなのだが・・・ドラマでは詳しい経緯は再現されなかった。

エル
「でもさ、ミチュブチ(エルは三淵がちゃんと言えない)は、あの子(阿君丸)が殺される前に、暗い部屋の中で相談してたでしょ。あれが怪しい」

確かにあの場面は、三淵の手配で阿君丸を毒殺するのを視聴者に示唆するためのシーンみたいなもんだ。

では、じーちゃんの見解はどうだろうか。

「わしな、誰の命令で殺したか、さっぱりわからん」

「ドラマでは三淵が殺させたということになっておるんやろう? じゃから、題名が『三淵の奸計(かんけい)』なんかのう? わかりにくいのう」

納得がいかぬ様子のじーちゃん。演出や脚本に不満があるのか。

「じゃから、わしのメモには『三淵の奸計は意味不明』と書いておいた!」

なんか威張ってます。

■NHKさん、弟が多すぎます!

じーちゃんは、人名とか人間関係がすぐこんがらがってしまう。

何度も「足利義景(あしかがよしかげ)」と言うのだ。
将軍の「足利」と朝倉義景の「義景」をくっつけられるとややこしい。

誰なんですか、それは?

毎回ドラマの『麒麟がきます』というタイトル(←そんなタイトルじゃない)が出たあとに、タッタッタといろんな人の名前が出るので、混乱するんじゃ」
言い訳、言い訳。

それ以外にもじーちゃんは、
・第13代将軍・足利義輝
・第15代将軍・足利義昭(これから将軍になる予定)
・関白・近衛前久
3人が兄弟だと思い込んでいたことが判明。

足利義輝と義昭は本当の兄弟だ。
なぜか伊呂波太夫が「弟のようにかわいがった近衛前久」までも、足利兄弟のその下の弟だと思っちゃったらしい。

「いや、伊呂波太夫が弟じゃ、弟じゃ、言うから・・・」とわざとらしいほど弱々しく言うじーちゃん。

そのことをエルに伝えると、
「混乱しちゃったんだね。じーちゃん・・・おじいちゃんだから仕方ないね」
と妙に優しい。

そうだね。
NHKさんは、沢山の「弟」を一度に登場させるべきではなかったね。

じーちゃんはエルの体調を、エルはじーちゃんの頭の中をお互いに気遣い合う優しい「関係」。
「奸計」とはエライ違いだ、というところで今回の締めとしておこう。