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一時帰国珍道中・2022

訪れてくださり、ありがとうございます。
本記事は、米国オレゴン州・ワシントン州を中心に毎月10000部発刊されている「夕焼け新聞」に連載中の『第8スタジオ』というコラムの転載記事(修正・加筆含む)です。本記事は、1本300円の入場料をいただきます(価格は字数や内容によって変動します)。なお「夕焼け新聞」というマガジンでご購入頂くとお得です。

『第8スタジオ』はひと月に1本のペースで配信します。異国で暮らす日本人の葛藤、就活、仕事、家庭、家族、育児、バイリンガル教育のさまざまを書いてきました。当連載は5年目に入り、現時点で終了予定はありません。読者の皆様のおかげで、ここまで続けてこれましたことに、心より感謝しております。ありがとうございます。

・ファストトラックは一時帰国者の味方
・最大の失敗を語ります
・毎年最高に緊張する瞬間
・老けていくことへの対峙


コロナ禍は終わりに近づきつつあるように感じる。今年もまた、子供を連れて実家に帰ってくる一時就学の季節がやってきた。

<ファストトラックは一時帰国者の味方>

仕事上、飛行機に乗りやすい日取りを設定し、全日空で羽田を目指した。

搭乗前にファストトラックの審査が無事完了していれば、到着時の手続きが免除されると聞き、なんとかすべてを済ませて搭乗した。

噂に聞いていたが、日本行きの飛行機は満席だった。東京を経由地としてアジア各地に飛ぶ人と、日本が最終目的地の人が半分半分といったところか。

羽田に到着後は出口に出るまで、1時間もかからなかった。空港内の廊下を通るだけで、じめりとした汗が背中に滲む。日本に帰ってきたなと感じた。私にとって日本はいつも蒸し暑さとセットである。

<最大の失敗を語ります>


この帰国の最大の失敗はレンタルWi-Fiである。

私は仕事で、日本滞在時も福岡からアメリカに向けて授業をしなければならず、そのリモート授業に耐えうるWi-Fiとその環境作りが、渡米前、最大の懸念事項であった。

私はリモートワークに最適とうたわれていた1日650円のWi-Fi機器を事前に借りており、空港受け取りとしていた。もっとも安いものが365円だったので少し値が張った。しかし背に腹はかえられない。「授業命」そこは投資である。

移動時にもそれを使って、人々とのやりとりをしようと試みたが、あれ、なんだかうまくいかない。

よって私は外出先で友人や親戚と連絡をとることができなかった(これってかなり不便です)。あとで説明書をしっかり読んで対応しようと思って、その時はやり過ごしたのだが、のちに判明したのは、据え置き型のレンタルWi-Fiというのは、そもそもコンセントで電源につないでおかないことにはWi-Fi機能を発動しないという驚愕の事実だった。

びっくりした。これって常識なんですか? 

持ち運べるものなのだから、そもそも移動時にも授業時にも使えると思っていたのは誤算だった。私はまたもWi-Fi難民となった(去年も難民でした)。

今年は難民を脱出できると思ったのになあ。

私と待ち合わせをするすべての人が「君と会うのはやりにくい」という。ごめんなさい。私は家を離れたら最後、連絡がとれない人間と化してしまうからである。

レンタルWi-Fiの会社にかくかくしかじかと話して交換してもらおうと試みたが、「お客さまご自身の都合」ということで、にべもない。私の払った金を返してくれという気分だが、後の祭り。

人生には学びがたくさん落ちているものですね(笑)。実に皮肉です。

もしも私と同程度の知識の方がいらっしゃれば、ぜひ肝に銘じてください。据え置き型のWi-Fi機器は、コンセントにつながっていないと起動しない、よって移動時にはまったくもって無用の長物となることを。

<毎年最高に緊張する瞬間>

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