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発達障害の受験と、親の支援と、進学先

現在2023年2月1日午前9:00

いままさに開戦、受験開始のとき。
全国の受験生の親たちが我が子の「悔いのない戦い」を祈る時間。
都内では、多くの学校が受験日であり、9:00から試験は始まります。

そして私も、そんな親の中の一人。
発達障害の親として初めての「受験生の親」を経験。
先ほど我が子を受験校へと送り出し、いまこの文章をスターバックスで書いています。
何かあった時のために、試験終了まで学校近くで待機しているわけです。お迎えもあります。
ただ、子供を見送った段階で私の「受験生の親」としての戦いは、すでに終了しています。

自分にご褒美のスイーツ

1日1時間しか、勉強ができない

発達障害の受験がどのようなものか、自分の経験を書いてみます。
発達障害は「100人いたら100通り」なので、まったく参考にならないケースの方が多いです。ですので、あくまでも「赤平の場合」です。

我が子はADHDとASDの特性が強めに出て、やや発達性協調運動障害の傾向があります。同時に高IQがあります。
またADHDの薬を処方してもらっています。飲むことで「1日に8~9時間だけ、ADHDの傾向が少し和らぐ」効果があります。
我が子は
「6時に服薬し、登校までの1時間で勉強する」
「下校後は薬の効果が切れており勉強ができない」
というルーティンでした。
ちなみに「IQが高いなら勉強が出来る」というのは誤った認識なので、それも別途タイミングを見て書こうと思います。
さて、この特性・特徴が学習面でどう影響するか、我が子の具体的な事例です。

  • 見える範囲の物事に関心が転々と移行する

  • 何をやるべきか忘れっぽい

  • チックの傾向

  • 空想にダイブし30分くらい戻ってこない

  • 衝動的に喋り出すので、塾に通えない

  • 解答方法に自分流の強いこだわりがあり、時間がかかり過ぎる

  • 模範解答に納得出来ないと、理解するまで時間がかかる

  • 字が汚い、図が書けない、コンパスが苦手

  • 「過集中」になると、信じられないほど学習効率が高まる

  • 天才的な発想と着眼点がある

というわけで「毎日5:30に起床しご飯を食べさせ、勉強をさせて、登校に帯同する。下校のお迎えにいき、習い事に帯同して、夕飯を食べさせ、仕事に戻り、帰宅後に洗濯や掃除をする」のが私の毎日です。もちろん私はテレビの仕事がありますので、前日に収録が遅かったとしても、この生活は変わりません。
お察しの通り睡眠時間は平均で3~4時間。
テレビの仕事も、子供のケアの時間以外で受注するという制約も生まれます。
加えて、並行で我が子の将来のために発達障害支援の動画メディアincluvox《インクルボックス》を起業したので、交友関係をほぼ皆無にしても時間が足りません。
体はキツイですが、子供と一緒にいられる時間が長いので、かなり幸せな日々です(嬉)

インクルボックス もしご関心がありましたらご覧ください

親がオーダーメイドの学習支援を出来るか

発達障害の親で受験をご検討されている場合、僭越ながら私の経験からの「一意見」は「親が我が子のためのオーダーメイド学習支援」を出来るかどうか、が重要だと考えます。

私は我が子の発達障害の支援のために学術論文を500本読みました。
民間資格を4種取得しました。
(オススメは村中直人先生の発達障害サポーター'sスクールです)
もちろん市販されている書籍も読み漁っています。

分かったのは
「我が子にピッタリ一致する指導法、指導書は、無い」
「我が子の特性や特徴に合わせて、親が様々な支援法をベストミックスする」
ということです。
これは精神科医にも、臨床心理士にも、支援員にも出来ません。
なぜなら、子供の事は親が一番理解しているわけで、かつ発達障害は「100人いたら100通り」なので、過去の事例の踏襲が困難だからです。

使用したノートと問題集(自宅学習の一部)

発達障害はどこに進学すれば良いのか?

最大の懸案は、これです。
発達障害の我が子を、どこに進学させれば「安心・安全」なのか?

同様の状況の保護者の方ならご共感いただけると思うのですが、少なからず我が子も「イジメ」を経験しています。
私の目の前でも、何度も、酷い扱いをされるシーンを見てきました。
それでも我が子はイジメられた自覚はなく「みんな友達」「学校楽しい」と言ってます(笑)基本的に平和主義者です。

また過去には、通っていた民間の進学系施設から「お子さんは迷惑なので、もう来ないでください」というニュアンスの言葉を言われたこともあります。事実上のクビでした。
大手学習塾からは「ウチは、お子さんに十分な学習環境をご提供出来ないでしょう」と大人なお断りをされました。
ですので、受験に必要な「模擬試験」を受験するにも「塾生以外も模試を受けさせてくれる」学習塾にスポットで入れてもらったりしました。都内だけでなく千葉や神奈川だったりするので、毎回小旅行です。それも我が子との良い思い出になりました。

そんな状況なので、発達障害の進学先はそもそもがシビアで「曖昧なポジション」です。
一般的な進学先は「公立の通級や特別支援学級」になります。
しかし多くの研究論文を読んだ私は「通級や療育は、成長と共に効果が逓減する」と確信しています。
また、ここはちょっと専門的で難しい話になるので割愛しますが、国連が「日本の特別支援教育は分離を起こしている」と指摘したニュースにも関わります。

我が子が興味を示した進学先は

私が我が子に提案していた進学先は、

  1. 発達障害に手厚い私立

  2. 少人数の私立

  3. 公立の情緒固定級

でした。
ここに向けて数年間準備してきました。
しかし、受験が近くなったタイミングで我が子から、

「〇〇(有名私立)、行けるなら行ってみたい」

と、珍しく意思表示があり、状況は一変。
昨年末から本格的な「受験」に突入しました。
「1日1時間しか勉強ができない」ので、どうすれば2時間に出来るのか?濃度を上げられるのか?まさに毎日、試行錯誤。
トヨタのカイゼン方式で、学習支援をカイゼンする日々。
MBAで学んだ知識と実践の螺旋を、本気で活用しました。

ノート、文房具、部屋のレイアウト、食事、テキスト、椅子、机、屋外、室温などなど、私が蓄積した多くの学術論文や書籍、有識者の皆様の知見をフル活用し「巨人の肩に乗る」受験支援(笑)

大切にしたいのは
1、本人が示した意思の尊重
2、本気で努力し「限界突破」する経験
3、そこに願わくば「成功体験」

1と2は、すでに達成されています。
3は、まもなく分かるでしょう。

全国の受験生の保護者の皆様、今日までお疲れ様でした。お疲れ様です。
発達障害の保護者の皆様、ここにも戦っている親がいます。孤独な戦いではありません。共に歯を食いしばりましょう。


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