【赤の少女と白い虎】 17夜. 決意
前回のお話はここから
最初からはこちら
。・。・。・
「なぜ泣いているのだ」
「わかりません。でも止まりません」
わたしはそのまま、声をあげて泣きに泣いた。
師は、わたしにふれるわけでもなく、
声をかけるわけでもなく、
ただそばにいてくれたのさ。
その日の夜はそこで終わった。
わたしは泣きはらした目と、
ぼんやりとした頭を自分の部屋に持ち帰った。
そしてベッドに腰掛け、しばらくの間、呼吸を感じた。
そうすると、閉じ込めていた感覚が
ゆっくりと立ち上がり、
みるみる世界がくっきりと形づくられていくのがわかった。
この時にわたしは何を考えていたと思う?
お前ならどう思う?
わたしはね、
よし、乗り切った。
これで全てうまくいく。
そう思ったのさ。
〜つづく
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?