ITコンサルタントはシステムエンジニアと変わらない?IT上流はどうやって経験できるのか?

あるブログ記事を読んでいると「ITコンサルタントは、システムエンジニアとあまり変わらない」と主張されていました。私も、ある程度その主張は理解します。

アクセンチュア、アビーム、IBMなどのITコンサルティング会社に入社しても、アナリスト、コンサルタントくらいまでは、ABAPのプログラミングや、SPROカスタマイズ設定、単体テストや結合テスト、データ移行など、下流工程を担当するのが一般的です。いきなり、上流の構想策定や要件定義はできません。これをもって「システムエンジニアと同じ」ということでしょう。

しかし、下流工程の経験が3~5年程度はないと、いきなり上流工程は無理ではないでしょうか?システムのことを何も理解していないのに、業務要件をシステム設計に落とし込むのは不可能だと思います。なので、3~5年程度は「修行の時期」だと思ったほうがいいです。

その後、「上流工程をやりたい」と強く主張しても、それが叶えられず、ずっと下流工程ばかり担当させられるようであれば、転職するしかないでしょう。

転職先としては、上流に特化した小さいファームか、戦略コンサルのデジタル部門(マッキンゼーデジタルなど)、もしくはメーカーや金融などの情報企画部(情報戦略部)がよいと思います。

一番、安定していて、システム企画に特化できるのは情報企画部(システム企画部など、呼び方は様々)だと思います。しかし、転職サイトでなかなか求人が出ません。もし出たとしても、たいていは「1名」だけです。複数名はかなり珍しいです。コンサルティングファーム出身者や、社内SEのトップ優秀層と「1名」の枠を争うのです。かなり厳しい戦いになります。

上流に特化したファームは、小さいところが多いです。なぜならば、システム構築は一番稼げるビジネスなので、それをやらないとなると、必然的に規模はアクセンチュアなどより小さくなります。一番有名なのは、クニエだと思います。下流工程はNTTデータグループの他の企業が担当するので、クニエは上流に特化した仕事ができます。しかし、かなりの難関だと思ってください。マッキンゼー・デジタルはそれよりもさらに難しいと思います。学歴もよくないと受からないです。

よって、「上流に特化したITの仕事がしたい」という欲求は、なかなか満たされることが難しいです。もし挑戦しても無理だった場合は、ある程度は人生に妥協も必要です。

リスクを承知で、スタートアップ企業のIT部門に入社するという方法もあります。スタートアップ企業はシステム開発も要件定義も、全部経験できると思います。さらに、システム開発を通じて新規事業に携われることもあります。

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