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『空飛ぶストレート』(ショートショートnote杯)

「さすがにこれは厳しいんじゃないですかねぇ」
 集まった老人たちはゲームの行方を眺めながら談笑している。
「確かに難しいのぅ。ゴールにまっすぐに転がすにはあの玉が邪魔になる。カーブをかけて横から狙うのも手じゃが、その後の立ち上がりがあまり良くない……。素直に相手の球にぶつけてはじき出して終わりかのう」
「それが無難ですよねぇ」
「お前さんたちはヤスさんのことをまだわかっとらんな。ああいう状況でこそ燃えるのがヤスさんじゃわい」
「そうは言ってもこの状況ではな……。急がば回れと言うじゃろ」
「まぁ見てな。ほら、しゃがみこんで地面の状態を確認しだした。お次はスティックの状態をじっくりとチェックだ。今日は湿気があるから出るかもしれんぞ。あの伝家の宝刀がな……」
「伝家の宝刀?」
「そうだ。おっ……来るぞ! さあ出るか? やってくれるか? どうだ!? っ出たーー!! あれこそヤスさんのとっておき、伝家の宝刀『空飛ぶストレート』よ!」


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他の「ショートショートnote杯」用の作品はマガジンにあります!
関係ないショートショートも沢山ありますので、お気に召しましたらのぞいてやってください。

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「欲しいものリスト」に眠っている本を買いたいです!(*´ω`*)