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あの日から学ぶ:2016年熊本地震その2


今週は「あの日から学ぶ」というテーマで、熊本地震についてお伝えしています。熊本地震から5年。この5年間、熊本では、地震だけでなく水害でも大きな被害をうけました。

5年経ったいまだからこそ、今一度、思い出してみませんか?そして、何が自分には必要なのか考えられるいい機会になるかと思います。

(注意書き)記事をご覧になった方の中には、かつて、震災や災害でつらい思いをされた方もいらっしゃるかもしれません。読む気になれないな……って方、読めるようになったら改めてご覧ください。

前回のリンクはこちらから↓

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熊本地震の被害

【熊本県からの報告】(平成 31 年 4 月 12 日 16:30 現在)
・警察が検視により確認している死者数 50名
・市町村において災害弔慰金の支給等に関する法律に基づき災害が原因で死亡したものと認められたもの 215名
・6 月 19 日から 6 月 25 日に発生した豪雨による被害のうち熊本地震との関連が認められた死者数 5名
出典:内閣府より

熊本地震では、熊本県の報告によると、270名が亡くなりました。このうちの50名は、家屋の倒壊や家具の転倒によって被害に遭われました。
前回のnoteでは古い住宅家屋で被害が発生と書きましたが、1回目の地震の後、避難された方が多く、2回目の本震の際には被害者数が抑えられていると報告された資料もありました。


そして215名、この方々はいわゆる「震災(災害)関連死」が原因で被害に遭われた方の数です。

「震災(災害)関連死」とは、長引く避難生活で持病が悪化したり、ストレスで体調を崩したりして亡くなられることを意味します。

熊本地震の際は、以下のようなケースがありました。

・避難中の車内で74歳女性:疲労による心疾患
・78歳男性:地震後の疲労等による心不全
・83歳女性:慣れない避難所生活から肺炎状態となり、入院
・32歳男性:地震による疲労が原因と思われる交通事故
・43歳女性:エコノミー症候群の疑い
・88歳男性:地震による栄養障害及び持病の悪化
・83歳女性:地震のショック及び余震への恐怖が原因で、急性心筋梗塞

出典:内閣府より

避難生活では、普段とは違った不便な環境で多くの方と共同生活を送ることになります。それが長期になると、疲れやストレスが溜まってきます。また、避難所での生活ではたくさんの制限もあります。

もともと持病を抱えていらっしゃる方は、慣れない環境下で具合がますます悪くなるケースが多く見られます。また、精神的な負担が多く、心臓に大きな負荷がかかってしまいます。

またこの時はエコノミー症候群(急性肺血栓塞栓症)を発症した方々も多くいらっしゃいました。
エコノミークラス症候群は、突然、肺にできた血栓が詰まってしまう現象です。窮屈な飛行機のエコノミークラスに長時間座っていた人が発症することがあることから名付けられました。脚を長時間動かさないと、床に座っていても、車に乗っていても発症してしまいます。


ここから学ぶこと


被害......からお伝えしたのでちょっと暗くなってしまったかもしれません。
大切なのは、ここから何を学ぶのか?将来に向けて何を備えるかですね。


震災発生時、避難所で生活を送らないように備えておくことが大切です。
避難所に行かないで過ごせるのであればそれに越したことはありません。


それは、避難しなくてもいいように新耐震基準の家(理想を言えば、建築基準法が改正された2000年以降に建てられた家)を選ぶこと、家具が多少倒れても、住んでいる人に被害が及びにくい配置にしておくことが必要だと思います。

家さえ大丈夫で、ある程度の備えをしているなら、避難所に避難しなくてもいい可能性が高まりますね。

えっ、あじさい……そんなこと言ってもうちは代々この土地に住んでいて家を守り続けているんだよ。無理言うなよ。

結局、住んでいる方が何を大切にしているのか?によると思います。

ある程度築年数がたった家はリフォームされることもあります。その際に耐震補強を行うという手もあります。

市区町村では、無料で耐震補強に関する相談に乗ってくれるところがほとんどですし、耐震補強診断や耐震補強工事の補助金を支給する自治体が多いようです。心配であれば、まずは耐震診断相談をされてみるといいのかもしれません。詳しくは市区町村のWEBサイトをご覧ください。

使いやすい家、オシャレな家は魅力的です。そして、そういう家を楽しめるのは生きているからこそ。まずは、「安全な家」というのが必須だと私は思います。

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もう1つ。
災害発生時には、知らず知らずのうちに自分自身に大きなストレスがかかっています。大変な状況下でストレスがたまらないわけがありません。
災害時、人間は自分を守るために気が張るんですよね。

大切なのは、自分の状態に気がつけること。
ストレス感じているなあ、疲れているなぁ。
その感覚を自分の中で認める勇気が必要なのだと思います。

みんな頑張っているから……
今はそんなこといえる状況ではないから……

わかります。人間、頑張ることって得意らしいです。その反対に休むことって苦手なんですって。
だからこそ、大切なのは自分の状態に気がつける・その状態を認められる勇気なのだと思います。

まずは、地震発生時はそういう状態になるということを知っておくだけでも違うと思います。

ちなみに、簡単にすぐにリラックスする方法……
気功の先生である友人曰く、「ため息をつく、あくびをする」だそうです。


今の状況、避難せずにいられるのがベスト

特に今はこんな状況。
避難をすることによって、避難所が密になってしまい感染者が増加するリスクがあります。また衛生対策もより一層気をつける必要があります。

そのため、やはり避難せずにすむ備えをしておくことが必要だと考えます。

感染症に、ストレスに疲労……、お年寄りだけでなく、これは全員にとって影響が大きいと思いますもんね。

宣言が明けたと思ったらまんぼう登場!オリンピック本当にやるの?という本当に稀有な今の状況。自分が、自分の住んでいる場所で、どんなときも安全に快適に過ごせるということが何より大切なのだと思います。


最後までごらんいただきありがとうございました!

あじさい

トップ画は、熊本の写真を選ぼうと思ったらうっかり選んでしまったマレーシアの寺院にいたネコ。このネコ、ひんやりとした床にペタッと座って、とても気持ちよさそうにしていました。ネコは安全で快適なところを知っていますね。



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