京都観光 ①ファーストクラス価格 ②観光客価格 ③地元住民価格 の3種類がほしい

昨日まで、香港からのゲストを４日間ご案内していました。娘さんは私と同世代の30代、そしてそのお父様との二人旅です。

お父様は今まで世界90カ国以上を旅をしていて、先々月はイスラエル、先月は北朝鮮（！）、とリタイアしてからは旅をするのが楽しみというアクティブでとっても温和で素敵な方でした。娘さんはInstagramのストーリーズなどSNSをアクティブに使っていて、日本京都ならではの体験がしたいという希望でした。お泊まりはリッツ・カールトンやインターコンチネンタルなど、一泊5万〜20万円代のお宿。それを踏まえて限りある京都滞在の４日間で何が喜ぶかなと考えていました。

今回このお二人に出会えたのは、半年前にご案内をした香港の女性からの紹介で、旅行の２ヶ月くらい前にFacebookで繋がりました。それから娘さんが行きたいところをリサーチするのに、京都のガイドブックや季節のイベントが書いてあるフリーペーパーを郵送して、特にネットには載っていない、地元にしか置いていない情報誌を事前に送ったのはとても喜ばれました。

その中で興味を持たれた、東映俳優養成所の俳優さんたちが指導してくれる侍体験、本格的な着物の着付けと写真撮影、ゆずラーメン、舞妓さんとの夕食。事前に予約できるものは予約して、あとは今回お二人は京都が初めてなので、マストで避けられない（私個人としてはオーバーツーリズム気味で最近行きたくない）金閣寺、伏見稲荷、祇園は行かないといけないので行き（もちろん美しいと喜んでいらっしゃいましたが）、あとは私が好きな宇治もとても気に入ってくれました。

京都のオーバーツーリズムの話はまた近々書きたいと思いますが、やっぱり京都、日本の美しさをのこしていくために整備したりするのに当たり前ですがお金がかかるのです。だから、ただ無料で歩いて美しい景色が見れる状態になっている祇園、知恩院、円山公園、八坂神社、伏見稲荷神社、平安神宮など中国人団体客がバスで次々と来てアイスクリームなどを手に持って大声で話しながら歩いている様子をみると、このままではいけないと思うのです。京都の美しさは、その静けさやはんなりとした雰囲気、神社仏閣の荘厳な空気の中にあると思います。

こういった場所にしても、京都市バスにしても京都の中に住む住民と、観光客で料金を変えればいいと思うのです。

地元の保険証なり、運転免許書なり見せて近郊に住んでいる人が信仰で神社に来る場合はもちろん今まで通りお金は取らなくていいのですが、観光客にはお金を取らないといけません。京都市バスも通勤通学、日常生活の移動で使っている市民には230円、一日乗車券600円でもいいのですが、観光客には値上げしてもいいはずです。もちろん表示は値上げした料金を書いておいて住民は証明書を見せていままで通りの値段とか。一日乗車券で600円でバスに乗り放題で金閣寺など京都駅から遠いところからずっと座って載っていて、税金を払っている地元住民が後から乗っていて座れない、という状況は変えないといけません。

その一方で、飛行機と同じく希望する人にはファーストクラスがあってもいいんじゃないかと思います。例えば今回もご案内した、金閣寺（拝観料400円）、祇園（歩くだけなら無料）、伏見稲荷（無料）。

どうしても初めて京都に来たならみんな行きたい場所。お金は払うから空いている状態でゆっくり見たい、その近くに綺麗でゆっくりと休憩する場所がほしい。そういう要望がよく聞くし、私自身も希望します。

金閣寺の拝観料が一人400円じゃなくて2,000円以上になっても別のルートでゆっくり鑑賞できるところがあればそれを希望する。伏見稲荷もお手洗い休憩とかも公共のトイレではなくて近くに例え珈琲一杯1,000円以上でも、参拝前後に一呼吸置けるちょっと高級なカフェがあればご案内のときに絶対に使いたいのになぁと思うのです。

なので今の私の考えは、観光施設とバス地下鉄などの公共交通機関において

①ファーストクラス価格（数倍高い値段でもいい環境で観光、移動を希望）
②観光客価格（地元住民価格よりも高い）
③地元住民価格（据え置き）

の３種類の料金体制を考えててはどうかということです。

そうすることで、①のファーストクラス価格を払える人は払ってゆっくり京都観光を楽しみ、②の観光客にはそれなりの整備費などを含めた料金をはらってもらい、③の地元住民はこれまでどおりの生活をしてもらえばいいと思うのです。


ちなみに今回のお客様が喜んでいたのは、侍体験、着物体験、ゆずラーメン、金箔のケーキなどでした。最近はよく、見る観光から体験型へシフトしている、と聞きます。これは体験がおもしろいことももちろんですが、見る観光施設への不満も理由にあるからだと思います。ぜひファーストクラス価格を含めた３種類の料金体制、検討する観光施設が増えて来るといいなと思います。

最近よくガイド仲間と富裕層向けの案内ができるようになるといいね、と話をしています。また応援してくれている飲食店の人や職人さんも富裕層向けのツアーをした方がいいよ、と言ってくれます。世界には一泊100万円クラスの宿にお泊まりの大富豪もいるのでしょうが、私がご案内するのは今回のように一泊5万から20万の宿に泊まられるような方だと思います。どういうところが喜ばれるのか、ゲストの希望を叶えてあげるのが一番で、その上でより快適でスムーズな観光案内ができたらいいなと思います。

次はどんなゲストとの出会いがあるんだろう、楽しみです。