おすそわけ日記 84 「変わるスキにありがとう」

伊坂幸太郎の小説『AX』のサイン本を通販で注文出来た奇跡。

サイン本を売っているなんて、買えるなんて、思ってもみなかった。歓びが大きすぎて受け取りきれないと思い、瞑想をして、ひたすら幸せを味わう。

瞑想中に、色々な想いが上がって来た。

「私、伊坂幸太郎の作品が、こんなに好きだったんだ。」

好きな作家を聞かれる度、久生十蘭とか都筑道夫とか、玄人向けに巧くて面白い作家の名をあげてきたけれど、それは、今の私が一番好きな作家ではなかった。本の紹介をメルマガやネットラジオでしていた身として、マニアックな作家を言わなきゃと云う思い込みがあって、それを手放してみたら、今、一番手にしているのは、伊坂幸太郎の本だった。

「好きという想いは、変わってもいい。」

私は子供の頃から大好きな物が一杯あって、それを長く大切にしている。でも、好きな作家の話のように、好きの旬が終わっている物も結構あるなぁと気づいた。ずっと好きでいる必要はない。好きだと思わせてくれたことに感謝して、別れを告げてもいい。そして、再会してもいい。

「本当は、男の人にいっぱい愛されていた。」

好きだった物への感謝が、好きだった人への感謝に変わった途端、身体の芯から、私は沢山の男性に愛されてきたという感覚がほとばしる様に湧き上がってきた。片思いの相手、つきあった人、父と曽祖父、私に愛を教えてくれた男性すべての顔を思い出しながら、一人一人にありがとうと祈る様に感謝した。


いつのまにか、私は変わっていた。

私の好きも変わっていた。

変わる好きにありがとうと言う時、私は愛の中に居る。

変わらぬ愛の中に居る。

毎日、書く歓びを感じていたい、書き続ける自分を信じていたいと願っています。