始まりと終わりの間と空の領域。
「自分の命があと1日だと分かった時、何を食べたいか」
ある日、
このような話題になり、私は真面目に考えてみた。
おそらく私は何かを食べたいとは思わず、何も食べずに旅立つだろう。
食べない代わりに、
これまでの食事のシーン、
もしくは、たわいもないシーンを思い出しながら、その瞬間瞬間への感謝を述べるのではないだろうか。
そして私の人生への関わりを見渡し、
あらゆる人、もの、事への感謝を伝える。そして、この時間がゆったりと全体を包む印象を感じるのではないだろうか。
毎朝、
目が覚めて思うことは、
目が覚め朝を迎えたという奇跡が起こったと思うこと。
毎晩、
眠る前に思うことは、
今日私はどんな風に過ごしただろうか。自分に正直になれていただろうかと問い、
夜を迎え眠ることが出来ることへのお礼を心の中で伝える。
毎日を繰り返し、やがて最期に
人生を振り返った時、
見えてくるものは、心に響いた瞬間の連続が見えるのではないだろうか。
もしかすると、
心に響いた瞬間は、生きている時には気が付かなかったこと、たわいもない瞬間かも知れない。
この時、始まりと終わりの間にある
形として表せない永遠に響き続ける、かけがえのないものがあったことを知るのかも知れない。
ふとした瞬間、儚さの中にある素晴らしさ。
掴めないものを掴もうとせず、日々過ごすことが、自分を正直に素直に生かす道なのかも知れない…。
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