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#188 読書のススメ from ”微量栄養素”の貯蔵庫"

 今年4月から図書館の仕事も担当することになり、学生さん向けに書いた「図書館便り」の文章を、このnoteに転載します。

「なぜ人は食事をするのでしょうか?」 

 「食べずにはいられないから」なのは明らかです。人体の活動に 必要な“栄養素”は、1)材料・エネルギー源として大量に必要な糖質・脂質・タンパク質と、2)成長や代謝機能の維持に必要な微量栄養素のビタミン・ミネラルに分けられます。

「なぜ人は本を読むのでしょうか?」 

 「読まずにはいられないから?」 人間の活動に必要な“学習”には、目的達成に 1)すぐ必要なもの、2)すぐには必要でないもの、の二種類があります。“読書”も同様 だと思います。

”微量栄養素”

 長期間のビタミン不足が続くと体調を崩すのに似て、必要な知識だけを学び続けると、将来、違う価値観や違う環境で暮らす人たちと仕事をする時に困ると思います。仕事に関係のない話題・世間話ができる この”教養”は、”微量栄養素”として必要です。

”教養”

 さて”教養”はどうすれば身につくのでしょうか? その方法の一つが「読書」です。“炭水化物”に相当す る資格対策本だけを読むのではなく、専門書以外の分野や、外国語で書かれた本を読んでみましょう。そうすればきっと、初対面時や仕事の休憩時間などで、国内外の文学・歴史・芸術などについて、カタコトのコミュニケーションが“潤滑油”として働きます。(そういう場面を、私も何度か経験しました。)

“微量栄養素”ゲット

 私はこの1年間、イタリア語の基礎をゆっくり愉しみながら勉強しているのですが、「こちらは後輩の〇〇さんです。よろしく。」という挨拶がイタリア語に存在しないことを知りました。日本で一般的な(後輩だから 面倒を見てあげよう)という考え方が存在せず、これを知って驚くと同時に興味深く思いました。50 歳を過 ぎた私でさえ、“微量栄養素”ゲットです。

「初めの一冊」

 学生時代の”成長期”に欠かせない“微量栄養素”である多くの本たちが、皆さんとお目にかかれる日を、 図書館でお待ちしております。まずはどんな本があるかを見に来て、「初めの一冊」を借りてみてください。