「ぼくの不幸が、きみの幸福でありますように」
11/29。
5:20起床。
天気は晴れ。
*
パートナーが『ものもらい』になった。
とわかったのは、ちゃんと病院に行ったから。
一昨日の夜から「目が痛い」と訴えるパートナーの瞼は、昨日の朝にはだいぶ腫れていた。
パートナーはもちろん、ぼくも不安だった。本当に、目の病気なんだろうか? 別の病気の前触れだったら、どうしよう……。
パートナーは仕事を休み、ぼくも眼科まで付き添った。結果、『ものもらい』という診断。医師の説明も、納得のいくものだった。
そうだ。そういえば、『ものもらい』なんて病気あったな……。抗菌目薬を処方してもらい、ホッとするぼくら。
ぼくはその日、どこに行くにもパートナーのパーカーの裾を掴んでいた。「目が痛い」のは『ものもらい』のせいだったけど、なんだか、色々不安になったから。
今、例のウイルスで日本は大変なことになっているけど、そのウイルスに感染していなくても、人がふいに死ぬことはある。
たかが『ものもらい』、されど『ものもらい』。一緒にいてもよく別行動するぼくだけど、昨日はパートナーのそばを離れられなかった。
ぼくの家族。大切な家族。唯一の家族(これは、比喩表現)……。パートナーがいなくなったら、ぼくはひとりぼっちになる。一人、地獄に放り出されることになる。
けれど、その懸念以上に。パートナーには、生きてほしいと思った。ぼくの家族で、兄弟で、親友で、恩人。そんな人が、死んじゃいけない。たとえぼくが死んだとしても、死んじゃいけない……。
「長生きしてね」
ぼくは言った。
「頑張ります」
パートナーは言った。
休みの日でも仕事のことを考えているパートナーだけど、昨日ばかりは不安から解放されて、それと共に気分転換できたようだ。結果良ければ全て良し、か。ちょっと違うか。
自分のことしか考えられなかったぼく。他人のことなんて、構っていられなかったぼく。でも、パートナーに何かあったら、すぐに駆けつけるぼく。パートナーが、ぼくを人間らしくしてくれた。
今日は、パートナーは元々休みの日。
コーヒーでも、飲みに行くかな。昨日約束したもんな。二人一緒にいられる内は、二人でできることをたくさんしよう。
*
「僕だけが、鳴いている」
これは、
ぼくと、ドッペルゲンガーのドッペルさんの話。
連載中。
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