見出し画像

#131 なぁーんだ、聞けばいいんダァ。(ワイン選び)

ワイン リストとご対面

 お高いレストランに自分から行くことはない私ですが,たまに仕方なく誰かと行く場面があると,「ワイン リスト」なるメニューから選ぶ場面があります(そんなお店にはほとんど行きませんが,,)

「ちょっと知ってる」

 20歳を過ぎた学部学生の頃、友達と少し洒落た(?)レストランに行きました。普段着で気軽に入れるお店で、ジーパン姿で入っていける場所です。メニューが渡されて、「ワインはどれになさいますか?」と聞かれました。それまでワインなんてほとんど飲んだことがないので友達と一緒に読み始めましたが、なぜか英語でしか書かれておらず”意味”がわかりません。私が皆から、この店を決めたのはお前だからワインも決めてくれと言われ、「では、オッペンハイマーで。」と注文しました。皆驚いて、「お前ワインがわかるのか?」と驚きの声が上がりました(エッヘン)。「ちょっと知っているのがあった。」 (本当はワインのことなど全く知らず、有名な物理学書の名前と同じワインの銘柄があったから選んだけ)とは告げず、さも”ワインを知っている”という皆の誤解をそのままにして、味のわからないワインを飲んだことがあります。「知らない」と言えないのが気まずいなと、”苦い味”を少し感じながら、、、。

「どれがオススメですか?」

 ワイン リストの2つ目の思い出は、大学院生となり国際会議で訪れた海外のレストランの場面です。日本から参加していたエライ先生と同席させていただくことになり.その先生はテーブル担当の給仕の方に,「この料理を頼みたいんだけれど,どれがおすすめ?」と流ちょうな英語で聞いていました.(へぇー,わからないことは聞いていいんだぁー)と驚きました.

 メニューは自分で決めるモノと思い込んでいたのですが,給仕担当(ソムリエ?)の方は”相談されたら,相手の予算を想定しながら適切なワインをお勧めしてくれる人”だったんですね.おすすめを二つほど言われたら,その先生は,「普段は○○を飲んでるんだけど,おすすめしてくれたワインと比べてどう?」と第二の質問をしていました.(へぇー,会話が続くんだぁ.)と感心していると,ソムリエさん(?)は,「あなたのお飲みのワインは,いい選択ですね.今日はこちらの地元産のワインを,旅の記念にお楽しみになるのを、私は自信を持ってお勧めします.」と答えていました.そう言われてから,二人はニコッと笑っておすすめのワインを注文していました.

 コルクをあけ,いつもの香りを嗅ぐ(かぐ)儀式(?)テイスティングをして,皆のグラスに注がれてから乾杯をして楽しい食事が始まりました.注文を決めてくれたあの先生は、テーブルを離れるときに最初の給仕してくれた方にニコッと笑って「おいしいワインと料理をごちそうさま.良い旅の思い出ができました.」と言いながらテーブルにチップを置いていらっしゃいました. あの日の赤ワインはフルボディで少し苦味があったけれど、心地の良い「コク」で濃厚な味わいを感じた気がしました。(私は未だに、ワインの奥深さはわかりませんが、、、)

聞くためのテクニック

 「ワイン選び」のように、人生では様々な選択の場面があります(大袈裟な表現ですが、、)。選べないよりは選べるほうが「幸せ」なのですが、「迷う」ことは時に焦ったり・苦痛に感じてしまいそうになります。「わからないことは聞いてね!」と言われても、ホイホイみんなが質問できるとは限りません。思うに、質問するためのテクニックがある気がします。

その1) この人は、質問してもらうために私の目の前にいる。私にアドバイスするとこの人は嬉しいと思う。

その2) 自分が質問することを楽しむ。そのためには、自分でも何らかの”努力”・”頑張り”をして、相手にそれを伝える。

その3) ムヅカシイことを考えない。 (これが一番難しい。) 
こんなこと聞いたら、笑われるんじゃないだろうか? あるいは、怒られたり?
若い時、場数を踏んでない時はそう思うのはもっともですが、慣れてくると、「まぁ、何とかなるさ」という”魔法の言葉”を心の中で唱える”秘術”を身につけ、毎日が楽しくなります(保証します。体験済みです。)

「苦味は旨味」

 コーヒー、紅茶、ウイスキーなどなど、生まれて最初に口にした時、”ニガ〜ぁ”と思ったものは、人生の経験を積んでいくと脳の中でその時々の記憶と結びつき”美味しいもの”に変わるんだそうです。沖縄の人も、最初はゴーヤは苦いんだそうです。大人になるにつれて”美味いもの”に変わるようです。

さぁ、わからないことは遠慮せずに聞いてみましょう。もし自分が聞かれたら、教えてあげましょう。苦い経験も、過ぎてしまえば、楽しい思い出にきっと変わります。

注意)未成年の皆さんは、”ワイン デビュー"は二十歳を過ぎるまでお待ちください。それ以上の皆さん、飲み過ぎには気を付けましょう(笑)。