清く正しく、たくましく
鳩の交尾を見た。
ジョナサンからの帰り道。
それぞれ、溜まっていたタスクを消化し、幾分すっきりした気持ちで店を後にした時だった。
信号待ちで並んでいる間、高架下で人間たちを並んで見下ろす鳩のカップルを、目ざとく見つけた私。
「見て、並んでこっち見てるよ!可愛いね!」
と、彼の腕を掴んではしゃいでいると、片方が翼をバサバサと優雅にはためかせ、もう片方の背へおもむろに足をかけたではないか。
しかも足をかけられた方は、暴れるでもなく、嫌がるでもなく、ただじっと、されるがままに足をかけられている。
唖然とする私たち2人を尻目に、5秒ほどバサバサとなんやかんやした後、丸で何事も無かったのように元の定位置に戻り、また私たちを黙って並んで見下ろし始めた。
口も聞けない私たち。
すると、さらにもう2羽の鳩が、交尾を終えたばかりの2羽の元へ、スィーっと急降下してきたではないか。まさか、見物していたのではあるまいな。
いよいよ、アダムとイブ状態に陥る私たち。
まったく、君たちには羞恥心というものが無いのだね。やれやれ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?