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「ルポ 日本のDX最前線」を読んだはなし

こんにちは。今日は月曜日です。休職中の私ですが、もうすぐ復職予定。復職に向けて、まじめに始業時間から活動することをこころがけ、PCに向かっております。開いているのはnoteやけど。

まじめにPC作業せずに、映画でも見に行こうか、もっと好きなことをしようか、と考えたりもするのですが… ちょっとは仕事関係のこともやろうかなと。リハビリ。まずはお手軽読書から、と手に取ってみた本についてが今日のお話です。

「ルポ 日本のDX最前線」を読んだ話。個人的な感想を、備忘録兼ねて書きます。

1.本書を手に取った理由

私はIT関連の企業に勤めています。SEです。復職に向けたリハビリに仕事関係の本、なにを読もうかなと迷い… あまり専門的な本は今は読む気にならず、、

SE → IT → DX 

という安易な考えから本書に辿り着きました。DXとは Degital Transformation の略で、最近ちまたのIT部門で流行っている言葉だと思います。

私はSEですが、こういうIT用語が苦手。カタカナが多くて、意味を読んでもすぐあたまに入ってこないんだよなぁ…というのは個人的な問題なので置いておきます。

経済産業省が定義しているのは下記の通りです。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

…噛み砕いて言うと、「ITを使って業務改革をして、さらにその先の新しい価値を生み出していこう」ということだと認識しています。

この本を手に取った理由に戻ります。はじめは実は違う本を読もうとしていました。本屋でよく見える場所に置いてあるDXの本。本屋から帰って、Amazonでクチコミを見ていて、悪くなさそう、と思いながら、関連本としておすすめと出てきた本が本書でした。クチコミを見たらすごく評価がよくて。現場の声がよくまとめられているとのこと。一般論の話より、こちらの方が面白そうだな、と思ったのがこの本を選んだ理由でした。

2.本の概要

本書のそで部分より。

 日本再生の鍵と言われる”DX(デジタルトランスフォーメーション)”。その実態とは?本当にDXは日本経済の救世主となり得るのか?
 本書では、政府CIO・経済産業省・金融庁といった行政機関や小売・飲食。メーカー・金融など企業の担当者まで、官民の枠を超えて「DXの最前線」に立っている人々を広く取材。彼らの現状を手がかりに、私たちが目指すべき「真のデジタル化」への道筋を探っていく。

3行政機関(政府CIO補佐官、経済産業省、金融庁)、7社(コープさっぽろ、トライアル、イカセンター、セブン銀行、コーセー、アクロスエンタテインメント、コナミデジタルエンタテインメント)について、取材した内容がまとめられています。

3.感想

目線ごとに書いてみます。

3ー1.一般読者目線

まずひとこと目の感想として、読みやすかったです。専門用語が多用されていません。少し出てきますが、ITに詳しくない人にもわかるように、きちんと意味を書いてくれています。著者の気遣いが感じられます。ITに苦手意識があるけど、DXが気になる人にとって手に取りやすい本だと思いました。

3ー2.SE目線

私は恥ずかしながら普段ITに関する情報収集をほぼしていません。反省します…。私の知識は仕事をしながら得てきたものです。分野は製造業。その中でもわりとニッチな製品を扱っていると思います。仕事をしていると、つい製品を中心に考えてしまいます。本書では、一部の企業ではありますが、幅広い分野のDXの取り組みについて知ることができました。自分の仕事周りでしか物事を考えらていなかった頭を少し柔らかくしてくれたように感じます。

そして本書に出てくる方は、皆前向きです。実際は大変な苦労があるのは間違いないと思います。けど、自分の信念を持って取り組まれている姿が伝わってきます。仕事は受け身ではなく、主体的で、この本に出てくるような人たちのようであるべきだよな、と個人的に思います。ちょっと仕事に対してネガティブな感情を持ってしまっている私ですが…。

国内外でサイバー攻撃演習を実施しているという鎌田敬介さんの言葉が印象的でした。

勤務時間以外は仕事に関わらないと決めて、大企業になればなるほど頭を使わない人の実数も多く、自己研鑽のために自腹を切るという発想も危機感もありません。
マズローの欲求5段階説でいうと、形式重視で勉強しない人はたちは「社会的欲求(所属と愛の欲求)」か、せいぜい「承認欲求」のところにいるんですよ。大企業に属していれば、一応「社会的欲求」は満たされるでしょう。理想像を追い求めるのは、その上の「自己実現の欲求」です。
この本を読んだだけでわかったつもりにならず、自分の足で歩いて、見聞きして、人と話して、現代の価値観と自分の感覚にどのくらいギャップがあるかを肌で感じてほしい。

自分にできないと思わず、柔軟な頭を持って、前向きにいきたいと思いました。

3ー3.休職者目線

本書には「特別取材」として、政府、企業の章とは別に4名の取材のエピソードが書かれています。前述鎌田さんのお話もそのひとつです。別の方の話で、今休職している身として、じーんときた言葉あったので引用します。話し手は30代半ばで転職、転職先はブラック企業で次の転職先を決めずに辞めた、子供もいる、無職を経験したことがある方の言葉。

「今だから言えることですが、あのとき、どん底を見ておいてよかったと思うこともあります。当然、修羅場の真っ只中にいる人はそんなこと微塵も考えられないと思いますが、いつかきっとその経験が生きる場面に出くわして、誰かの心の支えになれることだってあるかもしれない。スティーブ・ジョブズの『コネクティング・ザ・ドッツ』みたいにね」

「コネクティング・ザ・ドッツ」とは、経験は点として残り、いつかなんらかの形で線となる、人生に無駄なことはないことを伝えているスティーブ・ジョブズのスピーチに出てくる話です。上記は著者が取材当時日清食品ホールディングスCIOだった喜多羅滋夫さんの言葉。

休職したことも前向きに捉えたいと思いました。

3ー4.仕事とプライベート両立目線

私はまだ独身でありますが… 育児休業制度がない時代から仕事とプライベートを両立された方を尊敬します。コーセーで研究所長を勤める小椋敦子さんの言葉が印象的でした。

「自分がコントロールできないことでクヨクヨ悩んでも仕方がない。他人に評価を委ねるのではなく、『絶対評価を上げていこう』と考えていました。」
子供が熱を出すたびに保育園から呼び出されては欠勤扱い。周囲は小椋を気づかい、重要な仕事を任せなくなった。
「毎朝やっとの思いで出社しても仕事がないんです。でも、仕事がないなら自分が課題に思うことをやればいいと思ったんです」。

バイタリティを持っていきたい、と感じました。

さいごに

感想を書き出してみると、人の生き方に関する言葉に自分は印象を受けていますね… この本はDXについて書かれた本のはずなのだけど。DXについてどのように取り組まれているか、姿勢とともに書かれているから、生き方みたいなところが印象に残ったのかな、いや、私自身が今生き方を迷走しているからかもしれません。笑。

仕事…DXに真摯に向かう現場の姿がほんとうに丁寧に綴られていると感じました。

DXにご興味ある方、ぜひ手に取ってみてくださいな。

普段仕事でITに関係がない方が読んでくださっているとしたら、こんな言葉もあるんだな、と受け取っていただければうれしいです。

最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。


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