見出し画像

5話で終わったドラマ『medium霊媒探偵城塚翡翠』とコンテンツの長さに関する考察

先日から楽しみに見ていたドラマがありました。
タイトルにも出させていただいた『medium 霊媒探偵城塚翡翠(れいばいたんていじょうづかひすい)』です。原作小説はミステリランキングの5冠を達成した大人気作で、満を持してのドラマ化。そして現在コミカライズも進行中という盛況っぷり。

小説家の先生とともに、霊媒であり探偵である翡翠が警察に協力し、いくつもの殺人事件を解決していく探偵ものです。

そのドラマがなんとたったの5話で終了したのです。
通常昨今のドラマは10話前後であることを考えると、半分の長さで終了となりました。


――ええっとですね、ドラマやニュースなどで見た人は知っているでしょうけれど、これは嘘ではないけれどホントでもありません
実際には、5話で原作1冊目にあたる『medium 霊媒探偵城塚翡翠』が終わり、6話目からはその続編にあたる『invert 城塚翡翠倒叙集』がはじまるとアナウンスされています。だからまあプロレスに近いなにかですね。

しかしこの5話で1冊目が終わるっていうのがなかなかすばらしい英断だと思いましてこうして筆をとっている次第なのです。


この『城塚翡翠』シリーズの1冊目はいくつかの殺人事件を経て、1冊でそれはそれはきれいに終わっている作品なんです。二度は出来ない作りなのです。だからこそわたしをはじめ原作を読んでいた人でドラマを見ている層は、このラストがどうくるのか、どのように料理されるのかという部分を気にせずにはいられれなかったかと思います。

……と、同時にこの面白さを感じてもらうためには、「ドラマを最後まで見てもらわないといけない」という現実に不安を覚えたのではないでしょうか。


もちろん各話の殺人事件とその解決パートだって面白くないわけではありません。しかし、その部分だけではそこまでオリジナリティがあるわけでも、奇抜で魅力的なキャラクターがあるわけでもない。どうか最後まで見てもらって良し悪しを判断してほしい。最後まで見てもらうためにはどうしたらよいのか。
そんな思いが通常の半分の「5話で終わらせてしまう」という判断につながっているわけで、その思い切りには感服いたしました。すばらしい英断だと思います。

全話見なくても5話まで見てもらえば、この物語の面白さを余すところなく感じてもらえる。そしてここまで見てみてくれたひとは、その魅力に気づいて残りも見たいと思うはず。
実際には5話に至るまで、4話分は殺人事件パートがあるわけで、そこで離脱した人もいたのではないかと思いますけれど、どこで区切るかと考えたときにこの5話で終わらせる!という判断は最適解だったのではないでしょうか。

そんなわけでそれなりに話題にもなっていたようですし、わたしも落ち着いてこの先も見ていくことができそうです。



――ところで。

この『medium 霊媒探偵城塚翡翠』、上記したように現在コミカライズが進行中なわけです。

じゃあマンガはどこで終わらせるのが最適なのでしょうか。権利の関係がどうなっているかはわかりませんけれど、早々と1冊目『medium 霊媒探偵城塚翡翠』を終わらせるというのも選択肢のひとつでしょう。

ドラマは基本的に10話前後でひと作品です。だからこそ中間の5話という選択がなされました。ではマンガであればどうなのでしょう。
通常離脱が起こるのは1巻と2巻の間など巻数の変わり目でしょう。であれば、1巻で1冊全部終わらせてしまうというのが一番効果的なのではないでしょうか。

『medium 霊媒探偵城塚翡翠』には最後の話も含めて4つの話がはいっています。マンガは1冊に8話くらいは入りますから、ひとつの事件に2話づつ使えばちょうどそこで大オチまでこなせる寸法です。そこで心をつかまれた読者は胸を高鳴らせながらきっと続巻も買ってくれるでしょう。1巻ですべてをつまびらかにしてしまいなさい……

――と、いうのはひとつの理想論ですし、考え方は色々だと思うので別に正解はありません。そもそも小説でかかれた分量をマンガに落とし込むのは結構大変なものです。
先だって綾辻行人先生の名作ミステリー『十角館の殺人』がコミカライズされていましたが、こちらは1冊終わらせるのにマンガ5冊分を必要としていました。
そこからするとやはり4巻くらいが事件パートで、最後の解決パートが1冊あっての5巻完結くらいになってくるのではないでしょうか。

実際のところ、最初の「泣き女」の途中の段階ですでに3話は使っている模様なので、かなり少なく見積もったとしても単行本2冊くらいは軽くいきそうですね。そこまで伸ばして読者が付いてきてくれているなら、もう少し伸ばしたほうがお得。とかなりそうなのでやっぱり5巻くらいになるのでしょう(笑

他愛もないことに2000字も使ってしまった(笑 城塚翡翠、面白いですよ。


#小説 #漫画 #コミカライズ #城塚翡翠 #ドラマ #コンテンツ会議

この記事が参加している募集

コンテンツ会議

「欲しいものリスト」に眠っている本を買いたいです!(*´ω`*)