台風になって分かったペット同行避難の難しさ

台風19号は日本各地に深く大きな爪痕を残していった。未だ浸水や倒壊に悩まされ、自宅に帰れていない方々が多くいると思うと心が痛む。

そんな中、Twitter経由でこの記事を目にした。

noteや各種SNSでも触れているが我が家には2匹の猫がいる。

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シンガプーラのプーラと

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アメリカンショートヘアーのアメリ。

ともに保護猫でプーラは我が家に来て3年目、アメリは2年目。大事な家族の一員。

台風19号が直撃して分かった本当の課題

大規模災害が起こることを想定して、これまでも猫との避難グッズは準備してきたつもりだ。

2匹を入れて運ぶことができる大型キャリーケース、折り畳み可能な携帯トイレに軽量の紙パルプ砂、コンパクトサイズの水・餌入れに小分けにした餌・・・・なにかがあればそれらすべてをカバンに入れてすぐ出る準備はできていた。ちょうど最近、『もう少しアイテムを見直してみようか』なんていう話を妻ともしていたところだった。

そんな中、台風19号がやってきた。我が家は調布市にあり、多摩川まで直線距離にして約300m前後に位置する。各報道でも触れられているが多摩川は12日の昼過ぎには氾濫警戒、夕方には氾濫危険警報が出される状況にあった。

現在の家に引っ越して4年、刻一刻と変わるニュースの状況や窓の外の風景にはじめて避難という言葉が頭をよぎる。

一方で、多摩川に近いといえど我が家は4階。食料や水、ランタンやバーナーもあるし(このときばかりはフジロックに感謝)、浸水する危険性は低いとも思われるため下手に動かず止まった方が良いのではという考えもある。なによりプーラとアメリが不安げに僕らに寄り添っていることも心配だ。

もう少し様子を見ようと思いながらも念のため避難所情報を調べて気が付いた。

僕らには避難できる避難所がない。

ペット同行可能な避難所はまだまだ少ない

16時過ぎ時点で開設されていた市内の避難所はすべてペット同行が不可だったのだ。

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もちろん様々な事情があるのはわかる。まずはなにより人命優先であるし、避難所にいる人たちの中に動物アレルギー持ちの方がある可能性も否定できない。衛生面の維持も動物の有り無しで大きく変わることも理解できる。

ただ、少なくても我々夫婦にとってプーラとアメリは大切な家族なのだ。そう簡単に割り切って家の中においていくわけにはいかない。

結果、4階であり浸水可能性が低いこと。万が一、多摩川が氾濫しても水が引くまで自宅で持ちこたえられる備えがあればなんとかなること、の2点から自宅待機を決意した(マンションの住民たちとも情報交換したが、3階以上の人、ならびにペットを飼っている人たちは全員同じ判断だった)。

18時近くになり駅前ホールの一部がペット同行可能になったとの情報が流れて来たが外はすでに暴風雨状態であり、かえって自宅にいた方が安全という状況でもあった。

正直、この判断が正しかったかどうかはわからない。今回は結果として自宅近くでの氾濫はなかったが、もし想定以上の氾濫が起きてしまえば我々を救助するために危険な目に合う可能性がある人も出て来てしまうのだから。

一方で、僕らや冒頭のニュース記事の中学生のようにペットを飼っている人たちは、きっとそう簡単にペットをおいて避難はできないはずだ。また、例えば大地震が起きて建物に止まるのが難しい状況になった場合、ペットをどうすれば良いのだろうか。今回のことで悩みと不安はつきなくなってしまいそうだ・・・・。

僕ら目線からの要望にはなってしまうのだけれど、是非とも各自治体で最低1箇所はペット同行可能な避難所ができてくれればな、と思う。

その代わり、多少遠い場所であったとしても、できる限り早めにその避難所に移動を開始して他の避難所に不必要な迷惑をかけない等、飼い主側の協力も不可欠になるはずだ。

避難グッズを見直してみる

今回の台風19号での経験を踏まえて、猫の避難グッズを少し見直して見ようとも思ったので最後に書いておこうと思う。

①移動用のケージはリュック型に変更する
これまでは片手持ちの大型キャリーケースを準備していたが、今回のような大雨の場合はできる限り両手が空いていた方が良いことが分かった。そのため、2匹をまとめて入れられる大型リュック形状のケージに変更しようと思う。背中に背負った状態でフェス用ポンチョを羽織れば、猫たちの雨濡れも多少防げそうだ。

②折り畳み式のサークルケージを用意する
①の大型キャリーは避難先でそのまま猫を過ごさせることも想定したサイズであった。今後はリュック型に変更するため、避難先で広げることができる折り畳み式のサークルケージ(屋根付き)を用意しようと思う。

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