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経費精算の業務改善方法


本記事では、「経費精算」業務の業務改善の取り組み方法やありがちな失敗についてご紹介します。経費精算はマニュアル作業で手間がかかり、ミスが社員の不満に直結しやすい一方で、経営への影響力が小さい付加価値が乏しい業務です。
処理する量が多く、業務改善に取り掛かる当初は骨が折れますが、取り組み方はシンプルで効果も見えやすく、初めて業務改善に挑戦する方はこちらから取り掛かると良いでしょう。


10秒で分かる、業務改善の必要性

経費精算の業務改善に取り組むべきかどうかは、こちらの二つのチェックポイントに回答するだけで分かります。

□ 紙・Excelを使っている
□ 小口現金で対応している

また、経費精算は業務改善の最適解があり、効果が見えやすいという特徴があります。詳細は後述しますが、まず紙やExcelの作業をシステム化し、次に経費申請を極力減らすべく後払いの仕組み・システムを導入。シンプルな二つのステップで、経費精算業務を改善・効率化しましょう。

経費精算の業務改善 5つのSTEP

STEP1
まずは、現在の経費精算の業務フローを整理します。重要な点は、「どの部署の誰が」「何を」「いくら」ーつまり、「申請者」「費目」「金額」を把握することです。これによって、どのような部署でどのような仕事をしているひとが、どのような状況で立替精算しているのかが分かります。
経理担当としての視点のみでなく、経費精算システムの利用者である「社員」の視点に立ち、双方にどのような課題と手間が発生しているのかを把握することが必須です。

STEP2
現在の業務フローが整理できたら、想定されるリスク・無駄な手間とそれらを避けるためにやるべきことを考えます。例えば、紙・Excelで経費精算をしている場合には、下記のようなリスク・手間があるでしょう。

・ 利用者がフォーマットを変更した場合、算式のエラーが出て金額の修正が発生して誤った金額で申請されてしまう。
・ 回覧の途中で紛失してしまう。
・ 経理への最終提出時に、誤った場所に提出してしまう。

STEP3
現状の課題が明確になったら、次は解決するための方法を検討します。経費精算の業務改善における解決方法は、①経費精算システムの導入 ②コーポレートカードの導入 ③後払いの出来るシステムの導入への変更 の3つです。

まず、①経費精算システムの導入は経費精算の業務改善においては必須事項です。これがないことには、マニュアル作業や紙・Excelベースの作業からは脱せません。その上で、自社の規模や状況に応じて、適切なシステムを選びましょう。
②のコーポレートカードの導入ですが、大きな金額の立替が定期的に発生している社員には、コーポレートカードを付与することも有効です。一方で、現行の電子帳簿保存法では
、エビデンスとしてカード明細だけでなく個別の領収書も必要です(2020年8月現在)。ただ、コーポレートカードを導入した場合、利用者である社員から領収書の提出が滞りがちになることも間々ありますので、注意を払うポイントです。

③の後払いができるようなシステムでは、請求書払いが実現されます。物品購入や出張時の経費精算業務量が多い場合には、必須のシステムです。
例えば出張が多く新幹線・レンタカー・飛行機・宿泊の手配を個人でなく法人単位で行うことの出来るBTM(ビジネストラベルマネジメント)などのサービスを導入すると良いでしょう。他にも経費の使用状況に応じて、サービスを選定することをおすすめします。

STEP4
課題とやるべきことが明確になったら、上長や関係部署の承認を取りましょう。システムやコーポレートカード導入によって作業時間が具体的に何時間削減されるのかといった費用対効果を数字で示し、社内のステークホルダーが納得し承認を得られるように工夫が必要です。

予め、経費精算業務にかかる時間を計測し、システム・コーポレートカード導入によって削減される時間を試算しましょう。また、その際に経理担当のみでなく、利用者である社員の時間・工数削減についても伝えることが重要です。
担当者自らだけの利益を伝えても、上長・関係部署からの納得感を得ることは出来ません。

STEP5
システム・コーポレートカードの導入について承認が取れたら、全社展開する前にパイロット版として一部社員を対象にガイダンス・運用をします。なるべくシステムに不慣れである社員に依頼することが重要で、導入当初から高い水準での運用を求めるのではなく、まずは「誰でも簡単に運用できる」状態が目指すべきゴールです。

実際に運用してみないとわからないことも多々あるので、STEP5で分かったこと・気がついたことを全社展開時の運用フローやマニュアルに反映させましょう。

以上の5つのSTEPが経費精算の業務改善方法です。また、システム・コーポレートカードは導入して終わりではありません。都度改善点を見つけ、より使いやすく効率的に運用フローをブラッシュアップし続けることも重要です。

やってしまいがちなミス

経費精算の業務改善に取り組む前に、やってしまいがちなミスを把握しておきましょう。

中途半端なトップダウン
システム導入をする際に、トップダウンで進めることは悪手です。導入時はスピーディーに進むでしょうが、実際に利用する社員が納得をしていないと、システムが利用されなかったり提出が滞ったりと実運用に支障が生じます。
また、経費精算はほぼ全ての部署に関わることですが、納得をしていない部署の役職者がいた場合、その部署だけもともとの方法を踏襲する・・・という歪な運用フローになってしまう可能性もあります。

また、すでに導入されているシステムが活用されていない場合には、導入時に利用者である社員へのヒアリングや説明が不十分で、納得が行かないまま進めてしまっていたのかもしれません。当時の状況をヒアリングしながら、運用フローの再構築やシステムの見直しに取り掛かり、運用適正化に向けたアクションを取りましょう。

他社のシステム・フローを真似する
経費精算の業務改善で成果が出ている他社の情報収集をし、参考にすることは有効ですが、システムやフローをそのまま真似をしても同じ効果は出ません。
会社ごとに、従業員規模や経費精算のボリュームはもちろんのこと、システムへのリテラシーや運用のための注意点も異なります。
他社が使っているから、有名だから、といった理由ではなく、自社に合うシステムかどうかを見極めてシステム導入をし、運用フローを構築することが重要です。


以上、経費精算の業務改善方法についてご紹介しました。経費精算は、経理の業務改善の第一歩として取り組むべき業務です。本記事が何かしらのご参考にしていただければ幸いです。

※※本記事の記載事項は、あくまで基礎的な内容であり、具体的にどのようなシステムを導入するべきかについては記載しておりません。
株式会社AIトラベルでは、無料の個社対応の経費精算システム相談を実施しておりますので、ぜひこちらでご質問なさってください。
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