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かつお節の保管方法【削り節 編】

お客様からご質問をいただくもので、最も質問される頻度が高く、最も誤解をされている内容でもあるのが、かつお節の保管方法についてです。

弊社でお答えしている回答をお伝えしようと思いますが、保管・管理の方法は、削り節と本節・亀節(一本の塊のもの)で取り扱い方が違います。
ですので、今回はまず一般的に一番多く使われている削り節について説明をしまして、次回 本節・亀節 について説明いたします。

削り節の保管方法は、かつお節屋さんでお伝えする内容はあまり大きく変わりませんので、こちらでは保管するときの『ポイント』と『その理由』に重点を置いて、説明してまいります。

1-1. 開封前保管場所(プラの袋でガス充填のもの)

まず削り節は、大抵の方はスーパーなどでお買い求めになられる方が多いかと思います。
(↓このような状態で売られているものを手にされていると思います)

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一般的にはプラスチックの袋に詰めて、窒素ガスが充填された状態で売られています。
この状態で未開封でしたら、日光や蛍光灯などの光が直接当たらず、温度も40℃以上にならない所で保管ください。
かつお節は紫外線などの光に晒されると、そこから劣化しますので、光にご注意ください。光の当たらない、戸棚の中などをお勧めします。
また40℃以下というところも、大きなポイントです。
このかつお節に使われている袋は、殆どのメーカーさんで同じ材質のものを使っておりますが、その袋は気温が40℃以上になると、ガスのバリア性能が著しく下がってしまいます。
そのため、直射日光が当たらないからといって冷房のない倉庫や夏の暑い中に置いておくと、そこからどんどん酸化が進んでしまいます。

なので、プラスチックの袋入りのものをお買い求めの方は
光の当たらない熱くない所
に保管ください。それでしたら賞味期限まで、おいしくお召し上がりいただくことができます。

1-2. 開封前の保管場所(紙袋に入ったもの)

次に、『ちょっとこだわりのお店で、朝削ったものを店頭で買っています』という方は、その場で削ったものを注文をして、紙袋などに詰めてもらうことが多いと思います。

ただ、紙袋は残念ながらガスバリア性はありませんので、ずっと酸素に触れ続けています。
これはかつお節の袋の口を開けているのと、実はあまり変わりがありませんので、このままの状態で置いてしまうとどんどん酸化が進んでしまいます。
紙袋の場合は、できるだけ当日中に使い切れる分量で買うことをお勧めしています。

削りたての香りの良さや、味の良さというものは間違いなくありますが、これは時間が経つごとにどんどん減ってしまいます。

欲張らずに、美味しい状態で使える分量を買うことを考えた方が、経済的にも味的にも良いということになります。
上手に、削りたてと袋詰めを使い分けてください。

2. 開封後の保管

プラ袋に入っている窒素ガスは、開封すると抜け出てしまい、空気と置き換わって空気に晒している状態と等しくなります。
そのため、開封後は空気に極力晒さないように保管することが、長く美味しく保存するコツとなります。

ジップ付きの袋の場合は、しっかりと空気を抜いて口を閉じて、冷凍庫に保管することをお勧めします。
また、紙袋入りのものを買ってきた場合や、ジップがついていない袋を開けた場合は、厚手でジップ付きの袋に入れて、同様に空気をしっかり抜いて口を閉じて保管ください。

また最近では、ご家庭でも使える真空保存する道具や容器なども売られています。そういったものでしっかり脱気することもオススメですが、脱気した後もできれば冷凍庫などで保管されることをお勧めします。
また脱気しているからといって何度も繰り返すと、香りが抜けてしまい寂しい風味になりますので、やはり4回も5回も繰り返すのはお勧めできません。

番外:脱酸素剤の入っている鰹節の粉など

鰹節の粉などは、大抵の場合は脱酸素剤が入っていることが多いものですが(稀に入っていないものもあるようです)、これは一度開封した後はしっかり袋のジップを閉じていても、完全に閉まっていないため、徐々にその効果はなくなっていきます。
開封後2日もすると、殆どの場合用をなさなくなります。
脱酸素剤は開封前の段階ではしっかりと酸素の無い状態を保っていてくれますが、開封後はほとんど意味がありませんので、ご注意ください。

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こちらでは最も一般的な削り節の保管や扱い方についてご説明をしました。
次回は、一番誤解の多い『本節・亀節』についてご説明をしていこうと思います。

文章に残して、後の世代に繋いでいきたいと思っています。 サポートいただけると、とても励みになります。 よろしくお願いします。