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「クリエイターとカルチャーとAIと」Code for Kitakyushu定例会レポート


はじめに

note投稿は相当久しぶりですが、今回はイベント開催レポートです。
昨夜はITコミュニティ『Code for Kitakyushu』の月次定例会にてユニット”HUMANITIES”に「クリエイターとカルチャーとAIと」というテーマにてご登壇いただきました。

Code for Kitakyushuとは

Code for Kitakyushuとは日本全国80以上に存在するCode for XXXの一つで、2014年から活動を続けているITコミュニティです。詳細は下記画像をご覧ください。

最近は毎月第3水曜日に登壇者2名の話を聞きながら飲食して親睦を深めるというのを定例会パターンとしております。Code forという名前がついていますが、アンガーマネジメントや食関連の話題(ペットボトルの水を飲むならこの銘柄お勧め等)技術ネタばかりでないことも特徴の一つと思っています。IT屋の話だけでなく、IT屋が知っておいた方が良いこと、というコンセプトですね。

直近の活動イベントなどはTech Playのコミュニティページをご覧ください。(最近イベントサイトプラットフォームを移行したので直近3か月分しかありませんが)

登壇者”HUMANITIES"について

HUMANITIESとは、北九州在住の八木田 一世(やぎた いっせい)さんと菊池 勇太(きくち ゆうた)さんによって2023年に結成されたユニットです。その名前に込められた意味は以下の通りです。

HUMANITYとはそもそも「文化人類学」や「人間らしさ」を意味する単語。現代では、スピードとトレンドが極度に優先される傾向にありますが、AIのようなツールが発展していく時代背景を考えると、もっと文化、歴史、哲学、アートなどの普遍的な価値観に思索を巡らせるための時間を確保することが求められるはずです。この視点から、私たちは「100年後につながる文化活動の種を育む」という志を持ち、菊池と八木田ふたりでこのユニットをスタートしました。一歩通行の講演に終わらず、そこからの対話を重視するスタイルにしていることを表す意味で、HUMANITY×HUMANITYでHUMANITIESと名付けました。

https://techplay.jp/event/913544

聞けば、菊池さんが思考の壁打ち相手として頻繁に八木田さんのオフィスを訪れており、毎回1~2時間近くお二人で話し込むことも多く、「これは二人だけで閉じておくのはもったいないのでは?」という事で、対外的に話す際に打ち出すことにしたそうです。
この辺り、現在のCode for Kitakyushu定例会のスタイル(毎月2名に登壇いただく)に相通じるところがあり、勝手にシンパシーを感じていました。この定例会も、私が本業の特性上、様々な方にお会いする中で、自分だけでその方の人となりや取り組まれている内容をお聞きするのがもったいない、と場を創るようにしたのが一つのきっかけでした。

八木田さんと菊池さんはそれぞれ界隈では著名な方で、私が色々書くよりいただいたプロフィールがありますので、そちらを掲載させていただきます。

八木田さん

1977年福岡県生まれ。高校卒業後、米国のビジネススクールにてマーケティング分野で修士号を得た後、フリーランスのデザイナーとして起業。911テロの影響で7年ほどの滞在を経て帰国後、24歳で「シード」設立。現在は「アーティストのように発想し、デザイナーのようにアイディをまとめ、ビジネスパーソンとして起業する」というメソッドを研究中。北九州市立大学大学院マネジメント研究科特任教授。九州ADCファシリテーター。福岡デザインアワード3タイトル保持。2021年PENTARARDSにてBRONZEを受賞。


菊池さん

1989年生まれ。北九州市立大学卒業後、コンサルティング会社、マーケティングリサーチ会社を経て、2018年に合同会社ポルトを設立。ゲストハウス事業や飲食事業、クリエイティブ事業などを手がける。また、合同会社阿蘇人副代表、岡野バルブ製造株式会社取締役、大英産業株式会社のアドバイザー等を務める。

北九州が誇る知の巨人…というか行動力でも巨人ですね。

登壇内容について

八木田さんが後ほど語られていた”歴史・哲学・宗教の視点から見たAIの今後予想(妄想)みたいな「問い」を対話のボールとして持ち込”んだというのはまさにその通りでした。
そもそもリベラルアーツって文系も理系も区別なく必要だよね、という話だったり、科学とアートを対立で捉えるのではなく融合した視点も必要だ、という話だったり。八木田さんのメッセージは以下に集約されていると感じました。

優れた知性とは、二つの対立する概念を同時に抱きながら、その機能を充分に発揮していくことができるということだ。

スコット・フィッツジェラルド

人間とAIというのも対立する(あるいは、今後社会的に対立していく)概念でもあろうかと思いますが、それぞれの機能を十分に発揮していくことが必要とされるのでしょう。

この他にも、AIの捉え方についての米欧中の違い、AIによって奪われる仕事の一方で生まれる仕事がある事、その中でどの様な人材が求められていくのかを、濱口秀司 氏のナレッジ・ダウンロードモデルに基づきお話しいただいたり。具体的にはカルチャーを基点にスキルセット、手順書、ToDoリストにまで落とせる人では、という話です。

この他にも、「ビジョン・将来像」を描ける人、いわゆるビジョナリーが求められるし、そのためのリサーチ・対話と、それに対する仮説・問いは必須という話だったり。

私が特に印象に残ったのは、いわゆるデザインシンキングのモデル(ハッソ・ブラッドナーモデル)が上手く行かないのは、根本的に没入が足りないから、という話でした。これは北九州で地域振興に関して諸々動いている身として、10年前は考えることが出来ていなかったことを今は考えられるようになっていることもあり、非常に腹落ちしました。
その一方で、「こだわりは良いけど、囚われは良くないよね」という言葉もあり、これまた本当に同感です。

そんな話がありながら、質疑応答では一神教と多神教の価値観の違いだったり、若者の非言語コミュニケーション能力についての言及だったり、非常に楽しく凝縮された会でした。
いやぁ、これは確かにもったいないですね(笑)

次回Code for Kitakyushu定例会について

毎回こういう話をしているかというとそういうわけでもなく、次回は思いっきり趣向を変えて、「起業家育成ボードゲーム」を楽しむ予定です。
また、合わせてコミュニティメンバー共同でクラウドファンディング購入した「店舗経営DXボードゲーム」も持ち込む予定なので、和気あいあいと楽しめればと思います♪

次回開催は9/20 19:00~21:00、場所はCOMPASS小倉です。
イベントページはまだ公開されていませんが、コミュニティページにご登録いただいておけば公開と同時に案内が行きますので、ぜひご登録を。

いただいたサポートは、地域の課題をITの力で解決するITコミュニティ「Code for Kitakysuhu」の活動や、北九州市内のテイクアウト情報を提供するサービス「北九州テイクアウトマップ」の運営に充てさせていただきます。