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リストラ笛(ショートショートnote杯)

「いやーほんと困ったもんですよ。なにぶん突然のことでしたから」
 そう言いながらやたらとぺこぺこしていたのは『笛』だ。なんでも昨日づけで吹奏器楽組合をリストラされたらしい。
「いくらなんでも私だってそれなりに伝統も格式もある吹奏器楽の一因であることには間違いないと思うんですよ。にもかかわらず、朝から組合に呼び出されたかと思ったらお前はリストラだっていうんですから。たまったもんじゃないですよ……」
 だいぶお酒が進んでいるのもあってか、そのときの状況について笛は滔々と話しだした。どうやら組合側は笛のもつ簡便さが様々な「笛らしきもの」を生み出していることを憂慮しているようだ。そいつらが組合の格式を下げているというわけだ。
「そんなわけでね。どうか私を拾ってやってくれませんか? 私だって叩けばそれなりにいい音がなると思うんですよ。お願いします。そちらの打楽器協会でぜひ使ってやってください、ねえタンバリンさん……」


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今日は「リストラ」×「笛」です。

順不同なわけですし使い方は自由。最初に考えたのは笛を吹くとリストラされるとか、とにかく笛きっかけでリストラされるお話でした。しかし考えている間にどれも普通だなぁと思って、最終的には笛がリストラされる話になりました。
とはいえ「笛がリストラ」されるというのも、見えているカードから発想しているだけなので、もっと変なことを考えたいなぁと思いますね。

さて明日のお題はなんだったかな……あ、えっと「一億円の」と「マッチ」ですね。明日もよろしくお願いいたします。

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「欲しいものリスト」に眠っている本を買いたいです!(*´ω`*)