夜間学部からの再受験（仮面浪人）、志望校は東大 Part 1 Retake the exam from the night school (Masked Ronin) (Japanese,English)

今回は、2000年代に伝説となった、大学受験の自伝「偏差値70からの大学受験」を元に、リメイクした小説となります。

「何のために勉強するのか」

日本で一番腐ったドラマは

｢受験｣で起きた！

第一章　普通の高校生を変えた転機

僕は普通の高校生だった。その普通の高校生だった僕が、奇想天外な人生に巻き込まれるきっかけになった出来事を説明しようと思う。

1999年春、僕（斎藤誠）は、神戸大学経営学部の夜間コースに入学した。三重県伊賀市出身の普通の高校生だった僕にとっては、神戸大学は超難関大学で、とても合格できやしないハードルだった。僕は、普通に京都産業大学あたりに入ろうと、運が良ければ関関同立に入れたらいいな、くらいに思っていた。

僕は、クラスに好きな女の子がいた。でも、その子は大阪大学法学部を目指していて、「斎藤くん、私、もっと勉強できる男の子が好きなの」と振られてしまった。

僕は、すごく傷ついた。それで、「僕も、阪大か神戸大くらい入れる学力があったらな・・・」と思った。

しかし、ある日、僕の母校（三重県立上野高校）の進路指導室にあった資料をみていると、神戸大学経営学部は夜間コースが設置されており、僕でもギリギリ手の届きそうな偏差値（難度）だった。そこで、僕は猛勉強して、神戸大学経営学部の夜間コースに合格した。神戸大学といえば、関西では京都大学・大阪大学に次ぐ難関大学として知られる。僕も春から一流大学の学生だ、そう、喜んでいたのだが、あとで地獄を見ることになるとは、まったく思いもよらなかった・・・。

僕は、高校時代、自分に自信がなかった。顔はカッコいいわけではないし、頭もそんなに良くないし、スポーツも苦手だった。だから、自信がなくて、いつもクラスでは隅っこに追いやられるような存在だった。

よく、「偏差値なんか大事じゃない。中身が大切なんだ」とか言う大人がいる。そんな大人は、本当に腐っていると思った。自分に自信をつけるために、一流大学を目指して、合格して、何が悪い？そのように、僕は思っていた。

第二章　普通の高校生から一流？の大学生へ

僕は、六甲山のふもとにある、神戸市灘区の神戸大学六甲台キャンパスにいた。

新入生説明会で手にした学生証には、「神戸大学経営学部在籍」と書かれ、そこに「夜間」の文字はなかった。僕は後ろめたい気持ちを抱えながら、「ついに神戸大学の学生になれたんだ」と自分に言い聞かせていた。

神戸大学夜間コ−スは、経営学部、法学部、経済学部の３つからなり、それぞれ人数は50人程度だった。普通の大学だったら、1学部に500人程在籍し、まず全員の顔を覚えることはありえない。ところが我ら夜間は人数も少ないので、ほとんどのメンバ−と顔見知りになれる。「夜間」だけあって、そのキャラクタ−は衝撃的だった。

まず自己紹介では、大抵の学生は「どこどこ大学を落ちて、夜間にやってきた」と、始めた。「俺はここにいるけど、本当は頭が良いんだよ」という、彼らのプライドを痛いくらい実感した。そして初日から「夜間脱出」、他大学へ３年生から移る「編入試験」の話で盛り上がった。

クラスには、40歳くらいの普通の主婦の女性もいた。元々勉強が好きで、もう一度大学に通って学びたい、という真面目そうな女性だった。二浪して神戸大学の夜間コースに入り、後にベンチャー企業を起こして、夜間を退学する「ベンチャ−君」もいた。いたって普通だった高校生の時からは、想像もできない世界が広がっていた。そんな大学生活に、最初のうちは満足し、楽しんでいた僕だった。

授業は夕方の6時から始まる。六甲山の中腹、標高400メ−トルに位置する大学は、自然に囲まれた最高の環境にあった。夕焼けの中、昼間の大学生が楽しそうにおしゃべりをして、山道を下ってくるのを横目で見ながら、僕達夜間の学生は山道を上っていく。なぜだか良い気分がしない。「普通の神戸大学の学生とは違う」、そう言われている気がするからだ。そうして授業が終わるのは、もう真暗な夜の9時である。

「何か違うな・・・」と僕は思い始めていた。僕が勝手に思い描く「さわやかなキャンパスライフ」とは明らかに違っていた。僕の「受験」は本当に終わったのか、こんな疑問さえ抱くようになった。高校時代の僕は、猛勉強して、本気で力を出し切ったと思っていた。でも、「本当は、もっと勉強できたんじゃないのか・・・」と思うようになっていた。

こんな僕に、これからのドラマを作り上げる、二人の男との出会いがあった。その名はシンジさんとカズヤである。これが全ての始まりであった。

ある日、クラスで、真面目そうな男子学生が声をかけてきた。

「授業はここの教室でいいんですよね」

彼の名はシンジ。その横にはやや小柄で、おとなしそうな男がいる。彼の名がカズヤだ。

僕らはなぜかうちとけた。それは彼らが、とてもおもしろい事を考えていたからだ。

年は一年先輩であったシンジさんは、東北出身だ。浪人して東北大学を受けたものの、不合格となった。関西の有名私大への合格は決めていたものの、この神戸大学夜間に、「昼間に合格した」と地元では偽って、入学してきたらしい。

夜間に決めたその理由は、昼間に編入試験の勉強をするためである。彼は僕が感じていた、夜間に対するコンプレックスを正々堂々と認め、編入試験の予備校に通っていた。口先だけの他の学生とは違い、実際に行動に移していたのだ。

「編入試験」とは、入学後目指す勉強の方向性が違った学生のために、２年生の秋に試験を受け、３年生から他大学に移行するというシステムである。あとで分かった事であるが、受験生の大半は、「やりたい勉強」というより、「偏差値の高い大学に行きたい」という、欲望から受験するという。つまり「敗者復活戦」のニュアンスが強い。

シンジさんは、夜間に入学後迷わずこのチャンスに挑戦していた。

「夜間を２年後に抜けだし、東北大学、そして京都大学を狙っています。偏差値の高い、自慢できる大学に行きたいんですよ」と熱く語った。

「自分が満足したいなら、夜間だとか学歴だとか気にしないで、正々堂々自己紹介出来る、偏差値の高い大学に行けばいいんだ」、僕は正直になれた。

そして次にカズヤの話を聞いた。この時はまるで気づくはずもなかったが、このカズヤこそが、シンジさんよりもこのドラマを大きく動かすことになるのだ。この時点での印象からは思いも寄らない事であった。

彼は僕と同年代で、シンジさん同様東北出身。そして彼は編入より、来年すぐ受けられる「再受験」を考え、昼間は予備校に通っていた。彼は言った。「東京にあこがれてまして、来年には東京の大学などを受験しようかと考えています。一年浪人をするかわりに、「保険」として夜間に入学しました」

僕はこれらの話を聞いて、「もう一度やってみようか」と思う様になった。どうせ昼間は暇なのだ。勉強しようと思えば出来る。受験は終わっていない。

「もう一度受験するという事は、コンプレックスに陥った自分を救う事になる」そう考えると行動は早かった。親に頼み込み、昼間はカズヤと同じ予備校に通うことになった。

第三章　夜間はくさい？

僕は、河合塾の全統記述模試を受けた。英語と国語は偏差値67もとれた。予想外に高い偏差値がとれてうれしかった。数学は偏差値59しかとれなかった。僕は、数学が高校の頃から苦手だった。世界史も偏差値57、日本史も偏差値55しかとれなかった。

僕が合格しようと思っていた大学は、ずばり、東京大学だ。高校時代は、自分の実力を出し切れなかった、そんな思いから、思い切って日本一の大学を受験しようと考えたのだ。でも、模試の判定は残酷だ。東京大学文科二類の判定は、E判定だった。慶應義塾大学経済学部A方式もE判定だった。東大の世界史や日本史は、用語や年号を答える単純な問題は出題されない。論述式の問題が出題される。僕は、基本的な用語も暗記できていないので、論述問題がさっぱり解けなかった。「数学、世界史、日本史をなんとかせな、あかんな・・・」と僕は思った。

この模擬試験の結果を、「話題のネタにしたろか」と軽い気持ちで大学の連中に見せてしまった。しかしこれがおおいにまずかった。

通称「王将」というヤツに、まず見せてみる事にした。

彼は龍国大学（偏差値５０）から仮面浪人して、この「夜間」に入ってきた人で、「この神戸大学夜間にはい上がってきた」ということに誇りを持っていた。

当然といえば当然なのかもしれないが、王将にとって、僕らの「仮面浪人」「模擬試験」の話はおもしろくない。僕達が王将の入ってきた「神戸大学夜間」を否定しているからだ。「この夜間にはいたくない、他の大学に行きたい」などという僕の考えは、彼を不快にし怒らせてしまった。

僕をイヤな目でにらみつけると、彼は関わりたくないと言わんばかりにサッサと行ってしまった。

僕達の仮面浪人の噂は瞬く間に広がった。

僕は大学生になったら、僕達みたいに仮面浪人じゃないかぎり、「偏差値」という概念はなくなるものだと思っていた。

もちろん受験では「偏差値」は目標だが、大学生となればそんなものから開放され、大学で勉強を極めていくもんだ。別に僕達が「偏差値が高い大学に行きたい」といっても、みんな「へぇそうなんだ」という位で、さほど気にしない僕は思っていた。

しかし現実は違った。彼らはものすごく気にしていた。「もう一回受験するんだって？」と聞いてくるヤツもいたし、陰で「仮面浪人生」と噂していたらしい。その表情にははっきりと「良くは思っていない」というのがにじみ出ていた。そんな事は、ニブイ僕にでもはっきりと分かった。

こんな話がある。僕達の友達に「バクダン」というヤツがいた。彼は同期の夜間生だ。彼は教科書を買うため、大学の教科書売り場に行った時のことだ。そこで彼はショッキングな出来事に出会う。

売り場では、昼間学生用と一緒に夜間学生用の教科書を売っており、レジごとに「昼間・経済学部」とか、「昼間・経営学部」とかレッテルを貼って、学生達は自分の学部ごとに並んで買うことになっていた。ところが当然「昼間」というコ−ナ−があるんだから、「夜間」というコーナーもある。

そこでバクダンは、その夜間のレジに並んでいた。そうしたら、隣の「昼間」の列に並んでいた女の子達が、バクダンの方を見て、「あれ夜間の学生やで。夜間はクサイよなあ。めっちゃキモイで」と話していたらしい。

もちろん大声で聞こえる様に言ったのではない。彼女達は仲間同士で話していたのだ。しかしそんなショッキングな話は、いくら大きな声ではないとはいえ、バクダンには否応無く耳に飛び込んでくる。彼はこの一件でえらくショックを受けてしまった。

「夜間はクサイ」この言葉は本当に辛かった。僕もこの話を聞いて、本当にショックを感じた。

彼女達が言うには、夜間はまず昼間と違って偏差値が低く、そして何より普通の大学生でなく、夜に活動する。昼間の学生が帰るころ、サ−クル活動が始まるころ、コンパで盛り上がっているころ、夜間の学生は登校し、授業を受ける。こんな僕達夜間生の暮らし、身分が「クサイ」と感じているらしい。

確かにこんなヒドイこと、差別的なこと考えている昼間の学生はそうたくさんはいないだろう。しかし、そう考える学生達がいてもおかしくないという事だ。

彼らは昼間の神戸大学にプライドを持っている。当然だ。偏差値も高く、なおかつ爽やかな、絶対自慢したい学校である。そんな神戸大学にあこがれ、苦労して入学したのに、そこには同じ神戸大学なのに偏差値も低く、自分たちよりも簡単に「夜」に入ってきた連中がいる。

認めたくない。こう思う連中も少なからずいるだろう。僕だってもし昼間で入学してきたら、これと同じ「認めたくない」という感情を、「夜間」に絶対抱くだろう。昼間の神戸大学に入学するのに、苦労すれば苦労するほど、そう感じるだろう。

こうなると夜間の学生は必然的にコンプレックスを抱く。もしかしたら偏差値が低くても、昼間の大学に入学した学生なら、「まわりも全員バカ」という事で、誰もコンプレックスを抱かないかもしれない。

しかし神戸大学夜間では話が違う。キャンパスのありとあらゆるところに、偏差値が高く、そして大学生活を爽やかに送る「昼間の神戸大学生」がいる。極めて特殊な環境だ。

嫌でも「夜間は普通とは違う」と実感出来てしまう。

「君どこの大学？」って聞かれたら、僕達夜間生はまず「神戸大学」と答える。

そうすると大抵は「へぇすごいね」と褒めてくれる。しかし罪悪感に耐え切れず、「夜間だけど」ともらしそうになる。ただ自分を低く見られるのがイヤで黙っている。こんな経験を大抵の夜間大学生は体験している。

だから心の底から、「正々堂々自分を紹介したい」って考える。

つまりほとんどの夜間生はこうした学歴コンプレックスのかたまりなのだ。

つまり大学生になりたくても、なりきれなかった者達なのだ。

僕はそれにピッタリあてはまる。

しかし彼らと僕が明らかに違ったのが、僕は正々堂々そんなコンプレックスを認め、「抜け出たい」と行動をおこしたという点だ。

ところが夜間の学生のほとんどは、そんなコンプレックスを抱えながらも、全然行動に起こさない事が、この時分かった。

僕はこの夜間に絶対居たくなくなった。「ここに居るわけいかない。抜け出したい。」この気持ちがより一層強くなった。

ところが、大学との両立をはかって、全力投球で受験勉強に打ち込めることが出来るのだろうか。本気で確実に抜け出すならば、大学なんかに通っている場合ではないだろう。受験に集中しなければだめだ。もしこのまま大学も保険として授業を受け続け、しっかりと単位なんか取っていたら、受験の方が失敗するかもしれない。僕はそう思う様になっていった。

僕は大学を休むことにした。

親には休学ということで許してもらった。来年受験に失敗したら戻ってくるという条件で。でももちろん戻ってくる訳にはいかない。「絶対に合格する」この言葉が胸に突き刺さった。

第四章　神戸市内での受験勉強

僕は、神戸市内のアパートに住んでいた。神戸市内には予備校もあり、僕は河合塾に通うことにした。

カズヤと僕は、大学には一切顔を出さなくなった。今まで大学ではシンジさんとは会っていたが、僕らは予備校に一日中いりびたる様になり、あまり会わなくなった。会う友達といえばカズヤだけだった。彼は、授業がない日でも自習室に通うため、予備校にやってきた。そしていつも一緒に行動していた。

この頃、僕にとって最も苦しかったことは、「孤独」であった。大学には顔を出さないし、予備校でも友達をつくってしまうと受験勉強がおろそかになると思って、孤独な勉強生活だった。

そんな中、唯一の友達というのがカズヤだった。

特に受験が加速し出してからは、まともに話をするのはカズヤだけだった。毎日、人間と交流するのは彼だけだった。友達は彼しかいなかった。

ただし家ではそんなの関係なく全くの一人だ。ご飯を作ってくれ、応援してくれる家族もいないし、冬の毎日は心まで寒い。そして、僕にはネコが一匹いた。このネコにも本当に助けられた。みなさんはおかしいかと思われるかもしれないが、このネコとも親友だった。なんせ家ではこのネコとしかいないからだ。狂った環境ゆえ、こんな感情を僕は持ってしまったのかもしれない。

ただ当時の僕は本当に、話す相手、交流する相手はカズヤとこのネコしかいなかった。心のよりどころはここしかなかった。

「むなしいね」「あわれだね」誰もが僕のことをそう思うだろう。その通りだ。だからこそ僕はここから抜け出さなければならなかった。勉強しなければならない。

第五章　受験本番を迎えて・・・

ついに、季節は冬を迎えた。模試の偏差値はどんどん上昇して、英語71、国語70、数学65、世界史62、日本史60まできた。東大は駄目でも、早慶ならば合格できると思っていた。

しかし、その結果は予想外のものとなった・・・。

東京大学文科二類　不合格
早稲田大学政治経済学部　不合格
早稲田大学商学部　不合格
慶應義塾大学経済学部　不合格
慶應義塾大学商学部　不合格
上智大学経済学部　不合格
同志社大学経済学部　不合格
関西学院大学経済学部　不合格

僕は何がなんだか分からなかった。「なぜなんだ！」「どうしてなんだ？」こう叫ぶしかなかった。「奇跡で合格する」というのはよく聞く話だ。しかし僕のは「逆の奇跡」だ。どこか一つは絶対に合格すると思っていたのに、全て、ことごとく不合格となった。

僕はこの結果に打ちのめされた。どうしようもなく、途方に暮れた。涙は出なかったが、虚無感におそわれて、何もする気が起きなくなっていた。

僕は結局全ての大学のキャンパスに足を運び、この目で合格掲示板を眺めた。

落ちただけでは、全て終わらなかった。その結果を家族、地元の高校の友達に知らせなくてはいけない。こんな屈辱はない。

家族や友達にいくら話しても、僕の一年間は分かってくれない。そりゃそうだ。彼らが僕を評価するのは、「結果」だけ。だって僕がやってきた神戸での過程は、彼らは一切知らないのだから。偏差値がこうだった、これだけ勉強した、こんなことはどうだっていい。そんなことに彼らは耳も貸さないし、どうだっていいのだ。唯一聞いてくれるのは、「結果」だけだ。

「全敗」という事実を見れば、彼らにとって僕は、一年間何も勉強をしていない「愚かもの」という事になる。

そんなことはイヤでも分かったから、僕は逃げ出すしかなかった。誰かに分かってほしかったが、誰も分かってくれる人はいない。それが僕に突きつけられた現実だ。

早稲田の合格発表のあと、僕は東京から神戸に帰る準備をしていた。新幹線に飛び込みたい・・・そんな誘惑にかられるも、なんとか踏みとどまった。そんな時、僕に一本の電話が入ってくる。カズヤからだった。

彼は早稲田のみ全学部受験が終わり、今神戸にいるらしい。今日は受験した全ての学部の合否を一気に、電話で確認していたということだ。

彼の声、状態は僕と同じものだった。彼も商学部、教育学部、法学部に立て続けに落ちていた。「仕方ない。力がおよばなかった。」彼はそうこぼしていた。

本当は政治経済学部（偏差値６７）の第一希望の発表もあった。しかし商、教育（偏差値６５）を落ちた段階で、「もう政経はないな。これ以上不合格という結果を知りたくない。」ということで、彼はショックのあまりそこで電話を置いたらしい。

二人で話した。「夜間を抜け出すというのは、本当に難しい。」

僕にはもう後悔はなかった。カズヤと一緒にやっていこう、そう心から思った。

次の日の昼、僕はカズヤの携帯電話に連絡した。これからのことを話し合うために、まずは会おうと伝えるためだ。しかし彼は電話に出なかった。

「何か用事があるのか。」僕はそう思った。

しかし夕方になっても、彼は電話に出なかった。５、６回はかけたと思う。彼はついに夜になっても、電話に出なかった。「おかしいな。」「何かあったのかな。」僕はそう思った。僕は何が起きているか知る由もなかったのだ。

深夜になった。１時近く、ようやく彼は電話に出た。僕はやっと戦友の声を聞けて、嬉しかった。しかし彼の声はいつもとどことなく違う。どこかぎこちない。

「神戸に帰ってきたで！これからのことを話すために、一回どこかで会わへんか。落ちちゃったけど、僕もいろいろ考えたんだ。いつ暇になる？明日はどうや？」僕はこう切り出した。

しかし彼は「うっ、うん・・・。そうだねぇ・・・。」とおかしい。

「どうしたんや？何かあったんか？」と僕が聞いても、彼は「いっ、いやぁ・・・。」と繰り返すばかり。僕は仕方なく、会う約束の話を進めていくと、彼はたまらなくなったのか、ついに真実を告白した。

この時の衝撃は今でも覚えている。

「すっ、すいません・・・・。実は僕、合格したんだ」

「はっ？」僕は彼が何を言ったんだか理解出来なかった。しかし次の瞬間全てが分かった。

「商や教育、法までダメだったから、絶対に落ちていると思って、電話で最後の政経学部の合否確認出来なかったんだけど、昨日の斎藤さんと話した後、ダメもとで電話したんだ。そしたら、うっ受かってた・・・。」

僕は何も言葉が出なかった。そしてこの後、彼は最も衝撃的なセリフを口にする。

「だから申し訳ないんだけど、斎藤さんと一緒に夜間に戻れないわ・・・。ゴメン・・・」

彼は僕に最大限の気を遣っていた。だからずっと電話に出なかったのだ。

一生懸命頑張った仲間を置いて、彼は自分だけが受かってしまった。それが、申し訳ないという気持ちを表現させていた。

信じられなかった・・・もう、僕は完全に孤独になってしまった・・・。カズヤはこの春、早稲田大学の学生として、しかも早稲田文系ではトップの政治経済学部の学生として、大学生活を謳歌することになるのだ・・・合コンで、彼女もできるかもしれない・・・なんてことだ・・・この格差はなんだ・・・友人が合格したのに、僕は、素直に「おめでとう」と言えなかった。狂おしいほどの嫉妬、嫉妬、嫉妬の渦に巻き込まれていた。

（続く）

This time, it will be a remake novel based on the autobiography of university entrance exams, "University entrance exams from a deviation score of 70", which became a legend in the 2000s.

"What are you studying for?"

The most rotten drama in Japan happened in "examination"!

Chapter 1 A turning point that changed an ordinary high school student

I was a normal high school student. I would like to explain the events that led me, who was just an ordinary high school student, to get caught up in this bizarre life.

In the spring of 1999, I (Makoto Saito) enrolled in the evening course at Kobe University's Faculty of Business Administration. For me, an ordinary high school student from Iga City, Mie Prefecture, Kobe University was a very difficult university, and it was a very difficult hurdle to pass. I was just thinking about getting into Kyoto Sangyo University or something like that, and if I'm lucky, I might be able to get into Dousisha University.

There was a girl in my class that I liked. However, the child was aiming for the Faculty of Law at Osaka University, and she was dumped saying, "Saito-kun, I like boys who can study harder."

I was so hurt. Then I thought, "I wish I had the academic ability to enter Osaka University or Kobe University."

However, one day, when I was looking at a document in the career guidance room at my alma mater (Mie Prefectural Ueno High School), I found that Kobe University's Faculty of Business Administration has a night course, and even I could barely reach it. (Difficulty). So I studied hard and passed the evening course at Kobe University's Faculty of Business Administration. Speaking of Kobe University, it is known as one of the most difficult universities in the Kansai region, next to Kyoto University and Osaka University. I was also a student at a prestigious university from spring, yes, I was happy, but I had no idea that I would see hell later...

When I was in high school, I had no confidence in myself. My face wasn't cool, I wasn't very smart, and I wasn't good at sports. That's why I lacked self-confidence and always felt like I was being pushed into the corner in class.

There are adults who often say, "The deviation value is not important. The content is important." I thought that adult was really rotten. To gain confidence in yourself, aim for a top-notch university, pass, what's wrong? That's how I thought.

Chapter 2. From ordinary high school students to first class university students?

I was at the Rokkodai Campus of Kobe University in Nada Ward, Kobe City, at the foot of Mount Rokko.

On the student ID card I got at the orientation session for new students, it was written that I was enrolled in the Faculty of Business Administration at Kobe University, but there was no word for nighttime. With a sense of guilt, I kept telling myself, "I finally became a student at Kobe University."

Kobe University's evening courses consisted of three faculties, the Faculty of Management, the Faculty of Law, and the Faculty of Economics, each with about 50 students. If it was a normal university, there would be about 500 students enrolled in one department, and it would be impossible to remember everyone's faces. However, since there are few of us at night, we get to know most of the members. There was only "night", and the character was shocking.

First, in the self-introduction, most students started by saying, "I dropped out of Doko Doko University and came here at night." "I'm here, but I'm really smart," I felt their pride painfully. And from the first day, they talked about "escape at night" and "transfer exam" to transfer to another university from the third year.

There was also a normal housewife in her 40s in the class. She was originally a serious woman who liked studying and wanted to go back to college and learn. After two years, she enrolled in a night course at Kobe University, and later started a venture company. Ever since I was a normal high school student, an unimaginable world has opened up to me. At first, I was satisfied with such a university life and enjoyed it.

Classes start at 6:00 in the evening. The university, which is located on the slopes of Mt. Rokko, at an altitude of 400 meters, is in the best environment surrounded by nature. In the evening glow, we, the students at night, go up the mountain path while looking sideways at the daytime college students chatting happily and coming down the mountain path. I don't feel good for some reason. This is because I feel that I am being told that I am different from ordinary Kobe University students. Class ends at 9:00 in the dark.

"Something's wrong..." I began to think. It was clearly different from the "fresh campus life" that I imagined. I even began to question whether my “examination” was really over. When I was in high school, I thought I studied hard and gave my all. However, I started to think, "Actually, I could have studied more...".

For someone like me, I had an encounter with two men who would create dramas in the future. Their names are Shinji and Kazuya. This was where it all began.

One day, in class, a serious-looking male student called out to me.

"It's fine to have classes here."

His name is Shinji. Next to him is a rather small, gentle-looking man. His name is Kazuya.

For some reason we broke up. Because they were thinking of something very interesting.

Shinji, who was a year older than me, is from Tohoku. Although he was a ronin and took the exam of Tohoku University, and he failed. Although he had already decided that he would be admitted to a famous private university in the Kansai region, it seems that he enrolled at Kobe University during the nighttime, pretending to the locals that he had passed the exam during the daytime.

The reason he decided to study at night was to study for the transfer exam during the day. He openly admitted to me that he had a complex about nighttime, and went to a preparatory school for the transfer exam. Unlike other students who were just talking, they actually took action.

"Transfer exam" is a system in which students who have a different direction of study after enrollment take an exam in the fall of their second year and transfer to another university from their third year. As I learned later, the majority of students take the exam not because they want to study, but because they want to go to a university with a high standard. In other words, it has a strong nuance of "loser revival".

Shinji took on this opportunity without hesitation after entering the school at night.

"I'm going to leave the night school in two years and aim for Tohoku University and then Kyoto University. I want to go to a university that has a high deviation score and I can be proud of," he said enthusiastically.

"If you want to be satisfied with yourself, don't worry about nights or academic background, go to a university where you can introduce yourself fairly and squarely," I became honest.

And then I heard Kazuya's story. I didn't realize it at the time, but this Kazuya is going to move this drama more than Shinji. From the impression at this point, it was unexpected.

He's the same age as me, and he's from Tohoku, just like Shinji. And rather than transfer, he thought about "re-examination" to be able to take it immediately next year, and went to a prep school during the day. He said. "I've been longing for Tokyo, and I'm thinking about taking entrance exams for universities in Tokyo next year. Instead of spending a year as a ronin, I enrolled at night as an 'insurance'."

When I heard these stories, I came to think, "Let's do it again." Why are you free during the day? If you want to study, you can. The exam is not over.

"Taking the exam again will save me from a complex." Thinking that, he acted quickly. I begged my parents to go to the same cram school as Kazuya during the day.

Chapter 3. Does it smell bad at night?

I took Kawaijuku's Zento descriptive mock exam. English and Japanese got a deviation value of 67. I was happy to get an unexpectedly high deviation value. In mathematics, I could only get a deviation value of 59. I've been bad at math since high school. World history also got a deviation value of 57, and Japanese history only got a deviation value of 55.

The university I was thinking of passing was, without a doubt, the University of Tokyo. When I was in high school, I couldn't bring out my full potential, so I decided to apply for the best university in Japan. However, the judgment of mock exams is cruel. The judgment of the University of Tokyo Literature Department 2 was an E judgment. Keio University Faculty of Economics A method was also E judgment. The world history and Japanese history of the University of Tokyo do not ask simple questions that answer terms and era names. Essay questions will be asked. I couldn't even memorize the basic terms, so I couldn't solve the essay problem at all. I thought, "I can't do anything about mathematics, world history, and Japanese history.''

I casually showed the results of this mock exam to the people at the university, saying, "Isn't this a topic of conversation?" But this was very bad.

I decided to show it to the guy known as the "Oh Shou (王将)" first.

He was a masked ronin from Ryukoku University (with a deviation value of 50) and entered this "night", and he was proud that he had "climbed up to this Kobe University night".

It may sound obvious, but for the Oh Shou, our stories of "Masked Ronin" and "Mock Exams" are not interesting. This is because we are denying the "Kobe University night" that the king entered. My thoughts like "I don't want to spend this night, I want to go to another university" made him uncomfortable and angry.

When he glared at me with disgust, he walked away as if to say he didn't want to get involved.

Rumors about our masked ronin spread quickly.

I thought that once I became a university student, the concept of "deviation value" would disappear unless we were masked ronin.

Of course, "deviation value" is the goal in exams, but if you become a university student, you will be freed from such things and will study hard at university. Even if we said, "I want to go to a university with a high deviation score," everyone would say, "Oh, that's right."

But the reality was different. they were very concerned. Some people asked me, "Are you going to take the exam again?" His expression clearly oozed "I don't think so". Even the person like me who is blunt, understood this clearly.

Here is a story. We had a friend called "Bakudan". He is a night student in the same class. It happened when he went to the university textbook counter to buy a textbook. There he meets a shocking event.

At the sales floor, textbooks for evening students are sold along with those for daytime students. They were supposed to line up and buy. But of course there is a corner called "daytime", so there is also a corner called "nighttime".

There, Bakudan was lined up at the checkout that night. Then, it seems that the girls next to him who were lined up in the "daytime" line looked at Bakudan and said, "That's a student at night. Gross! It smells bad!"

Of course, They didn't say it out loud. They were talking to each other. However, such a shocking story, no matter how loud it is, jumps into Bakudan's ears without hesitation. This incident shocked him greatly.

"Gross at night course students" This word was really painful. When I heard this story, I was really shocked.

According to them, at night the deviation is lower than in the daytime, and above all, they are not ordinary college students and are active at night. When the daytime students go home, when the club activities start, and when the party is in full swing, the nighttime students go to school and take classes. It seems that this kind of life for us night students seems to feel that our social status is "Gross! Smell!".

Certainly, there aren't that many daytime students who think about such terrible and discriminatory things. However, it is not surprising that there are students who think so.

They take pride in daytime Kobe University. Of course. It's a school that has a high deviation value and is refreshing, and I definitely want to brag about it. I longed for such a Kobe University and had a hard time entering it, but there were people who entered the "night" more easily than us, even though they were the same Kobe University.

I don't want to admit There must be more than a few people who think so. If I were to enter the school during the daytime, I would definitely feel the same feeling of "I don't want to admit it" during the "nighttime". The more you struggle to get into Kobe University in the daytime, the more you will feel that way.

When this happens, nighttime students inevitably have a complex. Even if the deviation value is low, if you are a student who entered a university during the daytime, no one may have a complex about "everyone around you is stupid".

However, nights at Kobe University are a different story. Everywhere on the campus, there are “daytime Kobe university students” who have high deviation and live a refreshing university life. It's a very special environment.

Even if you don't like it, you can feel that "nighttime is different".

When asked, "What university are you from?", we night students first answer, "Kobe University."

When I do that, most of them compliment me saying, "Wow, that's amazing." However, I can't stand the guilt, and I'm about to say, "It's nighttime." I just don't want to look down on myself, so I keep quiet. Most night college students have experienced this kind of experience.

So from the bottom of my heart, I think, "I want to introduce myself fairly."

In other words, most night students are lumps of such an academic background complex.

In other words, they wanted to be college students, but they couldn't.

I fit that perfectly.

However, the clear difference between them and me is that I openly acknowledged such a complex and took action to say, "I want to get out of it."

However, at this time, I realized that most of the nighttime students, despite having such a complex, did not take any action at all.

I never wanted to stay this night. "I can't stay here. I want to escape." This feeling became stronger.

However, I wonder if I can devote myself to studying for entrance exams with all my might while trying to balance with university. If you really want to get out of there with certainty, then it's probably not the time to go to college. I have to concentrate on the exam. If I continue to take classes at university as an insurance policy and earn enough credits, I might fail the entrance exam. I started to think so.

I decided to take a break from university.

My parents allowed me to take a leave of absence. On the condition that if I fail the exam next year, I will come back. But of course I can't come back. "I will definitely pass." Those words stuck in my heart.

Chapter 4 Studying for Entrance Exams in Kobe City

I lived in an apartment in Kobe city. There is a preparatory school in Kobe city, and I decided to go to Kawaijuku.

Kazuya and I stopped showing up at the university at all. Until now, I had met Shinji-san in college, but since we were in cram school all day long, we didn't see each other much. The only friend I met was Kazuya. He came to the cram school to go to the study room even on days when he didn't have classes. And we always worked together.

The most painful thing for me at this time was "loneliness". I didn't show up at university, and even at cram school, I thought that if I made friends, I'd neglect studying for entrance exams, so my study life was lonely.

Meanwhile, Kazuya was the only friend.

Kazuya was the only one to talk straight to, especially after the exams began to accelerate. He was the only one who interacted with humans on a daily basis. He was the only friend.

However, at home, it doesn't matter, I'm all alone. I don't have a family to cook for me or support me, and every day in winter is cold to the core. And I have a cat. This cat really helped me. It may sound crazy to you, but this cat was also my best friend. After all, this cat is the only one at home. I may have had this feeling because of the crazy environment.

However, at that time, the only people I could talk to or interact with were Kazuya and this cat. It was only here that my heart rested.

"It's futile," "It's a pity," everyone would think of me. That's right. That's why I had to get out of here. I have to study.

Chapter 5: Getting ready for the actual exam...

Finally, the season has come to winter. The deviation score of mock exams has steadily increased to 71 in English, 70 in Japanese, 65 in mathematics, 62 in world history, and 60 in Japanese history. Even if I couldn't go to the University of Tokyo, I thought I would be able to pass the Waseda University.

However, the result was unexpected...

Waseda University Faculty of Political Science and Economics failed
Waseda University Faculty of Commerce failed
Keio University Faculty of Economics failed
Keio University Faculty of Commerce failed
Sophia University Faculty of Economics failed
Doshisha University Faculty of Economics failed
Kwansei Gakuin University Faculty of Economics failed

I didn't know what it was. "Why!?" "Why?" I often hear the saying, "Miracle pass". But mine is a "reverse miracle". I thought that one of them would definitely pass, but I failed all of them.

I was blown away by this result. I was at a loss. There were no tears, but a feeling of emptiness overwhelmed me, and I had no desire to do anything.

I ended up going to all the university campuses and looking at the acceptance bulletin boards with my own eyes.

It didn't end with just falling. I have to inform my family and my friends at the local high school about the results. There is no such humiliation.

No matter how much I talk to my family and friends, they won't understand me for a year. Of course. They only evaluate me for "results". Because they don't know anything about the process I went through in Kobe. The deviation value was like this, I studied this much, I don't care about this. They don't listen to that, and they don't care. The only thing they ask is "results".

Looking at the fact that I was "completely defeated", for them I was a "stupid person" who hadn't studied anything for a year.

I didn't want to know that, so I had no choice but to run away. I wanted someone to understand, but no one understands. That is the reality that confronts me.

After Waseda announced that I had failed the exam, I was getting ready to go back to Kobe from Tokyo. I was tempted to jump on the Shinkansen, but I managed to hold on. At that time, I receive a phone call. It was from Kazuya.

It seems that he is in Kobe now after finishing all undergraduate examinations only for Waseda. It means that today I was checking the pass/fail of all the departments I took the exam at once by phone.

His voice and condition were the same as mine. He, too, had fallen into the Faculty of Commerce, Faculty of Education, and Faculty of Law in quick succession. "I can't help it. I don't have the strength," he complained.

Actually, there was also an announcement of the first choice of the Faculty of Political Science and Economics (deviation value 67). However, at the stage where he failed in commerce and education (with a deviation score of 65), he was so shocked that he said, "There is no politics or economics anymore. I don't want to know the result of failing any more."

We talked. "It's really hard to get out of the night."

I had no regrets. Let's do it together with Kazuya, I thought from the bottom of my heart.

The next day at noon, I called Kazuya's cell phone. In order to discuss the future, I want to tell him that we will meet first. But he didn't answer the phone.

"Do you have something to do?" I thought.

But in the evening he did not answer the phone. I think I called 5 or 6 times. He didn't answer the phone when night finally came. "That's strange." "I wonder if something happened." I thought so. I had no way of knowing what was happening.

It was late at night. Nearly one o'clock, he finally answered the phone. I was happy to finally hear the voice of his comrade-in-arms. But his voice is always somewhat different. Somewhat awkward.

"You're back in Kobe! Let's meet somewhere to talk about the future. I'm sorry, but I've been thinking about a lot of things. When will you be free? How about tomorrow?" I cut it out like this.

However, he said, "Uh, yeah... that's..." It's funny.

When I asked him, "What's wrong? Did something happen?" I reluctantly proceeded to talk about the appointment to meet, and he finally confessed the truth.

I still remember the shock at that time.

"I'm sorry... Actually, I passed."

"Huh?" I couldn't understand what he said. But the next moment, everything became clear.

"Since I was no good at Waseda commerce, education, and even the law, I thought I was definitely failing, so I couldn't confirm the final acceptance or rejection of the Faculty of Political Science and Economics on the phone, but after talking with Mr. Saito yesterday, I called him because I was no good. And then I was taken aback..."

I was speechless. And after this, he utters the most shocking line.

"So I'm sorry, but I can't go back to the night course of Kobe University with Saito-san... I'm sorry..."

He took the utmost care of me. That's why I didn't answer the phone for a long time.

He was the only one who passed the exam, leaving his friends who worked hard. It made me express my apologies.

I couldn't believe it... now I'm completely alone... This spring, Kazuya will be enjoying university life as a student at Waseda University, and as a top student in the School of Political Science and Economics in Waseda's humanities department. That's... what is this disparity... My friend passed the exam, but I couldn't honestly say "Congratulations". I was caught up in a maddening vortex of jealousy, jealousy, jealousy.

(Continue)