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〜推し本より〜『あのこは貴族』山内マリコ著

先週“noteライブ”を初めて観た。編集者の皆さんのトークがとても上手で勉強になったのと、登場した本が気になり翌日すぐに本屋さんに行き、全ての本をチェックした。

その中で最初に読んだ本が山内マリコさんの『あのこは貴族』だ。読み始めるとどんどん本の世界に引き込まれ、夢中になって最後まで読んでしまった。女性なら誰でも共感できる内容で自分も20~30代を同じようなことを考えて毎日精一杯過ごしていたな、と思った。

特に「女同士で仲良くできないようにされている」のくだりは最も心に刺さった。振り返ればあの頃の私もいつのまにか既婚か未婚か、働いてるか専業主婦か、といった女子を分断する価値観にすっかり染まりきっていて、悩み失敗して傷ついた。

今は40代になり色々なことを経験してきたから、若い女の子たちに少しでも勇気を与えてあげられるような強くて自由な女性になりたいと思う。先入観やバックグラウンドで判断せずに相手と向き合うこと、自分自身のことも女だからと言い訳せずに逃げないこと、それを忘れずにいたいと感じた。

この本で気に入った部分もうひとつは、女同士の義理がわかる人、というところに『心中天網島』が使われていたことだ。私は恥ずかしながらこの話を知らなかったので、内容を知り文楽というものに初めて興味を持ち少し調べてみることが出来た。

文楽とは太夫が三味線の演奏に合わせ物語のストーリーや登場人物のセリフを語り、それに合わせて人形を動かす劇のことである。(音楽とセリフを語る=浄瑠璃)+人形劇=文楽(人形浄瑠璃)

この小説が日本の古典に興味を持つきっかけになるとは思いもよらなかったので、こういう出会いも読書の醍醐味なのだなと思った。

小説が映画化されたとのことで公開が楽しみ♪必ず観に行くぞ!



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