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うつ×ADHD×東大受験 47 息子のマイペース受験記 東大受験前日、感謝の言葉に涙

高3の夏休みにうつ・ADHDと診断された息子。センター試験直前に親子で向き合って話をしたことをきっかけに症状が改善したが、勉強は間に合わず宅浪することに。そして共通テストは目標点達成。しかし慶應は数学で失敗。理科大は合格するも息子はソワソワの毎日。東大入試2日前、最後にするといって物化の過去問に取り組み、伸びを実感することができた。今回も日記から。

2月24日(水) 東大受験前日

タローは6時半に声かけても起きられなかったが、7時だというと「目薬さして起きるか!」と起きた。トマトスープはタローが自分で飲める量をよそう。いろいろトントン拍子に進み、8時にはテレビを消して散歩へ。はじめは道に日が差していなかったが、みるみる日当たりが増えた。

今日の散歩も昨夜観た動画の話。でも本来の自分のしたい生活もしつつでいい感じだという。ビタミンD合成のため日に手をかざしながら歩く。

帰るとすぐに明日の準備。念のため三田線以外のルートも探索する。明日の到着予定時刻を設定すると、東大前、根津、本郷三丁目駅は混雑マークが出ているが、昨年も使った春日だけは混雑マークなし。東大の受験案内に上の3つの駅しか掲載されていないためだろうか。

受験のしおりも読んだ。明日は検温必要。

食器を洗い終るとすぐにとり肉を調味料に漬けて昼食は唐津の唐揚げ。現役のセンター前日、受験をやめようと思っていたタローに受ける力を与えてくれたメニュー。油ものを前日に食べるのはといわれても作らずにいられない。あの克服があって今のタローがある気がする。お昼だからセーフとしよう。タローもとてもうれしそうにたくさん食べてくれた。

聞けば高校の同級生で大学生になっている友だちが「明日がんばってね」と、そして浪人している友だちが「明日がんばろうね」とLINEでメッセージをくれたとのこと。タローがうれしそうな顔をしているが、わたしまでうれしい。

午後はZ会の国語の問題を解いている。この前の駿台の映像授業で対立軸と同値関係を明確にするということをやってみたら答案が書きやすくなったという。

18時前にタロー入浴。18時半~麻婆豆腐丼。21時頃、そろそろ寝よう
と促すが荷物をバッグにつめてからといい、22時頃タローの部屋へ。トレドミン(抗うつ薬)は最近腹痛になるので飲むのをやめた。点鼻薬はアレルギー用のものを念のために持たせる。緊張していて不安感募る。

これで動画視聴にはまり込んで睡眠不足になってはどうしようもないので、今夜は隣で寝ようということになり、タローはダーとベッドを交換してもらって隣のベッドに横になった。しかし「このベッド寝心地が違うなー」と気になる様子。やはり自分のベッドで寝ることに。

急きょ頓服用でいただいていたアナフラニールを飲ませる。副作用で眠くなるとあるが、不眠とも書いてある。おそらくこちらの方が稀と思うが少し心配。今までは大丈夫だったので祈るような気持ちで飲ませる。しばらくして落ち着いてきたという。それでタローの部屋に行った。

「しばらくここにいるから横になって」
横になったタローの手を握ると
「安心する。みんな緊張するっていってたけど僕そういうのよくわからなくて・・・そしたらこれなのかって。もしいきたい所に不合格になっても周りは何も変わらないよね?お母さんずっとそばにいてくれるよね?いなくなったりしないよね?」
「タローががんばってきたのはよくわかってるし、受かる実力もついてすごいなって思ってるよ。もしだめだったとしたら、横国の方がタローの人生にプラスになるよって導いてくれてるのだと思うよ。お父さんもジローもみんな同じようにタローの幸せを願っていると思うよ」
「そうだよね。ありがとう。だめでも、自分が悪いんじゃなくて、その方がいいんだってありのままを受け入れようと思うよ。お母さん、眠れなくなっちゃうね。大丈夫?」
「大丈夫だよ。だから安心して眠っていいよ」
「うん、ありがとう。この1年つらかったけどがんばったよね。そしてそれをみんなが応援してくれてうれしかった。お父さんもジローも応援してくれてありがたかった。でもお母さんはいつもこうやって心の支えになってくれて、本当にありがとう。僕、本番の前の夜、寝る前にどうしてもこういう気持ちだけは伝えたかったんだ」

途中で時々タローが涙をぬぐっているのがわかった。わたしも、タローは本当にがんばってきたなー、勉強も伸びたけど、人間的な成長が大きかったなーと涙が流れる。

「お母さん、暗くてお母さんの顔が見えないよ」
といわれたけど、ふたりで泣きに入っても仕方ないので
「そう?早く寝ないとね」
とごまかした。

「お母さん、もう大丈夫。お母さんが寝るの遅くなるって気になっちゃうから、もういいよ」
「そう?じゃあね。大好きだよ。愛してるよ」
といって部屋を出た。

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