『みんながFになる~大人になりたくないと相談されたらどうしますか?』学ビ舎いろはに015
こんにちは。藍澤誠/Jの先生です。
Fの子は不登校の子ばかりではありません。
学校に行ってはいるけれど学校よりも大事なことができてしまった子も「自由を求める子=Freeを求める子」として私はFと呼んでいます。
今日は当時小5だった女の子のFな話です。
Jネームはマーメイドちゃんとしましょう。
「中学校に行きたくないよう」というのがマーメイドちゃんの口癖でした。
中学校は小学校みたいに楽しいことが起きなそう。お姉ちゃんを見ていると勉強ばっかりになっちゃいそうなのが不安でたまらない。
大人になっちゃうのが怖い。
そんなアート系のFな子を前にして、塾の先生や親はどんな形で力になってやれるでしょうか。
私は「創作し続けるマインド」を授けてあげるのが一番だと考えました。マーメイドちゃんが自分自身で「アートな生き方ができるようになった!」と思えるまで、彼女の創作を支え続けよう。
いろいろな作品をふたりで作ったり、さまざまな場所へ連れて行って、さまざまな経験をさせてあげると決めました。(※2022年現在は、作品を創作するときは、ふたりではなく3人以上を心掛けています。)
2020年、最初のコロナの自粛が終わったあと、いっしょにまた塾で活動ができるようになったとき、マーメードちゃんとまずやったのが「音楽の先生の誕生日に、アートなプレゼントをする」でした。マリンバや楽器を教えてくれるシナモン先生(シーナアキコさん)の誕生日が近かったのでプレゼントを作ったのです。
まずかわいい名刺型のカードを用意してあげました。そこにメッセージを書いてもらいました。似顔絵も描いていますね。これでもかってくらいデコってます。その気持ちがかわいい。
塾では初の試みとして、「開くと立体に見える赤いハートのカード作り」にチャレンジしてもらいました。
写真だとわかりにくいのですが、開くとハートが浮かび上がります!!
こういうのを一回作ったことがあれば、今後にいろいろなアイデアが浮かびやすくなるでしょう。いい経験ができたね♪
マーメイドちゃん、浮き上がるアートのコツをちょっと教えただけで、あっという間にすばらしい作品を創り上げました。また、自分で付箋とリボンを利用して、ちょっとした模様をあしらったのも素敵です。
さっき「浮き上がるアートのコツをちょっと教えただけ」とか、さりげなく書きましたが、不器用さには自信がある私がそんなアートをオリジナルでできるはずがないじゃないですか。自分でもぜんぜんやったことなかったのに、いろいろ立体アートを調べて、情けない感じの試作品を作った上で教えてみましたよ。
私の失敗の上にマーメイドちゃんの成功がある。塾の先生や親は、子どもに成功している姿を見せるだけでなく、失敗を先取りしたり踏み台になったりする役回りもできると思います。
ただ、踏み台になるだけなのはさみしいので、私は動画を作りました。今回プレゼントする相手のシナモンさんはプロの音楽家なので、シナモンさん自身が作った音楽にのせて、マーメイドちゃんのメッセージが引き立つような動画がコンセプトです。
またパステルで似顔絵を描くことにもチャレンジしました。動画もパステルも教わったことなんてありません。自分なりに調べてなんとか形にするのがアートだと思っています。
動画はこちらです。
マーメイドちゃんの気持ちや才能が、表現されないまま埋まってしまうのはもったいない。みんな、不安や迷いや感謝や喜びをどんどんアートにすべきだと思います。子どもは一人じゃ行き詰ってしまうから(子どもだけじゃないけどね)私はマーメイドちゃんを支えます。
この文章を読んでいる人の周りにいる子どもの才能も、埋もれることなくたくさんの親や先生に支えられて輝いて欲しいです。
世の中の大人は、アートの大切さを知っていると思います。音楽は大好だろうし、推しもいたりライブに行ったりして、アーティストが自分の心の支えになっていると推測します。美術館も人気あるし、アニメやマンガ、インスタもボカロもそういうのも全部アートだとしたら、たくさんアートを享受しています。なのに、自分の子どもや生徒たちのアートな部分を育てていこうなんてあまり思わない。思ったとしてもどうしていいかわからない。
「アートはあとで」という酷いダジャレが思いつくほどアートは後回しで勉強優先。そしてアートの道を目指す少年少女は、勉強に苦しみながら孤軍奮闘する。それは大人にとっても子どもにとっても本当に不幸な状態だと思います。
「でもどうしたらいいかわかりません」「先生、うちの子もお願いします」そういうことは言われるし、お願いされたらもちろんどんなつながりであろうともできる範囲で頑張ります! ですが、私が立体アートなんてできないところから予習したり、動画編集やパステル画なんてやったことないところから下手なりにも形にしたみたいに、大人もその気になれば踏み台になる程度にはできるようになると思います。
子どものために何かを表現してみようとする行為自体がすでにアートであり、この世界は大人のチャレンジの分、ほんの少し素敵になると思います。
具体的な手法なんかは調べればわかるし、わからなければ集まって教え合えばいいだけです。私は自分にできそうなこととして「メンバーシップ」を作りました。来る日も来る日も記事を書いています。
そして記事を書きながら私が心掛けているのは大人と子どもを分けないということです。
自分が子どもだった時の、もっとも楽しかった時間を思い出すこと(私なら幼稚園のとき絵を描いたり虫をとったりしたこと、小学生のとき消しゴムのフィギュアで遊んでいたこと)。そして今の自分とそのときの自分が地続きであることを思い出すこと。さらに自分もFな子どもであり続けようと思うことが大事だと、藍澤誠/Jの先生は記事を書きながら感じています。
この記事が「みんながFになるヒント」となりますように。
★Fとは?
私は、学校に行きたくない、学校に行かなくなってしまった、学校に行ってはいるけれど学校よりも大事なことができてしまった子のことをF(エフ)と呼んでいます。「不登校」の「F」であり、「自由=フリー」の「F」でもあり、学校にとらわれない状態が「ふつうじゃないとされていることがふつうのことになった子」という意味で、「F」という意味で、良い状態にも悪い状態にも使っています。
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