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『劇変! とても同じ生徒とは思えない! 音声入力方式で日記を書いてみたら』学ビ舎いろはに 024

こんにちは。藍澤誠/Jの先生です。小学3年生の授業でこんな体験をしましたのでシェアします。

以下、メンバーシップ「学ビ舎いろはに」の記事です。学びとスポーツについて50記事ずつ、合計100記事を書くことにチャレンジしています。発信したnoteのいずれかが、必要とする人へ運命的に届くこと祈っています。このメンバーシップでは、私が東京で開いている塾の活動をリアルタイムでお届けしています。必要な人に届けるために全文公開してますが、もし何かのお役に立ちましたら【①月額定額のメンバーシップ登録 or ②合計100記事ごとの1000円支援】のいずれかでの活動支援、よろしくお願いします。

その子は国語や文章を書くことに自信が持てないので、長くなくてもいいから日記を書く習慣をつけたいという展開になりました。しかし実際に書いてみると、わずか2行しか書けません……。

漢字もなかなか覚えられなくて難しいし、字を書くのも大変だよね・・・


ここまではよくあるのですが、新しい日記の執筆方法を探っているうちに、偶然、その子の才能に気づいていしまったのです。その才能とは――

「書くのは苦手だけれど、話すのは得意」

ここで言う「得意」は「描くのに比べて」という意味ではなく、エクセレントなレベルで得意といういことです。特におしゃべり好きというわけでもない女の子が(私に対してそうなだけで、学校ではおしゃべりが大好きなのかもしれません)「時系列に沿って、よどみなく、そのまま書き起こせるレベルで話すことができた」のです。記憶力も素晴らしいし、他者に話すように経験を整理する能力にも驚きでした。

私は録音して書き起こすことを提案しました。彼女がひたすら話し、私があとでそれを書き起こす法式です。

ひとまず「今日会ったことを朝から順番に思い出せる範囲で言ってみて」と言う形でインタビューをスタートしたら、なんと! まったくよどみなく文字通り「一息で」以下の内容を語りました。文章で再現します。

「じゃあ、学校についたところから思い出してみて」
「うん」


学校について10分くらい待ちました。先生たちが来るのが遅かったからです。学校に入っていから3階まで来るのが大変でした。荷物が多かったからです。そのあと宿題とかを出して朝の会をして、朝の会が終わったら計算プリントをやって、ちゃんと直したけど、先生の答えを写しただけでした。

1時間目は社会で、スーパーで聞きたいことは何ですか? という問題がありまして、スーパーの人に次の金曜日に聞きに行く質問内容を考えて、

スーパーマーケットは一番何が売れるのかと
並び順とかをどのようにやっているのか

を聞きたいです。

2時間目は国語です。国語は漢字2文字やって、それから『ちいちゃんのかげおくり』をやりました。それで『ちいちゃんのかげおくり』は、第二場面の話で、どういう話なのかを答える問題でした。「なになにのちいちゃんだと思います」と書くので、私が書いたのは「戦争になったちいちゃん」と書きました。

3時間目は理科でした。理科はホウセンカの観察をして絵を描きました。私はホウセンカのことについて書きました。私はホウセンカを調べてこう思いました。ホウセンカは水をいっぱいやったらかれてしまうので、朝日にあたったらかれてしまうので、1日とばして水をやったらすごい成長するかなーって思いました。それでやってみたらすごく育ちました。

4時間目は算数でした。三年三組と三年四組で算数教室にわかれているので、私は三年三組に選ばれました。算数の計算で、宿題と同じような問題を出されて「あ、こういうものはこういうやつなんだな」って思いました。3ケタかける2ケタとかそういうものをやりました。

給食のあと、そうじがありました。私はそのとき食べた後、おかわりもしていないのにお腹が痛くなりました。それで先生に言ったら、お茶とトイレいってきな、と言われました。それでお茶とトイレを済ませたら元気になりました。

それで5時間目はエイサー沖縄のダンスを練習するために、みんなで踊リーダーを決めようとみんなで作戦しました。踊リーダーは今日やったのでまだ決まっていませんでした。


記憶をたどりながらすらすらと出来事を5分間くらい話すことができたのです。2行しか書けない VS 5分間しゃべりっぱなし。同じ子どもなのに。事実を述べるだけでなく、思ったこともきちんと記憶していて本当にすごいと思いました。書くのとしゃべるのでは劇的な違いがあります。

今回は私が手動入力しましたが、今の時代、音声入力が可能です。
従来の日記のように「書くことベース」ではなく、話すのが得意な子は、音声入力で日記を書くという方向はいかがでしょう?

留意しておきたいのは、一人でしゃべっているのも話し甲斐がないので、軽く合いの手を入れてあげるというか、親や塾の先生が聞き手になってあげると、話す子どももとても話しやすくて楽しいし、コミュニケーションを深めるきっかけにもなります。何より、子どもの、大人になったらもう思い出せない1日が残されていくのって、すごく財産になると思うのです。私も自分の小学校の頃の日記読みたいですし、自分が何を考えていたか知りたい。

今回だったら、保健室に行ったという健康面の変化や、社会の調べ学習に行くというようなイベントがあることをリアルタイムで知ることができます。

音声入力なら文章を整える練習にもなるし、それを成形する過程で(今回の文章はほぼ成形しないですむレベルでした!)しゃべり言葉と書き言葉の違い、漢字を変換することによる学習効果なども期待できます。タイピングの能力も上がるでしょう。

いずれにせよ「字を思い出しながら手で書く」という従来の日記の記述方法が、子どもによってはとても大変だということに、音声ベースで日記を書く方法と比較することで気づきました。

学習用のタブレットも配布されているのでしたらそれを活用し、思い切って音声入力ベースの日記を推奨してもいいかもしれません。私もたった今、こうして書いている文章が「手書きじゃなくちゃ無効」だとしたら気絶しますね。

とはいえ、新しい試みは学校ではやりにくいと思うので、まず私自身が塾尾生徒を相手に音声入力日記の事例研究を続けていきたいと思いますので、近いうちにまたレポートします。


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