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「まだ、明日に行きたくないな」

9/15。

5:00起床。

天気は晴れ。





就寝時間22時を日々きっちり守っているボクだけど、なぜか、夜中に外をうろつくことが多くなった。


特に何があったわけでもないんだけど、「おうちに帰りたくない」を口の中でくり返し、当てもなく足の向くまま歩いている。


とはいえ、地方住みなので、夜中に立ち寄ることができる場所は限られている。スタバとかツタヤとか、あとはファミレスか。


昨日、スタバには3時間居座り続けたあと、冷め切ったほうじ茶を飲み干し、あとはツタヤで『ミッドサマー』を借り、その場を後にした。


「どうしようかな」とぼんやり思いながら、すぐ近くにあった、閉店まであと1時間の本屋にふらりと入る。平積みされている本も、棚に収まっているから背表紙しか見えない本も、なぜかボクはタイトルを目で追うことができない。目の前の景色が、頭に入ってこない。


「これは、よくない傾向だ」


とは思うんだけど、何の傾向なのか、自分でもよくわからない。このまま、よくない方に傾向が傾けば、ボクはどうなってしまうんだろう?


そんなこんなで、パートナーから電話が入る。心配されている。当然だ。「まだ帰りたくないな」と思ったけど、足も疲れてきた頃なので、とりあえず帰路に着く。


無灯火の自転車に轢かれそうになったり、足元がおぼつかなさすぎて茂みに頭を突っ込みそうになったり、色々ありつつも、足をアパートがある方へ向ける。


「まだ、帰りたくないな」


だって、帰ってしまえば、明日のために眠るでしょう? 眠ってしまうと、『明日』が『今日』になっているんでしょう? でも、それはボクの本意じゃない。


「まだ、明日に行きたくないな」


けれど、ヒトは帰る家がないと、生きていけないので。というか、ボクが寝ようと起きていようと、明日はやって来るものなので。


うちに帰ったボクは、パートナーに『ミッドサマー』を手渡し、死んだように眠った……らしい。(帰宅してからのことは、あんまり覚えてない。)


そして、『今日』は『昨日』になり、『明日』が『今日』になった。仕方がないことだけど、気分はそこまで悪くない。まあ、「まだ、生きていろ」ってことなのかな。


だから、ボクは大人しく『今日』も生きるのだった。





「僕だけが、鳴いている」


これは、
ボクと、ドッペルゲンガーのドッペルさんの話。


連載中。


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