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一日一句【菜根譚】#29『張弛有度、文武之道』張りつめすぎないように


「張弛有度、文武之道」

この言葉は、礼記・雑記下の孔子と子貢の逸話から来ており、
孔子と子貢が祭礼を見に行った際に、子貢が「一国之人皆若狂、賜未知其楽也(国中の人々は狂ったように見えたが、賜はその楽しみを知らない)」と言ったところ、孔子が「張而不弛、文武不能、馳而不張、文武不成(張りっぱなしでは文武は成らず、弛みっぱなしでは文武は成り得ない)」と言ったものです。

この言葉は、文武の道は張りと弛みのバランスが重要だという意味です。張りというのは、努力や奮発の状態を指し、弛みというのは、休息やリラックスの状態を指します。文武の道においては、努力や奮発をしながらも、休息やリラックスをすることも大切であり、両者のバランスが取れてこそ、最高の状態に達することができるのです。

この言葉は、私たちの生活や仕事にも示唆を与えるものです。仕事においては、努力や奮発をしなければ成果を上げることができませんが、一方で、休息やリラックスをしないと、体調を崩したり、効率が悪くなったりします。そのため、仕事と休息をうまく組み合わせて、常に良好な状態を保つことが大切です。また、生活においても、積極的に行動しながらも、休息やリラックスをすることで、心身ともに健康を保つことができます。
具体的に、張りと弛みのバランスをとるには、以下の点に注意するとよいでしょう。

  • **仕事においては、労働と休息をバランスよく取り、仕事と勉強を交互に行う。**長時間にわたって仕事や勉強を続けると、心身ともに疲労し、効率が低下します。そのため、適度に休息を取り、心身をリラックスさせることが大切です。

  • **生活においては、感情をコントロールし、心を穏やかに保つ。**感情が過激になると、判断力や決断力が鈍くなります。そのため、心を穏やかに保つことで、正しい判断や決断を下すことができます。

  • **学習においては、着実に学習を進め、焦らずに取り組む。**急に成果を出そうとすると、理解が不十分なままで先に進んでしまい、学習効果が得られません。そのため、着実に学習を進め、一つひとつの知識をしっかりと理解していくことが大切です。

張りと弛みのバランスをとることは、人生の知恵です。このバランスをとることで、成功や幸福を手に入れることができるのです。

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