株式会社ランドネット 代表取締役 榮章博氏

私は、起業家の伝記っぽいものを読むのは好きだ。やはり、社畜で終わらず、挑戦する意欲、勇気にはリスペクトがある。

今回、紹介するランドネットの社長(創業者)、榮章博氏は、かなりの苦労人だ。もともと理系だったが、法律を学びたく、中央大学法学部を志望するも、二浪してしまう。今とは異なり、当時の中央大学は東大と司法試験の合格者数で争うほどの「超名門」であったため、慶應経済や早稲田政経に次ぐ難易度であったと思われる。司法試験は択一は合格するものの、断念し、その時点で27歳になっていた。現在であればこの年齢からやり直すのは不可能だが、当時はまだ景気が良かったので、不動産会社の大京に入社する。

当時の大京は、上場を目指していたので、上場する上でのノウハウなど多くのことを学ばれたようだ。また、当時はバブル景気であったため、不動産市場は活況であり、様々な業務を経験されたことと思う。

1995年、転機となる出来事があった。

1995年、Microsoft Windows 95(マイクロソフト ウィンドウズ 95)が発売されると、インターネットが一般家庭にも広く普及するようになり、本格的な「IT革命の時代」が到来することを告げた。
「デスクトップパソコン一台あれば、これまで携わってきたシステムの開発が一人でもできてしまうのではないだろうか、と考えるようになりました」(榮氏)
当時大手企業は大型コンピュータを使ってデータベースなどを構築していたが、中小零細企業では高価で手が届かない。そのため中小零細企業は情報処理の分野では大企業に到底太刀打ちできなかった。しかしウインドウズ95が登場したことで、パソコンでも大企業並みのデータベースやシステムを開発することができる。これを活用すれば、今までのノウハウを活かして効率化を実現するためのサービスが展開できる。これには必ず需要があると考えるようになったのだという。

CIOドットコム

こうして、榮氏は1999年にランドネットを設立する。といっても社長一人で、自分だけでシステム開発や営業をこなしたらしい。

私は、従業員を酷使するブラック企業は憎んでいるが、自分の意志でハードワークする起業家は尊敬する。

現在のランドネットは、連結売上高518億円、従業員数587人、東証スタンダードに上場するまでに成長している。

何にせよ、社畜で終わるのは、虚しいと考える一流大学卒業生は多いだろう。政治家であれ、起業であれ、挑戦してみると良いと思う。ただし、資産形成(目安として3000万円程度)していないと失敗したときのダメージは大きいので、注意が必要である。

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