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医療従事者限定!? お酒を飲みながら,ワークショップっぽいイベントを開催!

【医療従事者のためのはじめてのクラフトビールセミナー】

[大人の街”目黒”]


駅から目黒通りを権之助坂へ下り、小道を入ると、その店はあった。

入り口にビアタップが8つ並んでいる。
コンクリートの壁に、温かみのあるウッドの机。
センスのいい空間、心地の良い非日常を演出する場がそこにはある。

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今回は、某おしゃれ雑誌にも掲載されるBEER BARを舞台に、医療従事者対象の初心者向け「はじめてのクラフトビールセミナー」を開催しました。

お店は贅沢にも貸し切りに。さらには今回使用するビールのインポーターさんには、オンライン参加者へのビール配送、限定ビールのストック、専用サイトの立ち上げまでを全面協力いただきました。

▽ ANOTHER8
クラフトビールと日本酒・ワイン、創作の燻製料理が楽しめる、京都BEFORE9の姉妹店。

▽ DIG THE LINE 
Connecting Craft”をスローガンに、世界各地にある最先端のクラフトビールを発掘し、輸入販売を行なうDIG THE LINE INC. KYOTO。

 そして一番の特徴として、参加者も主催者も講師も医療従事者に限定したので、知り合いが居ない、はじめての方でも安心して参加できる心理的安全性が担保された空間設計としました。「医療繋がり」といったキーワードから、話題や言語が一緒というアドバンテージは残しつつ、他の施設、他の医療職種の方と交わる機会としました。

 あ、言い忘れておりましたが・・・。
わたしも、医療従事者(臨床工学技士)でありながらワークショップデザイナーとして活動している者です。

今般の人工呼吸器/人工心肺装置(ECMO)の件で職能としての認知度が多少?上がった『臨床工学技士』です。医学の進歩につれて医療機器も高度化し、医学的、工学的な知識を持って機器を操作できる専門家が必要となって生まれたのが臨床工学技士。 血液浄化装置、人工心肺装置、人工呼吸器といった生命維持管理装置を安全かつ的確に操作・管理するスペシャリストです。

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[なぜこのような場を創るのか?]


こうした場を作る理由は2点あります。

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 ひとつ目は、医療者の気質に一つの変化をもたらしたい、という願いを込めています。自分も含めた医療者は、もっと自施設(病院)から出て様々な体験をした方が良いと常々感じていました。医療者の気質的な部分として、第一に安全、そして質の高い医療を提供するといった使命があります。ですから、従前までのやり方でエビデンスが得られていることに対しては、変化はさほど必要となりません。それが社会と乖離していてもです。高い専門性を維持するがための孤立のようなものが、そこにはあるのだと考えています。専門性の保持、組織内のみでの情報共有で完結する、他業種言語の習得を阻む時間・労力的な壁など。様々な弊害はありますが、何より医療者は器質的に実直で自身の業務に責任を持っているのです。そこを理解したうえで、外に出て得られるメリットを示していきたいと主催者は考えています。それにより現場にもたらされる感性や価値観など・・・多大な恩恵がそこにあると自身の経験からも実感していますし、信じていることであるからです。

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 ふたつ目に、コロナ禍におけるイベント開催に意味があると考えたからです。当然、イベント開催時の感染関連懸念事項はありとあらゆることを想定しての開催です。医療者の心的負担の軽減と慰労。今後も長く続くであろう、この医療情勢の中で、なんとか心の体力回復の場にしたいと考えていました。そして、こんな時だからこそ「人とヒトとのゆるい繋がり」を感じられる場をつくりたいといった想いがありました。
 つらつらと、それらしく開催の動機を話しましたが、端的な理由はただ一つ。

”医療の最前線でともに戦っている仲間と一緒に「乾杯」をしたい”という至極酒飲みの発想なのでした(笑)

そんな動機一つで、この企画は始まっています。
(あと、少しでもお店の集客の助けになればとの思いも含まれていました)

[プログラムについて]


今回は3つの参加形態で開催するハイブリッドイベントでもありました。

 ①リアル会場(ANOTHER8)で楽しむ
 ②オンラインで楽しむ
 ③オンライン視聴のみ

 リアルとオンラインを繋ぐ仕掛けとしては、会場にてテイスティングで使うビールをオンライン参加者にも郵送し、一緒にワークショップに参加してもらうというものでした。その他、インタラクティブ性、グループ内ディスカッションなどを組み込む形としました。
 

 プログラムを組んでいく上で、自問したワードとしては「終了後に参加者がどういった状態になっていることが成功か?」を常に念頭に置きながら以下にポイントを置いて活動しました。

・「それはワークショップを使わなければ出来ないことか?」を常に問う
・受付/告知の段階で既にWSは始まっていると認識し参加者の安全安心を保証する
・依頼者と参加者のつなぎ役として立ち振る舞うことで、依頼側の理解や満足感を向上させる。その際、依頼者の意図を汲み取ることも必要であるが、あくまで参加者のフィット感を大切にしていきたいと考えている。

 このあたりのバランス感覚を身に着けていくことも、デザイナーとして必要なスキルと考えています。


[こんな方が参加されていました]


 ・看護師、臨床工学技士、理学療法士、薬剤師、医療事務員
 ・美味しいクラフトビールが飲みたい
 ・クラフトビールのことを知りたい
 ・お洒落お店に行ってみたい
 ・行きつけのお店を作りたい
 ・ゆるい繋がりが欲しいと思っている
 ・いろいろな医療施設の方とお話したい
 ・コロナ禍で施設から外での会合/飲み会を自粛/禁止されている

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 講師も医療従事者(臨床工学技士)が担いました。医療でのスキルプラスアルファにもスポットライトをあてることで、その人の新たな一面も発見することが出来る。もしかしたら、自分の得意分野もこうして人前で披露して役に立てるのかもと、次のヒーローを繋いでいく目的もありました。
 今回の講師は、一緒に飲んでいるとなんでも質問に答えてくれる、そして一つずつのウンチクが長い(笑)もしかしたら、この知識を聞きたい人が居るかもしれない。と、いうきっかけからの企画。
 ビール好きが高じて、こうして人前で講義するまでになり、本人も驚きの展開とのことでしたが、話し始めるとノリノリで熱い講義をしてくれておりました(笑)

 初めての方向けに、基礎的なビールの種類や特徴(味など)についてレクチャーあり。また、ワークショップ形式で、体感しながら進むプログラム。同じ種類のクラフトビールを参加者に提供し、テイスティングを行い、味・香り・感じたことを参加者で共有しました。テーブルごと、参加者ごとに味の表現やベクトルが全然違っていたりする場面もあって面白かったです。一番の反応は、缶から直接飲んだ時と、コップに注いで飲んだ時の味の違いに参加者全員が驚いておりました。
 口に入れるBEERをまじまじと見つめたり、香りを楽しんだり・・・"飲食"に対して時間を掛けることって、良いとわかっていても日常の中ではなかなかできないこと。マインドフルネスでも、今を意識することが一番重要だとされていますが、現代人は常にマルチタスクの状態に身を置いているので、何か1点に集中することは苦手になっているのかもしれません。
今回はこの機会に、クラフトビールの世界観や味へ、意識を向けてみるいい機会にもなったのかもしれません。


[今回使用したクラフトビール(2種)]

購入ページ写真3枚目

①けやぐのA8DRRIPA 8% 33cl
Be Easy Brewing
ANOTHER8とコラボしたライ麦をしっかり使ったRed Rye Double IPA。モルトの旨味とどっしりした飲み口を、香ばしい苦みが追いかける。ホップの香りと味わい、ライ麦のスパイシー感。赤みがかったオレンジ色が綺麗な非常にバランスの良いビール。
Be Easy Brewingのビールは定番の3種類を除いて、1回きりの限定醸造。ビールの名前も津軽弁でつけている。Be Easy Brewingのビールを飲んで青森の風景を味わってみてほしい。


②Seminole Adonis BW 5.6% 33cl
Brewski
アメリカ・フロリダ州のセヴェンズ・サンとのコラボビール。セミノールはもともとフロリダ州のインディアンで、アドニスはギリシャ神話でアプロディーテーの人間の恋人のこと。不思議な名前のアプリコット、パイナップル、レモンと乳糖入りのサワービール。最初に感じるのはパイナップルで、後にレモンや乳酸から来る酸味、最後に乳糖の甘さがアプリコットの味を強化している。
Brewskiのビールはフルーツを使ったものが多く、約80%はベリーや果物を使ったビール。クオリティの高いホップの入手が難しかったため、それを補う形でマンゴーやパッションフルーツなど果物を生かしビールを醸造。その後もフルーツを使用したビールを多数醸造している。


[今回のイベントで目標としていたこと]


・日常にクラフトビールを取り入れてみる
・人にウンチクを話してみたくなる
・ANOTHER8(会場)に来たくなる
・DIG THE LINE(ビールのインポーター)でお買い物したくなる
・akarink(主催団体)のお手伝いをしてみたくなる

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[参加者の感想]


・参加者していただいた方々の表情が笑顔で楽しくされていたのを見ると、色々制限されている医療従事者には、ちょっとした息抜きの時間にになったのではないかと思えました。
・オンライン飲みに慣れてしまっていましたが、久々にリアルな人と楽しくお酒を飲む時間になりました。リアルに挨拶して、握手を交わすことが出来たことに感動を覚えました。
・オンライン参加でしたが、とても楽しかったです。また機会があったら参加したいです。
・ドタ参でしたが対応いただきありがとうございました。お料理は美味しくて、空間も人も心地よく、とても良い時間を過ごせました。
・クラフトビールの種類の多さにびっくり。味の表現も人それぞれ感じ方が違って面白い!テイスティングの表を見ながらだと、表現の幅を感じました。
・缶のままとグラスに注いだ味の違い、これが一番印象に残りました!一つのビールで2度おいしい、楽しめる。
・ビールの奥行きを感じたイベントでした♪
・何だかアットホームな感じで楽しかったです。

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[さいごに]


 普段皆さんが目にしている情報のほとんどは、自身で選択してフィルターを通し限局された(自分が見たいものだけを見ている)情報であるといいます。
 今回のイベントのように、属性は近いにせよ、会場での偶然の出会いや、グループワークの輪であったり、提供される知識や話題に対するリアクションは様々。他者と自身を比べることで初めて自分自身がわかるという経験。そんな、偶発的な出会いや心地の良い同調圧力が本イベントのプログラムコンセプトとなっていました。このような「素敵な出会い」や「ゆるい繋がり」が生まれる場をこれからも作り続けていけたらいいなと思っております。

 引き続き、akarinkの活動へのサポートとジョインを期待しながら、様々な場を創っていきたいと思っております。

主催:akarink

★コンセプト


[近日開催予定のイベント]

理学療法士が本気で教える「フットケアセミナー」

“フットプリント” を通じて、自分の体のバランスを知る!
その疲れ!その腰痛!足が原因かもしれません!
正しい歩き方、靴の履き方などをコーヒー飲みながら、ゆるっとレクチャーを受けられる癒やしのお時間をご提供します。

[概要]
日時 令和2年12月19日(土) 13:30 – 15:00
場所 フィオーレの森(溝の口) リラ館3階

お申し込みはコチラから
https://akarink-footcare.peatix.com/

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