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出世競争から降りる選択をしたわたしが得たもの

わたしは2児の子育て中のフルタイム会社員です。大学卒業後に新卒で入社した会社で働き続けて、はや勤続17年目。もう38歳で、まだ非管理職です。

こんなわたしは3年前、おおきな決断をしました。それは、社内での出世競争から一時的に「降りる」という決断です。仕事より子育てを優先するためです。

この決断によってわたしは、

  1. 会社との適切な距離感

  2. 子どもとの深い絆

  3. 自制心

を得ることができました。

今回は、出世競争から降りる選択をするまでの経緯と、その結果わたしが得た3つのことについてくわしく紹介していきます。

経緯

わたしが出世競争から一時的に降りようとしたきっかけは、おおきく2つありました。1つ目は「新型コロナウイルス蔓延」、2つ目は「社内でのパワハラ」でした。

2020年の初春、日本でも新型コロナが蔓延し、おおくの会社と同様にわたしの勤める会社でも一挙にリモート勤務が広がりました。「原則出社禁止」の大号令のもと、みなが慣れないウェブ会議や遠隔コミュニケーションに悪戦苦闘していたころです。この頃わたしは社内で不本意な人事異動により興味のない仕事をすることになりモチベーションが低下していました。そこに来て「原則出社禁止」となり、やる気のないまま自宅でダラダラ過ごせてしまう環境ができあがっていました。

そこに、社内でパワハラ行為に遭うという災難が重なってしまいました。以前所属していた部門にいた元・上司から大勢の参加するウェブ会議上で激しく罵倒され暴言を吐かれるという経験をしました。その結果、それまでも勢いを失っていたわたしの仕事に対するモチベーションの灯(ともしび)は、完全に消え去ってしまいました。心がポキッと折れてしまったような感覚で、「もう、いいや」と思いました。

このときわたしは「この会社で出世するために無理をするのはあきらめよう」と思いました。そして、出世競争から自ら降りようと決心したのです。

入社以来、会社で仕事をする以上は出世を目指すのは当たり前だと考えてきたわたしにとって、これはコペルニクス的転回といえるほどダイナミックな発想の転換でした。そして、これまで会社での仕事に費やしていた時間とエネルギーを、家事と育児に注ごうと決心したのです。

わたしが得たもの①:会社との適切な距離感

その結果わたしが得たものの1つ目は、会社との適切な距離感です。

わたしは、会社よりも家事・育児を優先するという意識改革と同時に、働く場所を会社(オフィス)から在宅(自宅)中心にするという行動改革も行いました。物理的に会社から距離を置くことで、自然と職場の上司・同僚とのコミュニケーションの頻度や濃さは下がります。これは在宅勤務のマイナス面とも言われがちですが、わたしの場合にはプラスに働きました。

勤務場所を在宅中心にして会社に出社する回数を減らしたことで、過剰な気遣いやムダな配慮や心配をしなくなったからです。わたし自身のメンタルは安定するようになり、仕事がスムーズにすすむようにもなりました。

以前のわたしは会社との距離が近すぎたのでしょう。もともとHSP(Highly Sensitive Person/環境刺激に敏感で感情や刺激の処理が他の人よりも深くなる人のこと)の気質のあるわたしは、つい上司の顔色をうかがったり、会社(経営者)の意向を察して行動したりアピールしたりしようとしてしまう癖があります。その結果、だれに頼まれてもいないことを必死にやって、必要以上に精神的にも肉体的にも疲弊することがおおかったのです。

しかし今、それはなくなりました。ムダな配慮や過剰な心配をしなくなったので、毎日とても心地よく仕事ができています。やっとわたしは、自分にとってちょうどよい会社との距離感を見つけられたのです。


わたしが得たもの②:子どもとの深い絆

わたしが得たものの2つ目は、子どもとの深い絆です。

日々の生活の優先順位を「家事・育児>仕事」にした結果、子どもと過ごす時間は圧倒的に長くなりました。朝はごはんの準備から着替え、幼稚園への送迎。夕方以降は、一緒にお風呂に入り、ごはんを食べ、寝かしつけ。これを平日と休日を問わず、雨の日も晴れの日も毎日繰り返す日々です。

毎日同じことを繰り返しているので、いわば子どもを「定点観測」している状態になっているのです。その結果わたしは、子どもの小さな変化に気づけるようになりました。

  • スプーンの持ち方が上手になったこと

  • 以前ならまったく食べなかった野菜を、ひとくちだけは口に入れるようになったこと

  • 幼稚園の送迎中にお話ししてくれる、最近よく遊ぶお友だちの顔ぶれが変わったこと

などです。

毎日子どもを見て、子どもと会話していないと見落としがちなことに気づけるようになったわたしが、そのことをきっかけに子どもと深いコミュニケーションをとれるようになりました。

些細なことに気づいてもらえるのは、大人も子どもも同じです。子どもの小さな変化や成長にタイミングよく声かけできる生活スタイルを手に入れたわたしは、親子の濃厚なコミュニケーションから生まれる深い絆を手に入れることができたのです。

わたしが得たもの③:自制心

わたしが得たものの3つ目は、自制心です。

子どもと長い時間を過ごすことは、よいことばかりではありません。とくに子どもがまだ小さい頃は、うまくコミュニケーションが取れずにストレスを感じることがおおいものです。ついイライラしてしまったり、ため込んだストレスを爆発させてしまう方もおおいことでしょう。

わたしも例外ではありませんでした。とりわけ子どもが小さいころは、なかなか言うことを聞かないわが子を相手に本気でキレたり、大人げない対応をしてしまうことが時折ありました。そして毎回怒りが収まったあと、激しい後悔と自己嫌悪に悩まされました。

こんな経験を何度も何度も繰り返したあと、わたしはこう決心しました。

感情をコントロールできる人間になろう。

それからというものの、わたしは自分の感情をコントロールするスキルやテクニック、習慣やマインドを学べる本を読み漁りました。たとえば、「アンガーマネジメント」や「心を楽にする」といったワードがタイトルに入ったものなどです。「発達心理学」や「ポジティブマインド」に関する本も読みました。

こうしてわたしは少しずつですが、自分の怒りの感情をおさえる方法を学んでいきました。理論武装し、意識改革をし、だんだんと行動も変わっていった結果、いまでは子どもに対して感情的になる回数は格段に減りました。自分の感情をコントロールする力、すなわち自制心を高めることができたのです。

子どものおかげでわたしは成長することができました。「子育て」とは、実は「親育ち」でもあるのです。

さいごに

この記事でお伝えしたとおり、わたしは「出世競争から降りる」という『選択をしたことで、以下の貴重なものを得ることができました。

  1. 会社との適切な距離感

  2. 子どもとの深い絆

  3. 自制心

わたしは、この『選択』が100%よいものだったとは思っていません。きっとこの裏には、現在のわたしが気づいていない「この選択をしたことで、得られなかった(取り損ねた)もの」もあると思うからです。

でも、それでいいのです。わたしは自分のアタマで考え抜いて、そのときの状況と環境から最適だと信じる『選択』をしました。その結果として、今この人生があるのです。まったく後悔はありません。自分が責任もって行った『選択』によって得たものを活かして、これからの人生をもっと楽しく心地よく生きていきます♪

今回は以上です。

この記事が、あなたの人生をちょっと良くするきっかけになればうれしいです。

今日という日が、あなたにとって最高の一日になりますように。
それでは、Have a great day !!!


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#あの選択をしたから

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