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週に1回、お茶のお稽古

和室が好きだ。
畳の独特の匂いには、なんとも言えない安心感がある。

高校3年間、引退することもなく卒業ぎりぎりまで茶道部に所属していた。
昔から抹茶も和菓子も大好きで、小学校でも茶道クラブに所属していた。

高校に入っても、学校で抹茶とお菓子が食べられるからという理由で茶道部に入った。
週一回、和室に部員が集まった。

茶道は色々と準備をしなければならない。
お湯を沸かしたり、棗(なつめ)にお茶を詰めたり、炉を温めたり。
季節ごとに使う道具も異なるので、気をつけながら手分けして準備する。

それが終わるころに先生方がいらして、部員は揃ってご挨拶。
学年ごとに分かれたお手前のお稽古が始まる。
お手前をする人とお客さんとに分かれてローテーションでお稽古をしていき、退出時刻の1時間前に終了。片付けを始める。


夏は風炉を使う。窓際に取り付けられた障子からは、外の光が漏れ入る。
時々夕立になって、雨の音が和室に響く。その時間はなぜか、みんなおしゃべりをやめて静かにお稽古に励む。お湯を茶碗に入れる音や、畳と布が擦れる音だけが和室を包む。


冬は炉を使う。夏よりもお釜がお客さん側に寄り、暖かさを届ける。冷たい空気がピンと張り詰めた和室での正座は少し大変だけど、お茶の温かさが体と心により沁み入る。お稽古終わりに外に出ると、もう周りが真っ暗なのがなんだか切なくて好きだった。



運動部などのように、決して派手な部活ではないが、受験生活の息抜きという意味でも、私の大好きな部活だった。

またどこかで、茶道をやれたらなと思う。


それでは、また1日。



おわり

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