おすそわけ日記 175「ナソハチ イソミ劇場〜福はうちにある」
ナソハチこと、母、七十八歳。生粋のおとぼけ。
イソミこと、私、五十三歳。ボケとツッコミの二刀流。
そんな二人が繰り広げる、愛と笑いとちょっぴり心配も詰まった日常。
我が家の朝は、遅い。母も私も、昼頃、のっそり起きてくる。
母はこれを「円山時間」と呼んでいる。昔、渋谷の円山町で我が家が置屋だった頃の時間感覚に戻っているから。
こんな生活でも「まぁ、いいよねー。」のんびりと言う母に、私はこくこくと頷く。
遅い昼食に豆乳雑炊を食べながら「今日はZOOMの練習をします!」と母に宣言をする。
昨年末から、着物姿で母とライブ配信をしていて、最近、それがすっかり楽しみになった母。
今度は、私が主催するZOOMのイベントに、母が自分のiPhoneで参加することになった。
すごいよ、母さん。
高齢者なのにとか、機械音痴なのにとか、色々と感心する理由はあるけれど。
何より、楽しんで挑戦しているところが本当にすごい。
二人でZOOMに夢中になっていたら、いつの間にか四時近く。
慌てて、豆まきの準備をする。
家中の窓と戸を開け放ち、母が枡と豆を持ってくる間に、私の金の豚革の腰エプロンを巻く。
このエプロンはお洒落アイテムなんだけど、縁起が良さそうで、節分にもいいかなぁと。
「鬼はーそと、鬼はーそと!福はーうち、福はーうち!」
二人で腹から声を出して、豆をまく。
でも、マンションだから、迷惑にならないように、外にはほんの数粒だけ。
終わったら、豆を踏まないように、即行で回収。
はー、スッキリした。
とっぷりと日も暮れて、もう買い物に行かずに、夕飯は玄米の味噌むすびでいいよ。
サラダも出てきて、これで十分。
「美味しいねぇ。」と二人、言葉が重なる。
そうそう、今日は、あつ森(ゲームの『あつまれ どうぶつの森』 )でも、節分やらないとね。
ゲームの中で、鬼のお面と衣装に、豆まきセットを買って、準備万端。
どうぶつさんの家を一軒一軒回って、豆をまく。
またも「鬼はそと、福はうち」と声に出しながら。
見ると、母、赤鬼の格好で豆をまいている。
そこ、ものすごくツッコミたい。だが、本人は楽しそうだ。
寛容であれ、私。
その後、二人同時プレイで、交代で鬼の格好をして豆をまく。
お互いの後を追いかけるのだが、気づくとぐるぐる同じところを回っている。
二人で大笑いしながら、あぁ、溶けてバターになっちゃうよ、と思う。
毎年、節分に豆まきをしているけれど、ゲームの中でもするなんて思ってもみなかった。
苦手なことは人に任せる母が、ZOOMをやるなんて思ってもみなかった。
今年の節分は、思っても見なかったことばかり起こるけれど。
家族が笑顔で居ることは変わらない。
今年も、福はうちにある。
【大橋家母娘と触れ愛お話会&AFP体験会のご案内】
母がZOOMを学ぶ機会になったのが、こちらのイベントです。2/7(日)14:00〜16:00にZOOMで開催します。ご参加対象は女性を自認される成人の方。
前半のお話会は、皆さんと一緒にその時お話ししたいことをシェアし合う時間にしたいです。ステイホームが長く続いて心が沈んだり、なんとなく落ち着かない、人恋しい、家族の愛に触れたい、みんなで笑ったり泣いたりしたい、そんな気持ちに正直にいられたらいいなと思います。
後半は、AFPのプラクティスをAFP認定終身ティーチャーの大橋あかねがシェアし、着付け士である母、大橋セツ子も参加者としてご一緒させて頂きます。「女性である歓びを体感できることに、年齢は関係ないんだね」「母娘(家族)でも、一人の女性として相手を尊重し合いながら素直に気持ち伝え合うことができるのかぁ」女性として今の自分を楽しみながら年を重ねていくことに希望と勇気を受け取って頂ける機会になれたら、嬉しいです。
ご興味をお持ち頂けましたら、こちらのブログをご覧くださいませ。
http://blog.kuku-moon.com/?eid=234
【今日の一枚】豚皮に金の箔押しを施したGASA*の腰エプロン、私の一番お気に入りのアクセサリーです。スカートの上に巻いてシャツやニットからチラ見せ。エッジが効くので、重宝してます。
【#つづく日々に】のタグをつけて、日常で心ときめいたことを投稿する企画をはじめました。日常のよろこびをみんなでシェアしあって、笑顔が増えたら嬉しいです。
今日もおつきあい頂いて、ありがとうございます。
毎日、書く歓びを感じていたい、書き続ける自分を信じていたいと願っています。