見出し画像

夏目金之助とこころ

ー百円だったの。

仔牛のお世話から帰宅した長女が古本を買ってきた。

あ、こころだ。

長女は小説の中ではダントツぶっちぎりで夏目漱石のこころが好きで、高二か高三で授業で扱って以来、自ら文庫でも買って時折ページを繰っている。

ー大学近くの古本屋さんでワゴンで全部100円。100年前の本も100円。

ーホントだ。夏目金之助って書いてある。本名か。さうであつた、のヤツだ。スゴイ。ルビもふってあるね。

ー識字率が低かったからね。当時はまだ。

ー美しい装丁と言いこれは文化の一部だよね。それが100円だなんて嘆かわしい。でも、他にもあったら買ってきてくれない?

ーうん。ワゴンに一杯。重いから、また。

子育てで、親が先に決めつけるより、育てながら、その子を見ながら、その子の好きなものを与え、好きなことを伸ばしていこうとだけは先に決めつけていたのだけど笑例外としては、本だけは、毎月定期購入して有無を言わさずにひたすら読み聞かせまくり、与え続けた。週末の定期巡回コースには図書館の児童書コーナーが組み込まれ、好きなの借りていいよ❤️なんて上からで笑上限いっぱい借りたものだった。

読書は習慣でもあるし、読むか読まないかの違いは大き過ぎるので、小さい頃に本のある暮らしを身近にして欲しかった。

次女は今は東野圭吾さんを全作品読破すべく、ロングレースに挑んでいる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?