チャイム【旅する日本語】【昧爽】
窓の外からチャイムが聞こえる。
キーンコーンカーンコーンという、学校のあれだ。カーテンも開けていないホテルは薄暗く、探るように携帯に手を伸ばす。まだ6時。子供もまだ起きる気配はない。
せっかくお休みの日に、足を伸ばして来ているのに、いつも通りに起きてしまう。身についた習慣はなかなか取れなくて融通が効かない。
カーテンの下から差し込む光が、早々と外の明るさを伝えてきている。海鳴りの様な音も聞こえる。でも、さっきまでは聞こえなかった気もするから、これはエンジン音なのかもしれない。もしかしたらチャイムだって空耳だったかも。
この際、風情はあっても無くてもいいや。どうせすぐに子供も起きてきて、旅先の「日常」が始まってしまう。
だからお願い、もう少しだけ。
旅先のまどろみを堪能させて。あなたにとっては、いつもの夜明けかも知れないけれど、私にとっては旅先の夜明けなの。
「欲しいものリスト」に眠っている本を買いたいです!(*´ω`*)