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うつ×ADHD×東大受験 49 息子のマイペース受験記 東大試験2日目

高3の夏休みにうつ・ADHDと診断された息子。センター試験直前に親子で向き合って話をしたことをきっかけに症状が改善したが、勉強は間に合わず宅浪することに。そして共通テストは目標点達成。しかし慶應は数学で失敗。理科大は合格するも息子はソワソワの毎日。そして脚が震えるほどの緊張の中、東大入試1日目が終わった。今回も日記から。

2月26日(金) 東大試験2日目

受験最終日!!わたし自身初日よりはよく眠れた。3時に目覚めるも、あとは目覚ましで起床。ねぎと生姜をたっぷり入れた卵スープ、トースト、紅茶を用意。お弁当には鮭のおにぎり、ハトムギ茶。

タローは5時40分に起きるといっていたが5時50分に起きてきた。よく眠れたよう。昨日の緊張は見られない。手際よく準備して予定通り家を出た。

ダーが「パスモ持った?」などいろいろ確認しようとするが、朝からすごい勢いで聞かれては疲れてしまうのではと思い、タローにはいわず、出てから忘れものがないかチェック。・・・してる間に「タロー戻ってきた!」の声。
雨降りそうだから、と折りたたみ傘を持って行った。

昼休み工学部2号館の写真を何枚か送ってきた。すてきな建物で、タローが
恵まれているといっていたのもうなずける。導かれる結果を受け入れるといいつつも、やはりここに入れるといいなあと思ってしまう。

受験終了のお祝いに、タローの好きなウイークエンドを焼こうと思い立つ。卵を常温に戻していなかったためか、バターと分離してしまいなかなか難しい。焼き上がると、タローが受験最終日の夕食におすしを食べたいといっていたので、おすしを買いにいった。

タローから駅到着時間のLINEあり。自転車もすぐ出せるし、ジローと駅まで行くことに。出社していたダーもルート変更して皆でタローの着く駅で合流することになった。

途中タローから、間違えて逆方向に乗り、巣鴨に来てしまったと連絡あり。
ジローと待っていると5分くらいでダー到着。20分ほど待ったところでタローが改札から出てきた。終った開放感でニコニコしている。

「できはね、あ、家で話そうか」
と結果にふれず、巣鴨に行ってしまいドヨーンとしたこと、会場出たあと去年受けた教室に行ってスマホで撮って来たこと、その時フラッシュの光をつけたまま外でも撮影を続けてしまい、こちらを見てる人が多かったのはそのためだったのかと恥ずかしかったことなどを話して、時々思い出したように「終わったー!これで受験終わりだー」
と叫んでいた。

家ではおみそ汁だけ作って、みんなでおすし。久しぶりでおいしかった。

食べながら、
「じゃあ感触いうよ。結果から聞きたい?それとも順を追って?」
「どちらでもいいよ」

その時までタローのあまりの明るさに、けっこうな手ごたえがあったのではないかと思っていた。

「じゃあ結果から。残念だけど落ちました。多分。なぜかというと、数学ができなかったから。この10年ほぼ毎年出ていた僕の得意な立体が出なくて、それまで力を入れてやっていた確率も出なくて、苦手な複素数と苦手な数字の羅列みたいな整数問題が出てきて、今までの中でいちばん解けなかったから無理だと思う。国語は自分の中ではいい方で物理はできた。化学は悪い。英語は簡単だった」

昨日猛烈に鉄壁を読んでいたからてっきり有望なのかと思っていたが、今朝緊張感が見られなかったのは、もう勝負を諦めたからだった。それでもここで全力を出せないと一生後悔するので、最後まで燃え尽きる気で取り組もう、そしてこの1年のがんばりをなんとか形に残したい、去年Dランクで不合格だったのをせめてAランクでの不合格にしたいと、夢中でがんばっていたらしい。

このところ、解けない問題が出たらそれは東大が向かないという導きだろうと話していたので、まさにその導きと捉えたに違いない。

それからさっと暗算で計算しだした。
「220点くらい。え?220 いってる?」

もう1度計算して確かにいっているが、共テ分の98点を合わせて318点。これは年による変動で飲まれてしまう値なので何とも言えない。

「でも横国は受かりそうだからね」とごはんを食べる。

ダーは「疲れた」と割とすぐに寝た。23時頃、寝ようかという感じだった
が急に思い出した。

「そういえば慶應の結果見てないけどどうする?明日にする?」
「慶應かー。すっかり忘れてたよ。見よっか。これ、もはやエンタメだから。ジロー、撮ってくれる?ここ押せば出るからね。ここに不合格って出るから見ててね」とボタンを押す。

合格

すっかりあきらめきっていたので何が起こったのかわからない。横国に行くつもりだったのでタローも最初は複雑な感じ。
「え?受かったの?合格?ヤッター!」
「じゃあお父さんにも見せて来たら?」
「うん」

ダーもおどろいていた。
「おめでとうすごいね!」
本当にすごい。少し興奮しながらベッドに入った。

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