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#13 抗がん剤治療前半戦の副作用まとめ

「抗がん剤」に対する間違ったイメージ

抗がん剤治療というと、ドラマのイメージしかありませんでした。
おえおえ吐きながら痩せ細る。
髪の毛がごっそり抜ける。

自分が実際に経験してみて、ものすごい偏見の塊だということに気づきました。
もちろん、イメージ通りのこともありましたが、メディアの刷り込み、しかもアップデートされない古い刷り込みって恐ろしいなと思いました。

まず一番驚いたことは、抗がん剤治療が外来の通院でできるということです。
入院しなくていいんです。
何も知らない私には衝撃でした。
中には、初回は入院して体調の変化がないか確認する人もいるので、全てが通院でできるというわけではありません。
同じ病気で同じ薬を使っていても人それぞれ違います。

私の場合は、最初から最後まで通院で終えられました。
一応、体調が悪くなれば入院になる可能性はあると言われていました。

私が使った抗がん剤の種類

私が行った治療法はEC療法です。
使った抗がん剤は3種類あります。
第1フェーズでは2種類の薬を使いました。
「エピルビシン」と「エンドキサン」という薬です。

「エピルビシン」は赤い色をしています。
初めてみた時は、ショックでした。
それくらい赤いです。
しかも、また体に入ってくる時に、スーッとする感じがあって気持ち悪い。
1回目の手の甲から点滴した時は、激痛で看護師さんをなん度も呼びました。
2回目以降は手の甲はやめてもらったけど、スーッという感じがとても気持ち悪かったです。
1〜2日間は、尿にも抗がん剤が混ざっているのですが、その時期の尿はちゃんと赤くなります。

「エンドキサン」は無色透明でした。
こちらは、薬が入ってくる時に特に感覚はありませんでした。

副作用①吐き気

点滴の翌日〜3日目くらいまで、ムカムカしたような吐き気がありました。
点滴前に、吐き気どめの薬を飲みます。
さらに、吐き気どめの点滴もします。
点滴後3日間は、毎朝吐き気どめの薬を飲みます。
ここまでやっても、ムカムカ気持ち悪い感じがずっとありました。

主治医曰く、これが「悪阻のような吐き気」みたいです。
私は悪阻は未経験です。
悪阻がどんなものなのかは全くわからないけど、我慢できないほどではありませんでした。
ずっと気持ち悪かったけど・・・。

気持ち悪いけど薬を飲まないといけないので、量を減らしながらどうにかご飯を食べていました。
どうにもならずにご飯を抜いたのは1度だけです。
吐き気は、4日目くらいから少しずつおさまっていきました。
頑丈な体に生んでくれた両親には感謝しかありません。

昔は、ドラマのようにオエオエ吐きながらの治療だったそうです。
薬が進化で吐き気はかなり軽減されているそうです。
(もちろん、人それぞれ程度はあります)
医学の進歩にも感謝です。

副作用②不眠

夜眠れない不眠ではなく、何度も夜中に目が覚めるパターンの不眠でした。
この原因は、吐き気どめの薬にあるということでした。
抗がん剤投与の翌日から、「アプレピタントカプセル」と「デカドロン錠」という吐き気どめの薬を飲みました。
どうやらこの薬の副作用のようでした。

1週間くらいは毎日4〜5回目が覚めていました。
その度にトイレに行きたくなっていたので、特に困ってはいなかったです。
困ってはないけど、目が覚める回数は普通じゃないですよね。
夜中に何度も目が覚めるのも不眠ということを知りました。

副作用③便秘

これは強烈でした。
本当に出ない。
そこにあるのはわかるのに出ない。
頑張って出したら切れる。
痛い。
出すのが怖い。
出ない。
悪循環でしかありませんでした。

便秘に関しては、先生が薬を出してくれたので、どうにか脱出することができました。
便秘の辛さよりも、下痢でも出た方が楽だという患者さんが他にもいて、「わかる〜!」と共感しかありませんでした。
便秘の薬ありがとう。

副作用④口内炎

1回目の後に少しできました。
今から口の中痛くなるんだろうな・・・と思っていたけど、すぐ治りました。
3日くらい痛かっただけです。
頑丈な体で嬉しい。

副作用⑤心臓への影響

突然心臓がドキドキする時がありました。
体力がなくなっているので、少し動いた時もドキドキしました。
何でもない時にドキドキし始めた時はちょっと怖かったです。
安静にしていたらおさまったので、まだマシでした。

副作用⑥爪が黒くなる

2回目の抗がん剤治療くらいから、爪が黒くなってきました。
これも薬の副作用だと言われていました。
だんだん爪が黒くなってきて、ここは隠せないのでちょっと気になるなぁと思っていました。
でも、別に誰かと会うわけでもないので、自然に任せていました。

化学治療室には、医療用のマニュキアが紹介されていました。
あまりにも気になるようなら、使ってみようかと思っていましたが、健康な時にも爪に何かを塗るのが嫌だったでやめました。
何かを塗ると、爪が呼吸できていない感じがして苦手なんです。

抗がん剤の全工程が終わって数ヶ月したら気づいたら、爪の黒さはなくなりました。
今は治療前の爪に戻っています!

副作用⑦白血球の低下

白血球の数値が低下するので、少し動いただけでしんどくなります。
常にふわふわした感じでした。
頭もぼーっとしていたかもしれません。
これに関しては、抗がん剤投与2日後に「ジーラスタ」という注射をして、白血球を早く増やすという感じでした。

「ジーラスタ」の注射は、薬を注入される時がめっちゃ痛いです。
しかもこの注射の副作用がきつい。
筋肉?骨?身体中が痛い。
寝るしかないけど、寝るのも痛い。
ジーラスタの注射後1週間くらいは、つらかった・・・。
明日は今日よりマシになるはず・・・と言い聞かせて過ごしていました。
でも、この注射のおかげで回復後は元に戻ったくらい元気になりました。
ジーラスタの副作用についてはこれまでの記録にもあります↓↓↓

副作用⑧脱毛

脱毛は避けては通れませんでした。
初めて抗がん剤を投与して3週間後くらいに髪の毛が抜け始めました。
先生・看護師さん・薬剤師さんたちの説明通りでした。

お風呂に入るのが憂鬱でたまりませんでした。
髪の毛の処理が本当にめんどくさかったです。
ピークに抜けている数日間は、髪の毛の処理に2時間かかっていました。
でもこういうことも慣れっていうものがあって、だんだん時間短縮できるようになりました。
昨日より○分短縮できた!と謎のタイムレースを1人でやっていました。
私の場合は、ごっそり抜ける悲しさよりも、それを片付けるイライラの方が大きかったのでタイムが上がっていくのが嬉しくなっていました。

抜ける髪の毛もなくなってくるので、髪の毛処理に苦労したのは2週間弱と言ったところだと思います。
抜けてしまえばこっちのもので、お風呂の時間が短くなってラッキー!って思うくらいでした。
処理が面倒なので、1日でも早く抜け切ることだけを願っていました。
今考えても能天気なくらいポジティブでした。

後々、看護師さんとの話で、この話題になった時に、大爆笑されました。
人によって悩みって違うんやね〜!勉強になるわ〜!と言われました。

脱毛に関しては後日談があります。
抗がん剤治療もベテランの域に達した時期です。
私は割としぶとく眉毛やまつ毛が残っていました。
ベテラン看護師さんには、え!これ自分の毛!?まだ毛が残ってる?!すごい!こんな人初めて見た!とマジマジと見ながら言われました。

結局、最後の最後は、身体中の毛という毛が抜けました!
9割9分は抜けたと思います。
身体中ツルツルすべすべで触り心地がとても良かったです!

さいごに

私の副作用はこんなものです。
振り返って「こんなもの」と言えますが、その時はしんどかったです。
でも今、色々と検索してみると、副作用に耐性があったようです。
同じ病気で同じ薬を使っている人で、ヘロヘロになっている人がたくさんいます。
しかも薬が合わずに効果がないという人も・・・。

これ以外に、起こるであろうと説明されていたものもあります。
「肌がボロボロになる」「爪が乾燥して剥がれる」「味覚がなくなる」
ほとんどの人がこの症状は出るそうです。
なんと、私はこの3つの症状が出ませんでした。
これには、先生、看護師さん、薬剤師さん、リハビリの先生などなど・・・
みんなに驚かれました。
どれだけラッキーだったのか。
強靭な肉体に生んでくれて嬉しい!!
神様ありがとうございます!!

抗がん剤は、がん細胞だけでなく健康な細胞も攻撃します。
健康な細胞が壊れる分、副作用が大きく出てきます。
私は本当に運が良かったと思います。
何度もご先祖様に感謝しました。

病気以外の私めっちゃ頑丈です!!!
神様、仏様、ご先祖様、ありがとうございます!!!

「脱毛」については、まだまだネタがあるのでまた詳しく書こうと思います。

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