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KEI's Craftと短編ミステリの時間⑤

この作品展では、私が在廊している時には、展示しているキャンドル作品に
実際に点灯したり、選んだ短編が収録されている本もそばに置いて、読んでみたい方がいらしたら、カフェのお席に持って行って読んでいただけるようにしました。

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↑店内から見た、ギャラリーの入り口。キャンドルの灯った空間は幻想的で、やはりミステリには蝋燭の灯りが似合うなぁと、嬉しくなりました。
さて、今回の作品紹介です。

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「 卒業文集 」
( 森 博嗣・著
『僕は秋子に借りがある』 森博嗣自選短編集(講談社文庫) より )

英訳タイトル: Graduation Anthology
I’M DEBT TO AKIKO
by MORI Hiroshi, 2009

◇ キャンドル作品名: 「classmates」

森博嗣さんの、「すべてがFになる」も「スカイ・クロラ」も,、読んだことがありません。エッセイを何冊か読んだことはありますが、物語というか
作品は、この短編集1冊だけ。
”自選”短編集というだけのことはあります。おすすめです。
その中でも印象に残る「卒業文集」を選びました。
私は、一番最初に読みはじめたとき、ほんの少しだけ漂う違和感が、
どこかで不穏な空気に変わり、何か事件が起こるのでは?!・・・と勝手に思いながら読み進めました。
なので、余計に、ラストが印象的でした。

子供たちの作文だけで構成されている、短編ならではの作品です。
今思えば甘くて楽しい、でもやっぱり少しホロ苦い。そんな小学生時代を
カフェギャラリーでコーヒーなど飲みながら、思い出しつつ。

キャンドルは、文庫本の表紙に合わせたかのような色合いになっていますが、実は表紙のことは全く意識せずに作った作品です。
「卒業文集」ということで、キーワード「クラスメート」が頭に浮かび
作りました。
キャンドルの周りのキューブ1つ1つは違う色にして、クラスメートそれぞれの個性を表したいと思いました。
たとえば黄色は黄色でも、何種類かの黄色があります。
手元を見ずに、くじ引きのように手に取ったものを1つずつ貼り付けていきました。
同じ色、色数で3個のキャンドルを作りましたが、それぞれ違った印象になっているのが面白いですね。

⑥に続きます。

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