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ジャニーズ事務所ビジネスの正体

国連人権理事会の4つの指摘

  8月4日の国連人権理事会の記者会見でジャニーズ問題も日本の課題の1つとして取り合上げられました。

ポイントは4つだったと思います。
1 100人以上の少年への性搾取疑惑を人権理事会が認識したこと
2 隠ぺいにメディアも加担との厳しい指摘
3 政府・司法の対応も不足
4 ジャニーズ事務所の調査も透明性と正当性に欠ける

まずジャニーズ事務所については1と4が指摘されたワケです。8月末に調査報告を発表すると言ってますが、これも24時間テレビ後にやろうという風にも捉えることができます。利権を優先し調査を後回しにする発表では、何をチェックポイントにすべきなのか?

贖罪への第一歩を示す 4条件

8月末の報告で注目されるのは4つのポイントです。
1性加害の犯罪認定が行われるのか
2ジュリー社長の記者会見謝罪が行われるのか、
3ジャニー喜多川氏時代を知っている役員全員が退任するのか、
4そしていちばん重要なのが被害者対応であり、いまジャニが言っている心のケアという抽象的なものではなく賠償や補償を視野にいれたものになるのか。

この4つが満たされなければ、報告は失敗とみるべきです。来年の国連で問題が拡散され、外圧がかかり、ジャニーズ事務所は解散への道をたどることになると見て間違いないでしょう。

隠蔽にメディアも加担

国連が指摘した「隠ぺいにメディアも加担」という指摘はどうでしょうか。確かにテレビ国連会見も報道をしたようですが、一部のニュース番組は被害者インタビューを取ったり工夫をしていましたが、局としての見解は明らかにしないアリバイ報道の域を出ないものでした。

かつ番組によってはメディアも加担というところを端折って報じたところもあれば、フジテレビの榎並大二郎アナは「不祥事のもみ消しは承服しがたいところもある」と発言していました。コメントでもいただいてましたが、メディアはまだ他人事という雰囲気が拭えません。

いまや真っ当な指摘はアウトサイダーメディアにあると言えるでしょう。キャンペーンを張った文春、「社名変更はまったなし」と追及を続ける日刊ゲンダイ、「被害者への金銭保証を指摘する」フライデーなどは厳しい記事を続々と出稿しています。いずれも国連人権理事会の指摘に沿った記事ということがいえる。

罪が時効ならば、補償が必要に


国連人権理事会が指摘した補償とはどういうものになるのか。フライデーでは「少なく見積もっても数十億、100億規模にもなりかねない」と指摘しています。

補償が始まれば雪崩式に被害者申告が起きる可能性があります。

過去にジャニーズに所属したことがあるほとんどのタレントが「性加害を受けた」と言い出すこともありえます。例えば性加害は受けてなくとも「少年期に横で性加害を見て精神的苦痛を受けた」と補償を求めてくる可能性もあるかもっしれません。

また、弁護士が利権になると考えて”被害探し”をするということも出てくるかもしれません。

国連がメディアも隠蔽に加担をしていたと指摘している以上、エプスタイン事件のように関連企業にも補償が波及する可能性もあります。

ジャニーズ事務所と関連企業が追うべき責務を考えると、30~60年性加害数を続けていたこと、そしてメディアもそれを知っていながら黙認していたことを考えると、補償すべき金額は千億円規模の問題に発展してしまうということもありえます。

8月上旬までジャニーズ事務所やメディアを始めとする関連企業が、性加害問題を棚ざらしにし続ける姿勢を見ると、こうしたリスクをジャニーズ事務所もメディアも理解してないのではないか、とも思ってしまいます。

明かになったメディアの劣化

ジャニーズ問題、そして文春が報じている木原事件などで明らかになったのは、テレビ、新聞の報道機関としての凋落だと思います。

テレビも新聞も優秀な記者をたくさん抱えているのに、組織としては利権、忖度に塗れているために、社会を変えるような鋭い指摘ができなくなっている。マスゴミ論は好きではないですが、メディアは気が付かずにマスゴミと印象づけてしまうことをやっているということはいえるでしょう。つまり、報道機関としてのポテンシャル、力を自ら殺してしまっている。

罪とビッグモーターシンドローム


ビッグモーター事件を大手メディアは散々報じてますが、官邸やジャニーズへのイエスマンぶり忖度ぶりは、兼重王朝で不正に塗れたビッグモーターと何ら変わらないのです。

ビッグモーターの不正を問うなら、ジャーナリズムとしてはジャニー氏の性加害を見てみるふりすることも「不正」だといえる。報じられる力があるのに報じなかった。法的には問題がなくても、メディアが社会から期待あsれている責務を放棄したことは”罪”なのです。「隠ぺいに加担」したという国連人権理事会の指摘はそういう意味なのです。

来年6月の国連勧告いかんでは、日本は国際社会の笑いものになるかもしれません。そしてテレビにジャニーズを出しただけで、国際的な非難を受け。CMクライアントは叩かれ、被害者から訴訟されるという時代がくるかもしれません。

ジャニーズのカルト資本主義

ジャニーズ事務所はジャニオタからのファンクラブ収入が変わらず巨額です。ファンクラブは500万人、推定200億の収益(年間)だとも試算されており、芸能事務所のなかでも断トツの利益を上げている企業です。

カウアン氏も証言していましたが、ジャニオタは告発者を叩き罵声を浴びせています。SNSで「ジュリーさんを信じる」と公言し、「性加害の証拠がない」と主張します。こうした言動は美少年ビジネスがカルト資本主義化(顧客や社員を洗脳しビジネスする)していることの現れだと言えます。ジャニーズ事務所の改革の動きが鈍いのもカルト的な顧客が多いからだということができる。

テレビもそうしたジャニタレ人気に便乗して視聴率を稼ぐという利権があるが故に変わりきれない。つまり、両社とも「ぬるま湯」のなかにいて変わり切れないという状態がいまなのです。

ゆでガエルの法則



こうした状況は一般に「ゆでガエルの法則」と呼ばれるものとされています。ゆでがえるの法則とは、かえるはぬるま湯にいると、やがてそれが沸騰しても気が付かずゆでガエルになりジエンドとなるという意味で、「状況の変化がゆるやかだと、迫りくる危機になかなか気づけない」ことを表す寓話(ぐうわ)とされています。まさにジャニーズ事務所やそれ界隈は「ゆでガエル危機」にある。

はたしてジャニーズ事務所とメディアに自浄作用はあるのか? 8月末までは注目の一か月となります。


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