新しく柔らかな日々
先日、我が家に新しく家族が増えた。
以前の記事で、お話していた保護猫さんを迎えることができたのだ。
3歳になるメスの猫さんは、それは人懐っこく、初日から一緒に寝てくれた。
でも、この人間と一緒に眠れるという行動は、かつて飼い猫だったからかもしれない。
サラダさんはどうだったかな?と思い出そうにも、十何年も昔の話なので、すっかり忘れてしまった。
サラダさんとは、晩年のほうが思い出が色濃い。
すっかりヨボヨボのサラダさんに慣れていたので、新しい猫さんが、ひょいひょいっと、棚の上なんかにのぼるのをみて、思わず拍手してしまったぐらいだ。
そうだった。猫は身軽だった。
サラダさんとのまったりとした雰囲気も好きだったが、今の子育てが始まったばかりのような新鮮な雰囲気も嫌いじゃない。
ずっとうちに来たその日から、猫さんに話しかけている。
かつて、サラダさんにそうしたように。
(猫は人間の言葉が分かると信じて止まない私なので、ずっと話しかけているのだが。)
1つだけ、新しい猫さんには、許してほしいことがある。
私の中で、猫との接し方の基準が、サラダさんのままなことである。
私の中で唯一の存在だったのだ。
新しく始まった日々は、柔らかな果物のようだ。
硬く熟していないころとは違い、サラダさんがいたことで、優しくゆっくりと熟された日々は、これからどんなことがおこるだろうか。
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