見出し画像

ストレングスファインダーを好きな人が苦手だ

何かにつけて「私はストレングスファインダーでは○○で…」から始まる人が苦手だ。例としては「私のストレングスファインダーでの上位の資質は、最上思考と、未来志向と、ポジティブです!!だから、私にはこの困難も…」という感じだ。

なんで苦手なのかをよく考えてみた。

概ね、ストレングスファインダーを用いる人は診断結果をポジティブな文脈で用いる。これが苦手だと思った。太陽が燦々と照り返す夏のような暑苦しさを感じる。

古今東西、さまざまな性格診断がある。ストレングスファインダーもその一つだ。

性格診断が好きな僕はかなりの数の性格診断を試した。もちろん、ストレングスファインダーも。

その中で僕が一番しっくりきた性格診断はエニアグラム。エニアグラムは人間を9種類に分けて、その9種類から自らの性格傾向を知ったり、他人との付き合い方を学ぶ。

特にエニアグラムが好きなところはそのタイプが陥りやすい弱点(エニアグラムでは「囚われ」という)に目を向けさせ、その弱点を解消させる、どちらかというと人間のネガティブなところに目を向けさせてくれる。

人間、30歳を越え、さらに僕のようなフリーランスになってしまうと、なかなか注意してくれる人がいない。

大人の人ほど僕の欠点や弱点に対しては、口をつぐむ。そして、僕に対しての限界点を迎えると、何も言わずにそっと僕の前を去る。寂しいが、それが大人の人間関係というもの。秋は何も言わずにその場を去り、やがて冬がやってくる。

大人は孤独になっていく。孤独な大人に対して、真っ向から助言してくれる性格学がエニアグラムだ。

エニアグラムはタイプの欠点(囚われ)に対して、真摯にアドバイスしてくれる。僕はこのアドバイスがあって、人間としての道を外しすぎずに今をなんとか生きている。今もひどい人間だという自覚はあるが、エニアグラムがなかったら、もっとひどい人間だったと思う。北海道の冬は寒いが、コートは必要だ。

僕の欠点に寄り添ってくれるエニアグラムは大切な友達である。だからこそ、僕は声高に「エニアグラムのタイプは○○です!!!」とは主張しない。

ただ、秘密ではない。聞かれたら「……恥ずかしながら、私のタイプは○○です…」と控えめに言いたい。

ストレングスファインダーが好きな人たちは「私のストレングスファインダーでの上位の資質は、最上思考と、未来志向と、ポジティブです!!だから、私にはこの困難も…」のように、と聞いてもないのにストレングスファインダーの資質を主張してくる。そのテンションの差がエニアグラムとの違いを感じて、苦手なんだと思う。

ただ思えば、僕は(暗くはあるが)楽観的でポジティブな性格ゆえに、悲観的でネガティブなものから避ける傾向があり、だからこそネガティブに切り込んでくれるエニアグラムを大切な友達だと感じているんだと思う。

ストレングスファインダーは自身の欠点に対して、寄り添うことはあるのだろうか。深いことは知らなくて申し訳ないが、僕がストレングスファインダーについて接した本「ストレングス・リーダーシップ」にはそのような記述がなく、また、ストレングスファインダー好きの人がそのような文脈で話していることは見たことがない。書いているのは「強みをどう活かすか」に終始している。

僕はもう自分の強みはわかっている。そうじゃなくて、自分の欠点について知りたいんだ。

ストレングスファインダーはポジティブに満ち溢れているような気がしている。もう一歩深く考えてみると、ストレングスファインダーが好きな人は悲観的でネガティブで傷つきやすい人が多いんだと思う。

自らの悲観的でネガティブな性格を支えるために、友達としてのポジティブに満ち溢れたストレングスファインダーがあるんだと思う。ストレングスリーダーシップの本を読むと、ひたすら「あなたの強み」について応援してくれる。

自分の強みについて、わかっていない人がストレングスファインダーで勇気づけられて、「私のストレングスファインダーでの上位の資質は、最上思考と、未来志向と、ポジティブです!!だから、私にはこの困難も…」と言いたい気持ちになっているんだろうか。

この文章を書きながら、それに気付いた。こんどからは、ストレングスファインダーが好きと言っている人に対して、次の季節を待っている秋のような気持ちで穏やかに接してあげたい思った。

11/29 追記

昨日書いたnoteにコメントもらって、確かに、と思ったことを。

今世間は「長所を伸ばそうよ」というスローガンに溢れていて、これは点数主義の学校教育などの反動だと思うんだけど、そのスローガンにマッチしたのがストレングスファインダーだと思う。

このスローガンには同意ではあるけど、長所を伸ばすだけではいつかその人間には、落とし穴が待っている。

なぜなら、その人間の短所は長所の直ぐ隣に存在しているからだ。

長所がある故に生まれてしまう短所というものも存在する。

若いうちはそういうことは気にしなくていいけど、成熟した大人になるなら、そういう短所とも向き合い、短所を意識して解消していくことをしなければならないんでしょうか、というのがエニアグラムで、

そういうのが全くないのがストレングスファインダーだと思う。

「おもしろい」「興味深い」と感じられましたら、ぜひサポートをお願いします! サポートしていただけると、より「赤沼俊幸の写真都市」の活動への時間に使うことができます。ぜひよろしくお願いします…! (スキ!を押していただけると未発表フレーズがランダムで流れます😄)