「上」を目指すのが割にあわない時代・・・管理職は罰ゲームか?

色々なWEBメディアで「管理職は罰ゲーム」と書かれている。実際、そうだと私も思う。昨今は、電通社員(高橋まつりさん)やNHK記者(佐戸未和さん)の過労死事件を受けて、大企業では残業規制が厳しくなっている。たいていの企業では、PCの稼働時間や入館証でビルに入った時刻と出た時刻が正確に記録されている。もし、長時間労働の兆候があれば、本人はもとより、上司である管理職が厳しく指導されてしまう。そのため、部下に仕事を大量に割り振るのは怖く、自分で大量の仕事をこなす管理職が多くなってきている。

さらに、少し厳しい言葉をなげかけると「パワハラ」となるし、少しでも容姿などに関わる発言をすると「セクハラ」となる。そのため、最近の管理職は怖くて部下との関係に繊細になってきている。

昨今は、「カスタマーハラスメント」というものもある。管理職は、顧客から部下を守らなくてはならない。守れないと、カスタマーハラスメントをした顧客はもとより、管理職も「部下を守れなかった」として批判されてしまう。

もちろん、いまだに中小企業やブラック企業ではパワハラ・セクハラがあるのも事実だろう。だが、TOPIX 100レベルの巨大企業は、マスコミにこうした不祥事が報道されることを非常に恐れている。X(旧Twitter)やFacebook、WEBメディアなどに暴露されてしまうこともある。さらに、最近は若年人口が希少なので、若手社員に離職されるのはかなりの痛手になってしまう。

今の20代は、正直勝ち組かもしれない。今の中高年世代よりも、過労死リスクは少ないだろう。下手に課長以上に昇進しないほうがいいのかもしれない。逆に、専門性を磨くことができなかった、メンバーシップ型雇用でローテーションで色々な仕事をやってきた中高年世代は負け組かもしれない。

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