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竜巻には逆らえないから……

GWは笑えるほどにStaty home。CS放送の沼にはまっていました。

そんな中で、驚いたニュースが静岡県の竜巻被害でした。

気象庁は1日午後8時過ぎ、静岡県中部で竜巻などの激しい突風が発生したとみられると発表した。静岡市消防局や牧之原市役所によると、牧之原市布引原(ぬのひきはら)地区を中心に突風が起き、少なくとも10棟以上が全半壊し、3人が軽傷を負ったという。市内では電柱が数本倒壊し、車が10台ほど横転しているという。多くの家屋で屋根瓦が飛んだり、窓ガラスが割れたりもした。
出典:Yahoo!ニュース 朝日新聞デジタル(2021年5月1日)


今回は竜巻により電柱が数本倒壊しました。マニアックなお話ですが、電柱が倒れるって結構強い風が吹いたってことでして。
電柱が折れた被害が発生した例は、最近だと2019年の台風15号とか(千葉で大停電)、2016年の台風21号(関西で強風、関空で高潮被害が発生)でした。その時の瞬間最大風速は、いずれも50mを超えていて非常に強い風が吹いていました。

台風と同じか、それ以上に大きな被害が一瞬にして発生する竜巻。
台風は何となくイメージできますが、竜巻ってなると「???」となる方も多いと思います(あじさいも同じです。)

今回は竜巻をテーマにお伝えします。
竜巻って滅多に遭遇することはないですが、頭の片隅にどうすればいいかを知っておけばいざというときに動けるはず……!

竜巻って、オズの魔法使いのイメージ。ドロシーが竜巻で家ごと飛ばされるからアメリカだけで発生するものだと思っていました......。


そもそも、竜巻とは

竜巻とは、積乱雲に伴い発生する、激しい渦巻きのことです。日本では、北は北海道から南は沖縄まで全国で季節を問わずに発生します。台風や寒冷前線等、積乱雲が発生しやすい気象条件で竜巻が発生しやすいです。

竜巻は、短時間で狭い範囲に集中して大きな被害をもたらします。日本の竜巻は、ほんの数分から30分程度の短い間に発生するとも言われています。

積乱雲って、夏に雷を発生させる雲ですね。入道雲とも言われます。

夏によくみられる積乱雲(入道雲)



下の図は1961~2019年までの竜巻の分布です。沿岸部で多く発生しているようですが、夏場は内陸部でも竜巻の発生が確認されています。


出典:気象庁 「突風分布図」


竜巻の被害

政府の資料によると、竜巻の被害は非常に狭い範囲で大きな被害が発生するとされています。

建物が倒れたり、車がひっくり返ることがあります。また、強い竜巻に襲われると、強い風によって建物が倒壊したり、車が転倒することがあります。様々なものが竜巻に巻き上げられたり、猛スピードで飛んできます。
人や様々なものが飛ばされるだけでなく、巻き上げられたものが猛スピードで飛んでくることも竜巻の恐ろしさです。
建物の中でも、飛んできたものが窓ガラスを割ったり、壁に刺さったりするので注意が必要です。
軽い木材であっても竜巻により猛スピードで飛来すると、簡単に住宅の壁に刺さったり突き破ったりします。
出典:内閣官房「竜巻ではどのような災害が起こるのか」

風が吹くだけでなく、風で物体が巻き上げられるんですよね。

竜巻からは逃げるのみ

竜巻は日本中どこでも発生しますし、しかも局所的に短時間で発生するので建物などの被害を防ぐのはとても難しいです。建物自体への対策って難しいんです。

竜巻が発生した場合、「身を守ることが最優先」です!
すぐに身を守るための行動をすることが大切です。

屋外にいる場合は頑丈な建物などに避難し、屋内にいても窓ガラスには近づかず、一階の丈夫な机の下などで身を小さくして頭を守ってください。

頑丈な建物の中で、風が通りにくいところに避難することが大切です。

アメリカだと、竜巻とかハリケーンから逃げるためのシェルターを設置している家もあるんですよね。非常時にはそこに逃げ込んで身を守るんだそうです。

竜巻を事前に知る方法

気象庁が竜巻に関する情報を時間を追って段階的に公開しています。

半日~1日程度前に気象情報で「竜巻などの激しい突風のおそれ」と明記し注意を呼びかけます。
数時間前には雷注意報で「竜巻」と明記して特段の注意を呼びかけます。
さらに、今まさに竜巻等が発生しやすい気象状況となった段階で「竜巻注意情報」を発表します。今回、静岡県で竜巻が発生する直前に、確かにテレビで竜巻注意報のテロップが流れていました。

静岡県牧之原市での風速

気になって調べてみました。被害が発生した静岡県牧之原市の布引原地区ではどのくらいの風が吹いていたのだろうかと。

ピンポイントの風速は分かりませんでしたので、布引原地区から最も近い観測点の情報を調べてみました。北東約4.3㎞のところに静岡空港があり、この場所に観測点があります。

当日、静岡県牧之原市にある静岡空港における最大風速は10.6m/sでした。
また、最大瞬間風速でも20.6m/sでした(いずれも気象庁のデータベースより。)。

えっ、確かに風は強いけど竜巻ほどの速さではない……。

不思議に思っていたんですね。
ただ、その後でニュース報道により風速が約55メートルと推定されたと報道がありました。

静岡地方気象台は2日、同市布引原地区で竜巻が発生した可能性が高いと発表。4トントラックが横転したことから、風速は約55メートルと推定され、6段階で強さを推定する「日本版改良藤田スケール」では上から4番目に強い2に該当するという。
出典:時事ドットコム2021年5月2日記事より

なるほど、トラックの横転被害から風速を推定したのか。

やはり、これまでの電柱の被害と同様に風速50m以上の強い風が吹いたことが分かりました。また、5㎞も離れていないところの観測結果と風速が大きく異なることから、竜巻が局所的に発生するということも改めて分かりました。

最後に、今回の竜巻被害に遭われた方が1日でも早く落ち着いた生活に戻ることができますように。

最後までご覧いただきありがとうございました。

あじさい



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