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営業・対人系の職種は、ベテランが新人にまけることがある。なぜ?


#仕事の心がけ

パッケージツアーにも、最後にお客様アンケートがある。
今回のツアーについて、旅程はどうだったか、お食事はどうだったか、レストランの雰囲気はどうおもったか、等々細かく質問がある。そして、添乗員も評価される。

不思議なのは、新人の頃、そのアンケートがほぼオール5だったこと。どの客様にも好かれたのである。
失敗も多いのに、トラブルがあっても、だ。

そして、1年がたち、2年がたち、3年がたち、
どんどんベテランになり、添乗の要領がよくなり、いろんな国・観光地・ホテルの事情もわかり、トラブルもなく、
文句のつけどころのないツアーができるようになった頃、
オール5とはいかなくなった。

つまり余裕で仕事をする姿(に思われること)が、一生懸命にみれないのだ。不公平である。
お客様は、駆けずり回って、全然余裕がなくても、失敗しても、限界以上に頑張る添乗員に好感を持つのだと知った。

4-5年過ぎたらベテランと呼ばれ、現地のガイドさんにもなじみの人が多くなった。その分、現地情報にも精通しお客様に還元できるのに、それなのに、新人の頃にいただいた評価には毎回届かない。負けず嫌いな私は「あの頃の自分」へのアンケートオール5評価に挑戦をしたくて、思いつくことを真摯に全部やってみた。
お客様が満足できれば評価は5になるはずなのだ。
どうしたらツアー参加者全員を満足できるのかと毎回がんばっていた。ベテランだって走るし、ベテランだからこそ、先回りしていろいろ準備もできる。痒いところに手がとどく、そんな添乗。
でも、オール5にはならなかった。新人の頃の自分を超えられなかったのである。

20人のパッケージツアーの参加者がいたら、20人の希望はバラバラである。写真を撮りたい人、おいしいものを食べたい人、買い物がしたい人、そのバラバラの望みを全部満足させるだけの、添乗の質をマシマシにしてレベルアップをしていたのに、やっぱり、【日本人は、初々しい一生懸命な新人】が好き。

人は、自分のため一生懸命に動いてくれる人間に感動する。感謝する。真摯に誠実に働く新人は、ドジでも愛される。

ただ、企業側としては、社員がいつまでも新人のままでは
困惑する。大切にしたいのは、その精神だけである。

どんなに仕事に慣れて自分がレベルアップしたと思っていても、新人の時の一生懸命さを忘れずに、「誠実にまさる武器はない」と心に刻もう。

ライバルは、新人だった時の自分。
だからこそ、スレるな、ベテラン。


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