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あなたにピッタリのクライアントと出会うための4つのステップ ー1.ふかめる

「あなたにピッタリのクライアントと出会うための4つのステップ」

あなたがプロコーチとしてこれから第一歩を踏み出そうというのであれば、最初のステップは「ふかめる」ことです。

これは、すでにクライアントを持っているコーチが、さらに自分にぴったりのクライアントと出会う場合も同じです。

では一体、何を深めるのでしょうか?

それは、「あなた自身」です。
詳しく言うと、あなたの「動機」「価値観」「ビジョン」の3つの要素です。

ただ単に、誰でもいいからクライアントを獲得したいというのであれば、4番目のステップである「うごく」を徹底的に実践すれば、正直言って、それほど難しくはありません。

では、あなた自身を深めることをしないまま動くとどうなるのでしょうか?

クライアントは増えるでしょう。
けれども、あなたが本当に望んだクライアントではないかもしれません。

相性の合わない人と関係を続けるのが困難なのは、友人関係でも恋愛関係でも、コーチ・クライアントの関係でも同じです。

あなたに合ったクライアントではない、つまり相性の合わないクライアントだと、契約してもセッションが長続きしません。
そうなると、クライアントを見つけてもすぐにコーチングが終わってしまい、また新規のクライアントを一から探すはめになります。

どんな商品・サービスでもそうですが、新規のお客さんを見つけて、契約するまでにかかるお金と時間は、すでにいるお客さんに購入してもらったり、新しいお客さんを紹介してもらったりするより、何倍もかかることは良く知られている事実です。

あなたにピッタリあったクライアントだと、信頼関係をすぐに築くことができ、お互いに理解が進み、そのクライアントにとって、あなたは他のコーチでは代わりがきかない存在になります。

お互いに敬意を持って関わりあうパートナーのような存在になれたとしたら、コーチングがますます楽しくなり、その楽しんでいる気持ちがクライアントにも伝わり、クライアントもコーチングが楽しくなるという良い循環がおこるでしょう。

なので、あなたが本当に楽しんで喜びと共にコーチングしたいと思ったら、最初にするのは自分自身を「ふかめる」ことなのです。


「動機」をふかめる

自分自身を深めるための最初の要素は「動機」です。
あなたがコーチングを学ぼうと思った動機、あなたがコーチになろうと思った動機です。
動機とは、言い換えるとあなたの原点であり、初心です。

ここで少し、あなたがコーチングと出会ったときのことを思い出してください。あなたがコーチングを学ぼうと思った動機、コーチになろうと思った最初の気持ちを思い出してください。


なぜ「動機」が重要なのか?

それは、「動機」すなわち、あなたの原点・初心を深く思い出すことが、あなたの中に眠っている情熱を呼び覚ますからです。

その情熱が、自分が何者なのか、どこに向かって進もうとしているのかを、自分自身の奥深くから思い出すのを助け、そこに導いてくれます。
そして、その情熱が人にあなたの魅力を伝え、他の人をひきつける磁石になるのです。

「あなたは、コーチングの何に引かれて、学ぼうと思ったのですか?」
「そして、なぜコーチになろうと思ったのでしょうか?」

あなたのクライアントになろうという人は、なぜあなたがコーチになろうと思ったのか、その動機に潜在的に関心を持っています。その動機に共感・共鳴してくれる人が、他のコーチではなく、あなたのクライアントになります。

最近、コーチングと出会った人もコーチングと出会ってしばらくたっている人も、自分の原点・初心を今一度、思い出してみてください。

どうですか? 眠っていたあなたの情熱がよみがえってきませんか?



【体験談】赤木がコーチングを学ぼうと思った理由

「相手が必要とする答えは、その人の中にある」というコーチングの哲学に出会い、心から共鳴したことが最も大きな理由です。

コーチングと出会った当時に勤めていた会社で法人営業をしていましたが、コーチングを学ぶことでお客さんが本当に望んでいることを明らかにするサポートができれば、お客さんからきっと喜んでもらえるだろうと思ったことも理由のひとつです。



「価値観」をふかめる

自分自身を深めるための2番目の要素は「価値観」です。
価値観とは、あなたが大切にしている考え、信条です。あなたという人間の中核をなすものと言ってもいいでしょう。 


なぜ、「価値観」が重要なのか?

あなたが自分の価値観を大切にしているなぁと思うとき、あなたは満足感や充実感、幸福感といった感情を感じたり、味わったりすることができます。

たとえば、あなたが人との「きずな」を大切にしているとしましょう。
家庭でも職場でも、趣味のサークルでも、地域社会の活動でも何でもかまいません。
あなたが人と深くつながっていると思えるような体験をしているとき、あなたはきっと、嬉しさや楽しさ、あるいは満たされた気持ちを感じることでしょう。

逆に、ほとんど誰とも口をきかず、一人でずっとパソコンの画面に向かっているような仕事をしていると、不安や焦り、イライラした気持ち、あるいは極端かもしれませんが絶望感といった感覚におそわれるかもしれません。

あまりにもこういった状態が続くと、ストレスで心が病んでしまうでしょう。

なので、自分の大切にしている価値観を知り、その価値観に沿って生きることは、人生を喜びに満ちたものにするためにも、そして、ストレスを遠ざけるためにも、とても大切なことなのです。

価値観を深めていないと、何が人生で大切なことかが分からないので、自分で選択するというよりも、周りに流されてしまう生き方になってしまいます。

そしてこれは、人間関係にも当てはまります。
あなたが大切にしている価値観を、あなたと同じように大切にしている人と会って話をするとき、あなたはまるでストレスなく、時間があっという間に経ってしまったという体験をしたことはありませんか?

また、逆に価値観が明らかに合わないと思う人と話をしたあとは、どっと疲れが出てきたという体験をしたことはないでしょうか?
コーチ・クライアントの関係も同じです。

あなたの価値観に合っていない人がクライアントになった場合、ストレスがだんだん溜まってきます。そうするとコーチングがつまらなくなったり、自信を失ったりしかねません。

逆にあなたと価値観が合っている人がクライアントになると、苦労なく深いレベルで相手とつながることができます。そんなクライアントが、あなたにピッタリのクライアントになります。



【体験談】価値観が合わない人をコーチングしたらこうなった 

ここでも、私、赤木の体験談をお話します。

コーチ仲間の紹介で、ある管理職の方とお会いしました。
コーチングを受けることで部下との関係を良くしたいということだったのですが、話をよくよく聞くと、部下を自分の思うように動かすための方法を知りたいというのが本音のようでした。

ここで何となく違和感があったのですが、せっかくのクライアントを逃してはもったいないという焦りから、「まあ、大丈夫だろう~」とコーチングの契約をしてしまいました。

結果どうなったかというと、最初のセッションからやはり話がかみ合わず、3ヶ月の契約だったのですが、1ヶ月で契約終了となってしまいました。

私は「対等である」や「可能性を見る」という価値観を大切にしているにもかかわらず、その価値観とは合わない人を、お金の誘惑に負けて引き受けてしまったのです。

この出来事で大きく反省した私は、それ以来、コーチングを受けたいと先方から話が合ったときでも、相手の価値観と自分の価値観が大きくずれていないかを最初に確認するようになりました。

なお、この価値観というものに「良い・悪い」や「正しい・間違い」はありません。
「対等である」や「可能性を見る」という価値観を持っていないからといって、その管理職の方が間違っているということでは決してありません。
ただ私とは合わなかっただけのことです。ここは誤解しないでくださいね。



「ビジョン」をふかめる

自分自身を深めるための3番目の要素は「ビジョン」です。

「ビジョン」は、あなたがコーチングを通してどんな世界を創りだしたいのか、あるいはどんな世界になってほしいかというイメージです。「願い」と言ってもいいでしょう。

ビジョンなんて、そんなに大きなこと考えたことがないよ...と思ったかもしれませんね。
しかし、セッションのときにクライアントに「こうなってほしいなあ」と思いながらコーチングしたことはないでしょうか?

  • 自分らしくイキイキと輝いてほしい

  • こだわりから解放されて自由になってほしい

  • 夢を叶えて、喜びと幸せに満ちあふれた人生を送ってほしい

こういったクライアントにどうなってほしいかという思いのことを、「意図」とよびます。
気づいているか気づいていないかは別にして、私たちコーチは意図を持ってコーチングセッションをしています。

このあなたが持っている意図が実現されている世界、それがあなたの「ビジョン」です。

ですので、ビジョンと言われてもよく分からないなと思ったら、まずは、あなたの意図、つまり、クライアントにどうなってほしいと願っているか? を明らかにしてみましょう。

その意図を元に、ビジョンをふくらませていってください。


「ミッション」が見えてくる

あなたが「動機」「価値観」「ビジョン」を深めていくことによって、見えてくるものがあります。

それがあなたの「ミッション」です。

「ミッション」は使命や存在意義、生まれてきた目的といった言葉に言い換えられることもありますが、簡単に言うと、「私は何のためにこの世に生まれてきたのか?」という問いに対する答えです。

多くの人が人生のどこかの地点で、この問いを自分に投げかけます。
しかし、ただ問うだけではその答えは分かりません。

ミッションはジグソーパズルのようなものだと私は思っています。
ピースがバラバラになっているときは、どんな絵が描かれているかさっぱり分かりません。
 けれどもバラバラのピースがかたまりになり、そのかたまりが増えてくると、少しずつ全体像が見えてきます。

では、あなたのミッションという絵を構成するピースのかたまりに相当するのは何でしょうか?

それが、「動機」「価値観」「ビジョン」です。
 
「動機」「価値観」「ビジョン」を深め、明らかになるにつれ、あなたの「ミッション」は自然と浮かび上がってきます。


コーチ自身が自分のミッションを探求し続ける意義

このミッションが、なぜあなたにピッタリくるクライアントと出会うことと関係するのでしょうか?

あなたがミッションを探求し、それを表現していくと、自分のやっていることに深い意義が見出せるようになります。そして、それは心の平安となり、ゆるぎない自信につながります。そんなあなたの姿をみて、あなたに共感・共鳴する人が現れてきます。

「私も○○さんのような生き方をしたい!」と、あなたのミッションに共感・共鳴した人は、他の誰かからではなく、あなたからコーチングを受けたいと思うでしょう。

また、コーチがミッションを探求することは、クライアントとより深い関係を築くことにもなります。


クライアントがコーチングを受ける目的は、目標を達成することであったり、夢を実現することだったりするかもしれません。
 
しかし、そういったことを突き詰めていくと、最後に行き着くのは...

  • 私は何者なのか?

  • どんな人生を送りたいのか?

  • 世の中にどんな貢献をしていくのか?

といった本質的な問いではないでしょうか。

もし、コーチ自身が自分のミッションを探求していなかったとしたら、クライアントは意識するかしないかは別にして、「これ以上コーチングで、自分を深めたり、高めたりすることは難しい」と思います。

これはミッションだけに限りませんが、コーチ自身がスキルを磨くことをやめたり、チャレンジ精神を失ったりしたら、クライアントはコーチに対して魅力を失うでしょう。

コーチが自分のミッションを探求し続け、おおよそでもその方向を歩いていたら、クライアントもコーチの影響を受け、知らず知らずに自分自身のミッションを探求していきます。

ミッションを探求している人は、これからミッションを探求しようという人を援助することができるのです。

そのためにも、まずはあなたの「動機」「価値観」「ビジョン」を深め、明らかにしてみて下さい。

あなたの「動機」「価値観」「ビジョン」というピースのかたまりができあがるにつれ、あなたのミッションが浮かび上がってくるでしょう。 

次回はステップ2 えがくです。


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