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"空想日記"⚡︎no.239

朝露で濡れる岩樹を
私は、
足を滑らせないよう
注意しながら降りた。

こちらに気付き
振り向いた紫麒様は
近くで見ると
より一層
堂々たる風格を
漂わせていた。

私は
紫麒様のそばに
駆け寄り訪ねた。

太樹『紫麒様!
   もしかして…
   寝ずに、
   番をしてくださったのですか?』


紫麒様『ふっ…

              そんな、まさか…

    お前さん達の
    いびきが
    うるさくて
               散歩して廻って
    いただけだ。

    決して
    番をしていたわけじゃない。』

遠くを見ながら
そう語る横顔からは
優しさが溢れ出していた。


太樹『紫麒様!
 
   とても神々しく
   勇ましいですね!
   そのお姿を
   見る事ができて
   私は感無量です!』


紫麒『ふっ…

           やはりそう思うか!

   ……………

           いやいや………
            
           褒めても
   何も出ないし
   呪力についても
   教えんぞ!』



ちっ
ひょっとしたらと思ったが
やはりダメか…
私は心の中で舌打ちした。











   








   













    


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