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子どもは、今生きている瞬間を親に安心させてほしいだけである
「子どもと一緒にいるとイライラする」という言葉を聞いた。
いつもではないのだが、そんな感情を持つことがあるらしい。
親がそんな感情を持っていることは、口に出さなければわからない、と思いがち。
でも、それは意外とというか、ほとんどが子どもに伝わってしまう。
子どもは親がすべてである。親が大好きである。
だからそれを感じてしまう。伝わってしまう。
これは、今を精一杯生きている子ども、であるが故のものである。
子どもは、心を研ぎ澄まし、その場その時間を生きている。
子どもは、今という瞬間を安心感をもって過ごしたいと思っているだけである。
子どもは、それに少しでも疑問を持つようなことがあれば、不安のループに落ちていく。不安に不安を重ね、不安が募っていく。
繰り返す。
子どもは親がすべてである。
親が大好きである。
あるが故である。
子どもにそれが最初に訪れるのは、生れ落ちてすぐである。
乳児として泣くという行為をする。
そこには、何らかの原因がある。
それは本人さえもわからないことかもしれない。
しかし、泣くという行為を通して、外界に訴える。
親に訴える。母親に訴える。
子どもにとっては、この非常事態に、親は反応するかしないか。
子どもにとっては、この危機迫る事態に、親が抱っこしてくれるかしないか。
ここから、子どもは大きな試練に立ち向かうことになる。
この時の親の反応により、子どもは自分がどう生きていくかを考え始める。
「自分はどう生きるか」
子どもが、乳児が、そんなことを考えなくていいはずである。
親が、自分が泣いたら反応してくれれば、そんなことは考えない。
親が、自分に安心感を与えてくれれば、そんなことは考えなくていいはずである。
でも、そうでなければ。
「親は子どもと一緒にいるとイライラする」という。
子どもは、親に何も適切な対応を求めているわけではない。
自分の気持ちを受け止めてほしいなんて思っていない。
自分の気持ちを感じてほしいなんても思っていない。
そんなのはできるわけがないから。
ただただ、
泣いたら抱き上げてほしい、
ということだけである。
それだけでいい。
それが
自分を安心させてくれることになる
から。
子どもは、
今生きている瞬間を親に安心させてほしいだけである。
それ以上望まない。
適切な対応をしてほしいなんて望んでいない。
そんな程度でいい。
何のテクニックもいらない。
それだけはしてほしい。
泣いていたら抱き上げてくれるだけでいい。
この先もずっとそれだけをしてくれたらいい。
そうすれば、
子どもは安心感のループに入っていく。
それだけでいい。
そうすれば、
親もイライラするというループから抜け出せる。
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